この写真はベルリンの壁の崩壊後、その跡地に桜を植えるために日本から贈られた苗木がもとになっています。壁の崩壊直後、テレビ朝日の呼びかけで、その跡地に桜を植樹して世界平和を祈ろうというキャンペーンが開始されたということです。私はこうした映像を見ますとどうしても今のウクライナの現状を思ってしまいます。一日も早くウクライナに停戦・平和が戻ることを祈ります。
口語短歌
「ベルリンの 壁の跡地に 広がるは 平和の象徴 八重の桜が」

この季節、ドイツのベルリンを歩くと、あちこちに桜の木を見かけます。北海道より緯度の高いベルリンの桜の見ごろは4月の下旬。日本で主流の淡いピンクのソメイヨシノではなく、色の濃い八重桜がほとんどです。
口語短歌
「人と人 募金で作る 拓く明日 善意の汗で 桜並木も」

約2万人からおよそ1億4,000万円もの募金が集まったといいます。1990年11月、東西冷戦時代に両陣営がスパイを交換する場所として知られた「グリーニッケ橋」のたもとに最初の2本が植えられ、2010年11月、ベルリンの壁が最初に開かれた「ボーンホルマー通り」に最後の1本が植えられるまで、20年にわたって約9000本の桜の木が植えられたのです。
口語短歌
「死の帯と 呼ばれてひさし テルトウ市 悲しい過去に 思い出偲ぶ」

ベルリン郊外のテルトウ市には、およそ4kmにわたって美しい桜並木が続くエリアがあります。かつては壁を越えようとする逃亡者を見逃さないために、大量の除草剤が散布され、草一本生えない“死の帯”と呼ばれていました。日本から桜が贈られることになったため、一帯の土壌を改良し、約1100本がこの土地に植えられました。
口語短歌
「ドイツにも 日本まつりが 行われ ビール片手に 桜を愛でる」

毎年テルトウでは、4月の下旬にドイツ国内最大の花見イベント「日本桜まつり」が開催されます。地元でも”Hanami”と呼ばれ、毎年多くの人々が参加します。毎年4月下旬に開催予定です。露店でソーセージを買って、ドイツビールを片手に、美しく咲いた桜を愛でる姿は万国共通の光景です。
口語短歌
「グリニッケは スパイ交換 有名で 分断された 思い出の橋」

東と西のスパイが交換される場所としても有名だったグリニッケ橋、のたもとに、最初の1本が植えられました。この橋は、第二次世界大戦時に崩壊し、1949年に“統一の橋”として再開。しかし、壁の建設が始まった1961年、閉鎖され、国民の直接の往来は禁止。 連合軍と外交官だけが通行を許可されることになりました。当時は東側と西側半分半分で違う色が塗られていたそうですが、現在は渋い緑色一色。桜のピンク色に映えています。
口語短歌
「お花見で 平和楽しむ 老夫婦 椅子に腰かけ 何を語るや」

これからの季節は、本来ならば観光客も多く訪れる時期。コロナ渦が明け、自由に国々を行き来することができるようになり、四月にベルリンへ観光に行かれる機会があれば、ぜひこのお花見スポットをチェックしてみてはいかがでしょうか。
シュヴェッター通り(Schwedter Straße)
マウアーヴェーク・ミット TV アサヒ・キルシュブリューテンアレー (Mauerweg mit TV Asahi Kirschblütenallee)
ボーンホルマー通り(Bornholmer Straße)
ツィオンスキルヒェ(Zionskirche) 付近
参照
https://www.afpbb.com/articles/-/3345722
「2021年軽井沢レイクガーデンに咲いた薔薇たち」
「サン・ティグジュベリ」2021年9月7日撮影
