先日、３姫の高校最後の体育大会がありました。
３姫の高校最後といえば、僕ら夫婦にとっても最後の我が子の体育大会ということになります。（大学にいっても、体育大会なんてありませんもんね・・・。）
ということは、これはなんとしても見に行かなくては！・・ということで、我がママと見に行ってきました。
３姫の親友のRちゃんのママが車で迎えに来てくれて、例によって朝一番、まだ開演１時間ほど前に学校に着きました。
ママ達が駐車場に車を停めに行ってる間、僕は席取りを言い渡されて保護者席のテントへ・・・。席取りしてる人はまだまばらで、席は選び放題です。
しかし好天に恵まれて雲一つない青空のこんな日は、保護者席のテントではいくら早く行っても、一番前の席に座るもんじゃありません。
２年前の体育大会、朝早く行った僕らは、一番前の席に陣取って午後から直射日光の餌食になりました。
学習能力に優れた僕は、一番前の席が空いてるにもかかわらず、３列目の席を５席確保しました。
その後、前の席はみるみる埋まっていきました。
僕は（ふふふ、そんなに前の席に座ってると、午後からすごいことになりますよ！）・・・なんて心の中でほくそえんでたら、後ろの席から肩を叩かれました。
見ると、威勢の良さそうなおばちゃんです。
「アンタ、この席はとってあるとな？」
「は、はいっ、すいませんねぇ。あと４人すぐ来ますんで・・。」
「とってるとなら、ちゃんと椅子の上になんか置いとかんといかんよ！あたしゃ～、前の席がいいとばってんがなぁ～・・・。」
確かに、前の席には全部座布団とか、バッグとか、ペットボトルとか置いてあります。
まあママ達がすぐ来るだろうと思ってたら、さっきのおばあちゃんが後ろでなんかブツブツ言ってます。
「来るのが遅いけん、譲って貰おうかなぁ？あたしゃ～、前じゃなかと見えんもんなぁ・・・。」
僕は、ちょっとムカついて、僕が確保してる椅子に１つずつ持ってる物を置いていきました。
タバコ、ライター、携帯用灰皿・・・・・、あと１個足りません。
あと、持ってるのは、財布だけ・・・。
まさか財布を置いておく訳にもいきません。
そこで思いつきました！
履いてた靴下を片方だけ脱いで、椅子の上に置きました。
これには、うしろのおばちゃんも悔しそうにしていましたが・・・・。
まあとにかくパーフェクトに椅子を確保した僕は、ふんぞり返って我がママ達を待ってました。
ところがやって来た我がママが、
「あっちの席をとってあるから、あっちに行くよ！」
なんて言ってます・・・・。
その声を聞いたうしろのおばちゃんの不敵な笑いを僕は見逃しませんでした。
僕は、せっかく確保した椅子の上に置いておいたタバコとライターと携帯用灰皿、それに片方だけの靴下を素早くかき集めて椅子を立ちました。
そのとたん、うしろのおばちゃんは、虫を獲る時のカメレオンの舌みたいに一瞬にして今まで僕が確保してた椅子に自分のバッグやら水筒やらを置いて、家族に向かって
「さっ、前に行くよ！譲って貰ったけん。」なんて言いながら、僕の方を見てニヤッと笑いました。
けっこうムカつきましたが、大人の僕は冷静を保って去っていきました。
その後、そのおばちゃんのうしろを通るたびに見てたら、おばちゃんは将棋の駒取りみたいに少しずつ前に進んで、最後は望み通り一番前で手を叩きながら応援してました・・・。
えっ、直射日光ですか？
それがどういう訳か午後から曇ってきて、関係ありませんでした・・・・。
とにかく、３姫が出場した部活対抗リレーやＨＲリレーは問題なく優勝して僕らの最後の体育大会は盛況のうちに終了しました。
（あ～ぁ、我が子の運動会見るのはこれで最後かぁ～）なんて感傷にふけりながら帰ってたら、例の椅子取りおばちゃんとすれ違いました。
一瞬ムッとしましたが、僕とおばちゃんはどちらからともなく「お疲れさんでした」なんて言いながら軽く会釈しました。
まるで、勝負を終えた勝負師どうしのような清々しさを残しつつ・・・・。
よ～し、今度は、いつの日か孫の幼稚園の運動会の席取りにガンバルゾ～！！
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