四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169)

2025年02月26日 05時56分49秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「24.薄雲(まつかぜ)明石の君」
冬になり明石の君が姫君と住む大堰は寂しさを増す。源氏は明石の君の
つらさを思いながらも、姫を紫の上の養女にする申し出をする。
明石の君は思い悩むが、娘の将来を考え娘を手放す決心をする。二条院に
引き取られた姫は、はじめこそ悲しんだもののすぐに紫の上になついて
いった。春になると天変地異が相次いだ。それに呼応するかのように
太政大臣、そして、源氏最愛の女性、藤壺の宮がこの世を去った。
源氏は人目につかぬよう御堂に籠もり悲嘆に暮れた。四十九日の法要が
済んだころ、ある高僧が帝に出生の秘密を告白する。天変地異の理由を、
父を臣下とする自身の非礼と結びつける帝は源氏に譲位をほのめかすが、
源氏は固辞する。帝の態度から源氏は秘密の漏洩を察し動揺する。秋、
斎宮の女御が二条院に下がった。源氏は、春秋の優劣を論じつつ恋心を
ほのめかす。女御に好色を厭われた源氏は恋心を自制する。以前と
異なる自分の姿に、源氏は恋の季節が終わったことを自覚する。
〇末遠き 二葉の松に 引き別れ いつか木高き かげを見るべき  明石の君
註)幼い姫君にお別れしていつになったら成長した姿を見ることが
  できるのでしょう
〇生ひそめし 根も深ければ 武隈の 松に小松の 千代をならべむ 光源氏
註)生まれてきた因縁も深いのだからいつか一緒に暮らせるように
  なりましょう
(返歌)
☆姫君は 無邪気に車 乗りこむも 袖をおさえて 明石涙ぐむ
☆宿縁は 深い我が子を 末永く いっしょにくらす 日を夢見るも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「薄雲」では、光源氏と明石の君との関係が感動的に描かれていますが、この
 巻の背景には、光源氏の政治的影響力の高まりと、明石の君との愛情関係の
 深まりがあります。明石の君が愛する我が子の将来を想い、哀しさを押さえ
 つつ、わが子を紫の上へ託す心の揺れも描かれ、源氏物語の中でも味わい深い
 人間ドラマが繰り広げられ、感動的な物語になっています。
 明石の君の歌は、作者の註にもありますが、自分の子供の将来への不安を
 切々と詠っています。「二葉の松」は若い松の木を指し、これが成長して高く
 そびえることを願う切ない母心が表現されています。
 一方、光源氏の歌では、二人の間の子「明石の姫君」がしっかりと根を張り、
 長く繁栄することを願って「気を長くお待ちなさい」と詠われています。
 なお、「武隈の松」は深い根を持つ松の木を象徴しており、子供の成長と繁栄を
 意味しています。これらを踏まえて作者の返歌を鑑賞させて頂きました。
 一首目は、「明石の姫君」が光源氏に引き取られ、迎えの車に嬉々として
 乗り込み、母親も一緒にと無邪気に誘う様をみて「明石の君」が思わず涙する
 場面を詠っています。情景を明確に表し、娘と別れなければならなくなった
 母の哀しみに寄り添った歌となっています。
 二首目は、光源氏の立場から深い縁を信じ、一緒に暮らせる日を待ちましょうと
 詠っています。その後の展開は正にその通りになっていきましたが…、この歌を
 少し整理し詠んでみましたが…、いかがでしょうか。
 【ご参考】
  ★君ともに深いえにしの姫ゆえに ともに暮らせる日は遠からじ

【詞書】妻が発熱したことを詠みました。
☆インフルとコロナの両方陽性に 君三週目ようやく完治す
【詞書】輪島塗のカメラをオークションで見つけて詠みました。
☆輪島塗ミノルタカメラがヤフオクに 欲に眩むももう置き場無し
【詞書】第二寒波の到来を詠ませて頂きました。
☆雨水とて第二寒波が到来す 能登に大雪 心が痛む
                         西BOOさん
【解説】
 今回も、追加分も含めて「奥様の完治」「輪島塗のカメラ」、さらに
 「第二寒波の到来」と三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、奥様が、インフルエンザとコロナに同時に感染された
 とのこと。作者のご心痛も大変なものであった事と思います。
 改めて御見舞い申し上げます。三週間を経て完治したとのことで
 何よりと思います。「ようやく完治す」に作者の安どした思いが
 凝縮し表現されています。作者共々ご自愛の程をお祈り致します。
 二首目の歌、「輪島塗のカメラ」は垂涎物ですが「もう置き場無し」
 と良く決断されましたね。「輪島塗」は湿度管理等、環境保全の
 大変さもありますね。
 三首目の歌は、自然の厳しさと、それに対する想いが巧みに表現されて
 います。「雨水とて」という句は、春の訪れを意味する雨水の季節にも
 かかわらず、第二の寒波が到来するという状況を示しており、驚きと
 戸惑いが率直に表現されています。
 また、状況の具体的な描写により、能登地域の厳しい冬の情景が
 リアルに表現されています。さらに、「心が痛む」という結句が
 効果的で、この歌全体に深みが加わり、自然災害やその影響に対する
 作者の哀しみ、さらに、痛みが伝わってきます。
 この歌は大震災、豪雨と相次ぐ災害に襲われた能登へ想いを寄せ、
 自然の厳しさ、それに対する人々の想いを背景に詠まれています。
 自然現象に対する鋭い感性と、その想いを詩的に表現した印象深い
 歌と感じました。

【詞書】まだ浅き春の様子を三首詠みました。
☆夕照の丘に登れば くれなゐの雲流れゆく春の瀬戸内
☆春光る須磨浦ながめ はるかなるおのころ島のいにしへ想ふ
☆手鏡のうすき埃のそと拭けど 朝の我が顔ぼうとして春
                         みっちっちさん
【解説】
 「浅き春」「光の春」等、早春をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌は、自然の雄大さと時の移ろいを巧みに表現し、特定の
 場所と季節を結びつけることで、作者の感性の煌めきと、その瞬間の
 魅力を高めています。少し詳細に触れさせて頂きますと…、
 上の句の「夕照の丘に登れば」の情景描写を通じて、詠み手が夕方に
 丘に登るという行動が精緻に表現されています。「夕照」は夕日の照る
 光景を指し、詩的な美しさを表しています。
 下の句「くれなゐの雲流れゆく」の「くれなゐ」は鮮やかな紅色を指し
 ますが、夕日の下で赤く染まった雲を描写しています。「流れゆく」では、
 時の移ろいと共に、雲が流れていく様子が詩情豊かに表わされています。
 二首目の歌、春の訪れを感じさせる光の中で、国生みの聖地と伝えられる
 丘がある「おのころ島」を須磨浦海岸から眺めながら、印象深く詠って
 います。その眺望を通じて自然の壮大さと静寂が伝わってきます。さらに、
 作者が自然との一体感を感じつつ、いにしえの物語に想いを馳せる深淵な
 想いを滲ませる歌になっています。
 三首目の下の句に込められた「おかしみ」、洒脱さがいいですね。

【詞書】昨今の世相を詠んでみました。なお、一首目の(の)の重なりが
  気になります。リズム的に如何でしょうか?
☆静かなり 寒の戻りの公園の つららに透ける人影もなし
☆スーパーの値引きタイムを狙ってる 手慣れたカートのサラリーマンも
☆スーパーへ週三回の買い物も食品のみに 生きねばならぬ
                         夕庵さん
【解説】
 今の厳しい世情に触れ、状況を正確に活写されている姿勢に打たれます。
 一首目の歌は、寒の戻りが訪れた静かな公園を描写していますが、
 「の」の重なりについてお訊ねがありました。「の」の繰り返しは歌に
 リズムを生み出し、しっとりとした静寂に深みを与え、歌として成功して
 いると考えます。この件はご参考として文末に私見を交えて記します。
 下の句の「つららに透ける人影もなし」は、視覚的な効果を生み出して
 います。また、つららが太陽の光を受けて透き通る様子を描き出し、
 その中に人影がまったく見えないという寂寥感を強調しています。この
 静寂と無人の風景が、一層の寒さと冷たさを感じさせます。
 二首目の歌、サラリーマンの退勤時間帯に合わせて、売り切るために
 「値引き札」が貼られるスーパーがかなり存在します。奥様からの
 依頼か、役割分担かは判りかねますが、詠まれているような
 「手慣れたカート」を操るスーツ姿の方も散見されます。かく申す私も、
 現役の時代、定時に帰れる日に細君の依頼で新橋のスーパーへ直行した
 経験があります。値上がり品目が二年連続で一万件を超える状況の中で、
 私達庶民の「生活の知恵」の実態を、詠歌として残していくことも
 大切な「時事詠」かと思います。

 なお、短歌において「の」の繰り返しは、次のような効果を生み出すことが
 できます。
  ・リズムの強調:同じ音を繰り返すことで、詩全体にリズム感が生まれ、
          読み手に一定のテンポを提供します。
  ・情景の描写 :「の」を繰り返すことで、情景や想いが連続的に描かれ、
          絵画的な効果を生み出します。
  ・想いの強調 :同じ表現を繰り返すことで、想いが増幅され、歌の中で
          強調されます。

     「咲き初める 白梅」

【詞書】雪国二首
☆ふるさとは
  まだ雪やまず
  泣けとごとくに

  静かにしんしん
     しんしん

☆誰も歩かない道をあるく
  人のいないふるさとを

   寒い寒い
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 石川啄木は、故郷の近所(とは言っても80km離れているが)なので、
 地元の姉の嫁ぎ先に遊びに来て詩を書いているし、渋民駅、盛岡駅、
 好摩駅などには、啄木の短歌が掲示されており、子供の頃から慣れ
 親しんでいて、最初に読んだ歌集は、一握の砂だった。
 大人になって、一握の砂を調べてみると、啄木は、金田一京助の家の
 2階に居候して、その有名な短歌は、寝転がって「暇な時」の数日で
 出来た物。歌の女神が正に舞い降りたと言える。
 ネタバレされるとがっかりされる方もおられるが、短歌歌集を読む時、
 この短歌の凄さが分かります。
 本歌は、
  やはらかに柳あをめる
  北上の岸辺目に見ゆ
  泣けとごとくに
 実家に帰省途中、盛岡駅前には、歌碑があります。
  ふるさとの山に向ひて
  言ふことなし
  ふるさとの山はありがたきかな

 今見ると、前に作った
  故郷の雪はまだ止まず
  つぎつぎ舞い落ちる
  そこにいる人に
    春を
 と一二句がほぼ同じだった。才能の無さですね。
 二首目は、実家の法事も終わり、懐かしい所を歩いてみたが、人っ子一人
 歩いておらず、1m50cmの積雪が壁となって、人を寄せ付け無いです。
【解説】
 作者の短歌説明にもありますように、啄木は、1910年10月4日に東雲堂書店
 と出版契約を結び、短期間で
歌集を再編集し、当初の題を変え『一握の砂』
 にしました。
この時期、啄木は経済的にも精神的にも苦境に立たされており、
 妻・節子の
出産費用を得るために歌集の出版を急いでいたとも言われています。
 一首目の歌は、啄木の「やはらかに柳あをめる・・・」の本歌取りとの事
 ですが、豪雪に閉ざされる故郷の雪景色のもつ底知れない厳しさ、切なさを
 詠って本歌を超える世界観を表現していると感じます。「泣けとごとくに」
 という句は、自然の厳しさが人の想いと共鳴し詩的な深みを醸し出しています。
 また、「静かにしんしん しんしん」という繰り返しは、降り続く雪の音や
 静寂な風景を強調し、視覚的にも聴覚的にも豊かなイメージを与えています。
 また、このリズム感は、歌全体に穏やかな雰囲気をもたらします。
 二首目の歌は、まさに「1m50cmの積雪が壁」となる故郷の道を淡々と歩む
 作者の姿が思い浮かびます。人を寄せつけない現実に「寒い寒い」と言い
 ながらも、その状況を受け入れ、むしろ楽しんでしまう作者の懐の深さを
 感じさせる歌と感じます。
 「才能の・・・」と謙遜されていますが、本歌の甘さを超える才能の冴えも
 感じられる二首の歌と考えます。

【詞書】2月19日に、ヤクルトスワローズの球団マスコット「つば九郎」の中に
  入っていた球団のスタッフの方が亡くなられたと発表がありました。
  '94年に球団のマスコットとして登場して30年余り、ずっとお一人の
  スタッフさんが務められてたということだそうです。「つば九郎」=中の
  人の、ちょっと辛辣でも人は傷つけないコメントは、時に他球団の
  ファンである私達をも笑わせ、頷かせていました。
  スワローズの選手たちに愛され、他球団の選手へのリスペクトや
  思いやりも忘れなかった「つば九郎」さんの“中の人”
長いこと
  楽しませていただきありがとうございました。

  お疲れ様でした。(…トラッキーの次に)大好きでしたよ。
  …謹んでご冥福をお祈りいたします…。
☆秀逸な“フリップ芸”の「つば九郎」
         ウィットに富む“中の人”逝く
【詞書】風邪ひきました。😥
  22日あたりから怪しくなり、23日には完全にひいていました。
  23~24日は咳をすると気道の方から臭いが上がってきて、
  いっぺんこれはどういう状態なのか、スマホでではありましたが
  調べてみると、病原菌を迎え撃って死んだ白血球の死骸が
  腐敗した臭いだとありました。そーかぁ…白血球さん頑張って
  くれてたんや…と、アニメ版「はたらく細胞」の白血球さんを
  思い出して「有り難いなあ~」と感じ入っておりました。今日25日は
  咳はしても臭いはしません。多少ピークは過ぎたのかなあ…。…で、
  午前中に姉から「ちょっと手伝いに来て」の電話がありましたが、
  スマホの向こうの姉も思いっ切り風邪っぴきでした。「(母に)絶対に
  移しなや!」と言われましたが、そもそも私は母から風邪を貰った
  可能性が高いんですけどね…。(母は具合が良くなって咳き込む
  ことも殆どなくなっています)
☆風邪引いた 咳に寒気(さむけ)に熱、鼻水
          白血球よ頑張ってくれ
☆母に風邪 絶対移すなと厳命す
          電話の向こうの姉も風邪声
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は、「つば九郎」と、「風邪」をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、作者の詞書にもありますように「スワローズの選手たち
 に愛され、他球団の選手へのリスペクトや思いやりも忘れなかった」
 「つば九郎」さんは、稀有な「球団マスコット」だったと思います。
 この「中の人」に寄せて詠まれた歌には、作者の愛情が溢れています。
 「つば九郎」のもつ「ウィットに富む」を詠みこんだ感性が素敵です。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
 二首目、三首目の歌、「白血球よ頑張ってくれ」「姉も風邪声」に、
 表現の工夫が感じられ、さらに悲壮感に陥らず、風邪に負けない
 前向きな姿勢と、意気のこもった力強い歌と考えます。
 なお、立春寒波に続く、第二波寒波で体調を崩す方が続出している
 ようですが、作者も、お姉様もお風邪をめされた様子でお見舞い
 申し上げます。くれぐれもご自愛の程をお祈り致します。

☆艶めきし香りに遠きつましさよ 沈丁の花浅き春呼ぶ
                         ポエット・M
【解説】
 雨水を過ぎても相次ぐ寒波に襲われ列島も冷え切ってしまいましたが、
 ようやく寒波を凌ぎ少し春らしい温かさが戻ってきました。そんな日の
 夕闇の底から微かな沈丁花の香りが漂ってきました。寒波のせいか
 例年より少し開花が遅れましたが、甘やかで官能的でもある確かな
 沈丁花の香りでした。
 濃い紅のつぼみが一転して白い花となる沈丁花。どんな厳しい冬の季節
 にも必ず春が来ることを、いち早く香り立ち慎ましくも確かに告げる花。
 そんな凛とした花の姿と香り立つ様を詠んでみました。


     「咲き初める 沈丁花」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(7)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

   いと暗き
     穴に心を吸はれゆくごとく思ひて
       つかれて眠る

   こころよく 
     我にはたらく仕事あれ
       それを仕遂げて死なむと思ふ

   こみ合へる電車の隅に
     ちぢこまる
       ゆふべゆふべの我のいとしさ

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】

 fumiel-shimaさん へのポェット・Mの返答コメント
 いつも、水曜サロンと、そのメンバーへの温かな励ましを篭めた
 コメントを頂きありがとうございます。今回のコメントもサロンに
 集う皆さんへの大いなるエールのコメントとなります。
 なお、fumiel-shimaさんは「歌は詠めない」と謙遜なされますが、
 私達より歌を深く鑑賞され、その真髄を正確に把握されていると
 常々感じてきました。
 また、「ひたひたとさざ波が岸辺を打つように静かに、また時には
 大きなうねりとなって」等の表現に触れますと、まさにそのまま、
 散文詩のフレーズとも感じ、私達もさらに表現を磨かねばとの
 想いにさせられます。

 「絵合(うたあわせ)」に触れて頂きました。Kenさんへの解説の
 中で書かせて頂きましたが、この雅な「競技」は源氏物語で初めて
 出てきたもので紫式部の「発明」とも言われています。絵が堪能な
 光源氏が、人生後半の巻き返しを図る起点ともなった競技が紫式部の
 発明であったことは興味深くもあり、物語作家としての紫式部の
 アイデアのひらめきと、凄さを感じます。

 なお、それぞれの方の歌と、私の拙い解説まで熟読して頂き恐縮して
 います。このような方がおられることは心強い限りです。
 私にとっても皆さんの歌に学びながら、歌の世界が作者も含めて
 多くの方に、こんな視点からも味わったらいかがでしょうかとの、
 ご案内が出来ればと思いつつ拙い文を書かせて頂いています。
 時には作者の意図を十分理解できないまま申し上げることもあり、
 作者の方にも申し訳ない思いもありますが…。
 ただ、古今集から整ってきたと言われる「やまとことば」の繊細さと、
 優美さ、それゆえのしなやかさの持つ強さ。これは時代の荒波の中
 でも、磨かれ日本語の底流をなし、かつ支える言語のいしずえを
 築いてきたと思っています。その一翼を短歌は間違いなく担って
 きたとも考えています。
 これからも、このようなコメントをお寄せ頂ければ嬉しいかぎりです。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169 ネット歌会)

2025年02月26日 05時49分28秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆インフルとコロナの両方陽性に 君三週目ようやく完治す
                         西BOOさん
★全快の病の後の楽しみは 花咲く春の待たれるものを
                         夕庵さん

☆雨水とて第二寒波が到来す 能登に大雪心が痛む
                         西BOOさん
★豪雪に悩まされつもこの土地を 捨てることなどさらさらないと
                         夕庵さん

☆スーパーの値引きタイムを狙ってる 手慣れたカートのサラリーマンも 
                         夕庵さん
★スーパーの値引きタイムの前日は 朝一番の天気をチェック 
                         西BOOさん
★値引きなら楽しみにして今夜こそ 海鮮丼の材料を買う
                         夕庵さん
★ご近所で6時値引きと聞くけれど 最後頼みは生協宅配
                         西BOOさん
★ありがたき生協宅配値上がるも 雨にも風にも届く確かさ
                         夕庵さん

☆夕照の丘に登れば くれなゐの雲流れゆく春の瀬戸内
                         みっちっちさん
★瀬戸内の小島も潮の流れかも 浅蜊も昆布も獲れなくなりぬ
                         夕庵さん
★春風に吹かれランナー駆け抜ける 瀬戸内めぐるマラソンロード
                         みっちっちさん
★瀬戸内の島巡りする春の日の 波はきららに光清かに 
                         夕庵さん
★さざ波の光のかけら くれなゐに 春夕の海 飽かず眺めむ
                         みっちっちさん
★立ち尽くす春夕の海父と子の 夢を語りて影絵のごとし
                         夕庵さん
★晴れやかにキャッチボールの父と子の 掛け声響く春夕の原
                         みっちっちさん
★寝る前に何でもないことラインする キャッチボールのスタンプばかり
                         夕庵さん
★次々に会話弾みて長電話 楽しきもまた 疲れしもあり
                         みっちっちさん
★会えずともビデオ電話で知るひ孫 食べた・歩いた・もう走ってる
                         夕庵さん

     「如月に咲く 白梅」

☆手鏡のうすき埃のそと拭けど 朝の我が顔ぼうとして春
                         みっちっちさん
★手に取りて鏡かざせば嘘のない 女の年輪刻む哀しさ
                         夕庵さん
★わくわくと楽しき時は笑ひ皺 なんて構はず わははと笑はむ
                         みっちっちさん
★笑い皺多い人ほどしあわせと 三面鏡に数えてみたり
                         夕庵さん
★三面鏡 右は泣き顔 左には 幾つの顔や春昼の夢
                         みっちっちさん
★春昼の夢楽しきよ花いちもんめ あの子もこの子も息災なるや
                         夕庵さん
★夕照の下校道にて初恋や 夢を語りし友の笑顔よ
                         みっちっちさん
★ランドセルの色も鮮やか子供らの 夢を育てる個性の光る
                         夕庵さん
★三叉路に別れて友のランドセル 角曲がるまで ちさく弾みて
                         みっちっちさん
★宝物いっぱいにした鞄あり 岐路に迷いしは夢のごとしよ
                         夕庵さん
★少年は数多の夢をリュックへと詰めて都会へ旅立つ春日
                         みっちっちさん
★非常用リュックの中身を点検す 消費期限の切れた缶詰 
                         夕庵さん

☆移り香の気配まとうか蝋梅の 梢のはてに スノームーン浮く
                         ポエット・M
★香木の残り香ほのと漂わせ 姿よき女(ひと)楚々と行きすぐ
                         夕庵さん
★焚き込めし香木の香よ そこはかと 漂いくるも もてなしと受く
                         ポエット・M
★香木の観音像に朝夕の 祈りの時は 心無にして
                         夕庵さん
★暁闇の祈りの場にも漂うや 観音像の香木の香よ
                         ポエット・M
★仏像を彫ってみようと白檀を 求めしままに幾年も過ぐ
                         夕庵さん
★木像は彫りたる己映すがに 姿おもざし露わに晒す
                         ポエット・M
★ほの暗き御堂に立てば真達羅は われを諭すか背を強く打つ
                         夕庵さん
★真達羅(しんだら)は薬師如来の守り神 武器を持たずに「専守」を旨と
                         ポエット・M
★真達羅はわが寅年の守り神 新薬師寺に 御朱印を受く
                         夕庵さん
★御朱印の墨跡すがし薬師寺の 仏の教え 帰依促すや 
                         ポエット・M
★過ぎ去りし新薬師寺での同期会 十二神将にみな会いたしと
                         夕庵さん
★いきりたつ十二神将のかんばせに 深き哀しみ 滲むかに浮く
                         ポエット・M
★拉致された子の歳数える毎日よ 深き哀しみ母は老いたり 
                         夕庵さん
★国の闇 ここにも覗く拉致被害 母のみ胸に いつ帰れるや
                         ポエット・M
★哀れ母 少女の頃の写真抱き 待ち焦がれつつ いつか白髪
                         夕庵さん
★焦がれつつ未だ帰えりを待つ母の 温きみ胸に 帰して欲しい 
                         ポエット・M
★夢ならば覚めてもほしき拉致憎し 年月ばかりが無為に流れぬ
                         夕庵さん
★拉致と言う国策憎し かの国の 犯罪未だ糺されぬまま
                         ポエット・M
★拉致しかり領土侵害許せない 平和はかくも尊きものを 
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------


     「咲き盛る 河津桜」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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一日も早い「春」が

2025年02月24日 07時56分42秒 | 日々の歩み

 立春から雨水に至る日々を含む如月は、「光の春」とも
言われています。
「春は名のみ」の未だ寒冷の日々ではありますが、日差しの
煌めきは、まさに春の到来を感じさせてくれます。


     「咲き初める 河津桜」

 この二月、本日24日は国際法を踏みにじったロシアによる
ウクライナへの侵略戦争が始まってから、三年目を迎えます。
この暴挙によって2025年2月現在ウクライナの軍死者数4万6000人、
民間人の
死者数は1万2654人超に上り、未だなおおびただしい
犠牲者が増え続けています(数字は2025年2月24日 朝日新聞)。

 「24時間以内に停戦させる」との言葉と共に登場した第二期
トランプ大統領。ウクライナの頭越しに交渉に乗り出すものの、
昨今の言動はロシアのプーチン大統領に取り込まれたかに見えます。
国際法、国連憲章を踏みにじりロシアが仕掛けたこの侵略の責任を
問うことなく「やったもん勝ち」での停戦は、今後の世界情勢にも
大きな禍根を残すことは火を見るよりも明らかと考えます。


     「観音崎公園に咲き初める 河津桜」

 ウクライナの将来を、当事国を抜きにアメリカ、ロシアの思惑
のみで決めることは決して許してはならないし、今こそ、国連が
その本来の役割を果たすべき時と考えます。その一翼を私達の国も
担うべきと考えます。

 立春に続く二度にわたる大寒波を経験しながら、ウクライナの地で、
電源設備の大半が破壊された状況下でも、寒さに耐えながら祖国を守る
ために闘い続ける人々の現実を、痛みと共に思い浮かべています。
彼らの意気高い闘いを讃えながらも、その辛さ、厳しさに心が痛みます。
その人々に一日も早い「春」が訪れることを願わずにはおれません。

 寒さに耐えながら、先駆けて「春」を知らせる河津桜の画像を
お届けします。今回は、散策でよく訪れる観音崎公園の「花の広場」で
咲き初める河津桜です。

コメント (2)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その168)

2025年02月19日 06時53分08秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その168) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 白梅」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「23.松風(まつかぜ)明石の君」
 かねてより造営中であった二条東院が完成し、源氏は西の対に花散里を
 住まわせた。明石の君を東の対にと考える源氏だが、明石の君は身の程を
 思い決心できない。そこで明石の入道は大堰川のほとりに娘を住まわせる
 ための家を用意した。明石の君は、入道と涙ながらに今生の別れをし、
 娘とともに移り住んだ。口実をつくり紫の上の不満をかわした源氏が
 明石の君を訪れる。三年ぶりに再会したふたりだが、源氏は成長した
 我が子の将来を思い描く。二条院に戻った源氏は紫の上に明石の君との
 娘の養育を持ちかける。子どもが好きな紫の上は満更でもない様子だった。
〇契りしに 変はらぬ琴の 調べにて 絶えぬ心の ほどは知りきや 光源氏
註)約束したとおり、音色が変わらない琴の調べのような心変わりしない私の
  気持ちをお分かりいただけましたか
〇変はらじと契りしことを頼みにて 松の響きに音を添えしかな  明石の君
註)変わらないと約束なさったことを信じて 松風の音に泣き声を添えて
  待っていました
(返歌)
☆永久に 離れることは できないと 美しくなった 明石の君を
☆光源氏 心残りの 宴会に 明石の君と 別れを惜しむ
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「松風」の帖は、作者の説明にもありますように、明石の君が京都に戻り、
 光源氏と再会し、二人の関係が深まっていく様子、さらに二人の間に
 生まれた、娘「明石の姫君」の成長と、その美しさが都中に知れ渡る様子が
 描かれています。
 また、自然の風景や、貴族社会の風習、人物の心理描写、特に明石の君や
 紫の上の心の揺れ、光源氏への思いが詩情豊かに描かれています。この章は
 源氏物語全体の中でも特に印象的な一章で、紫式部の筆の冴えが特に
 感じられます。
 大堰邸で再開した明石の君は、明石時代よりも美しさに光彩が加わり光源氏に
 とっても離れがたい人になっていたと考えます。
 これらの背景をを踏まえて、作者の返歌を鑑賞させて頂きました。二首の歌は
 いずれも光源氏の立場から明石の君への思いが詠まれています。さらに一歩
 踏み込んで光源氏、明石の君の立場から詠ってみましたが…。
【ご参考】
★再びにまみえし君は艶やかに 離さぬことを永遠に誓いし
★松風の音色寂しく ひびくとも 君と契りし 想い秘めもつ

【詞書】ニュースで福島県の大内宿の雪まつりを見て詠ませて頂きました。
   (参考)https://photonavi-shimogo.jp/pickup/1771
☆吹雪けども 大内宿の雪まつり どか雪の中のライトアップ
【詞書】ホームセンターで寒梅を買った事を詠ませて頂きました。
☆庭の梅ふふむも開花の気配なし 待てずにコメリで寒梅を買う
【詞書】八潮市の事故で詠ませて頂きました。否(いな)は
  何故なかったかという疑問の意味で詠ませて頂きました。
☆八潮市の陥没事故で運転手 事故の直後の救出や否
                         西BOOさん
【解説】
 今回も「大内宿の雪まつり」「寒梅」「八潮市の陥没事故」と最新の
 時事も含めて三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、福島県大内宿の冬の風物詩、第39回大内宿雪まつりは
 令和7年2月8日、9日に開催されました。昨年の4倍近い雪が積もり
 いくつかのイベントの変更を余儀なくされたとのこと。それでも
 約50基の雪灯籠に灯がともされ、雪の中に幻想的な光景が浮かび
 上がりライトアップと相まって詠まれているように、多くの人々の
 感動を誘ったとのことです。「どか雪の中」の祭りの様子が素敵に
 詠まれ、共感を誘います。
 三首目の歌、今、全国の自治体で直面している、インフラの老朽化
 対策と、その財政措置と言う構造的な問題もありますが…。下の句の
 「事故の直後の救出や否」の表現に、静かな告発の想いが込められて
 います。このような冷静な詠みに込められた「怒り」の想いを、
 私達も共感をもって見つめていきたいと思います。

【詞書】「早春」で三首、出詠いたします。
☆日のかけら探し集めて早春の 賀茂川べりに君と語りぬ
☆早春の朝日へ窓を開け放ち 卓に広げる花柄クロス
☆早春の光集めて砂の城 作り上げむと 暮るるまで子ら
                         みっちっちさん
【解説】
 「早春」は喜びの季節とも言われていますが、俳句では「浅き春」等の語も
 よく見かけます。春の訪れとともに散りばめられた光の美しさを三首の歌に
 詠みこんで頂きました。
 一首目の歌は、自然と作者の想いがうまく融合し、シンプルでありながら
 情趣深い情景を表現しています。先ず、上の句の「日のかけら探し集めて」
 という表現がとても詩的です。日の光を「かけら」として捉えることで、
 春の訪れとともに散りばめられた光の美しさを感じさせます。また、下の句の
 「早春の賀茂川べり」というフレーズが、場所の特定と季節を明確に示して
 います。春の訪れを感じさせるこの場所は、心の安らぎや新たな始まりを
 象徴しているように感じられます。さらに、「君と語りぬ」という結句が、
 会話の温かみを暗示し、賀茂川べりでの君との語らいが、歌全体に深い
 想いと、二人の緊密な関係性を醸し出しています。
 二首目の「早春の朝日」と「花柄クロス」の響き合いが素敵です。

【詞書】難しい時事詠に挑戦しました。
☆突然に落とし穴へと車ごと 天地異変に言葉をなくす
☆夜を徹しドローン、カメラの捜索も なす術もなく断念したり
☆キャビンには人の姿確認すも 命のことは黙して語らず
                         夕庵さん
【解説】
 八潮市の陥没事故は今まさに現在進行形ですが、このホットな事象について
 斬新な視点から、時事詠として三首詠んで頂きました。
 三首目の歌は、重い現実を鮮明な映像として描き出しています。キャビンに
 人がいる姿を確認するものの、命の有無については黙して語られない状況に
 悲しみとともに、静かな怒りも滲んでいるかに感じます。
 八潮市の陥没事故の緊迫した状況と、その後の経緯を冷静にみつめ描写して
 います。目の前にあるリアルな状況と、その裏に隠された深い想いや無力感を
 対比させる
ことで、事故の実態の深刻さや、絶望感を改めて浮き彫りにして
 います。
この詠み方は、事故や災害の現実とその背後にある人々の想いを
 巧みに捉えて
おり、印象的な歌になっています。

 なお、上の句は「キャビンには 人を確認するものの」との表現ではいかが
 でしょうか。原作に比べリズム感に欠けますが‥・。
 一首目と、二首目の歌の、緊迫感に満ちた事故の写生が見事です。


     「咲き初める サクラソウ」

【詞書】タクシー数
☆1729
 女神が舞い降りた時
   花も風も数字となる
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 インドの天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの伝記映画
 「奇蹟がくれた数式」(2015年イギリス)という映画を、いつもblogを拝見
 している方が紹介していました。
 ラマヌジャンは、高校では全科目で成績が悪く、高等数学の正式な教育は
 受けていなかったが、ある受験用参考書を読んで、数字に興味を持ち、数学に
 没頭したそうです。大学でも成績は悪く中途退学してしまったが、やっと
 就職した港湾事務所の上司の理解も得て独学で数学の研究を続け、その
 研究成果をイギリスの高名な数学者達に送り、ケンブリッジ大学の
 ゴドフリー・ハーディの目に止まり、彼をケンブリッジ大学に招聘したが、
 イギリスでの生活に馴染むことができず、やがて身体的な衰弱を来たして
 病気を患い、インドへ帰国後、32歳の若さで病死したそうです。
 タクシー数とは、ラマヌジャンが入院していた時、見舞に行ったハーディが
 乗って来たタクシーのナンバーで、ハディは、「乗ってきたタクシーの
 ナンバーは1729だった。さして特徴のない数字だったよ」これを聞いた
 ラマヌジャンは、すぐさま「そんなことはありません。とても興味深い
 数字です。それは2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数です」
 1729 = 12^3 + 1^3 = 10^3 + 9^3
 このタクシー数の説明を何度も読んだが理解出来ず、世の中には、天才って
 いるんだなあ?と言う事だけ理解出来ました。たぶん電卓を持っていても、
 小生には無理😰。
【解説】
 シュリニヴァーサ・ラマヌジャンは、その短い生涯の間に「分割式」
 「ラマヌジャン素数」をはじめ、独自に3,900近くの方程式等の結果を
 まとめ上げ、数学の分野で数多くの今日につながる重要な業績を残して
 います。これらの業績は彼の直感的な発見を含めて、今でも多くの
 数学者に多大な影響を与えているとのことです。
 詠われている「1729」は、「タクシー数」と呼ばれ、彼の優れた直感的な
 発見の事例となるものです。作者の歌は、数学的な概念と詩的な表現を
 巧みに組み合わせ、深い印象を
与えとてくれます。
 上の句の「女神が舞い降りた時」で、「女神」が登場することで、短歌に
 神秘的な雰囲気が加わり、女神が現れる瞬間には、何か特別なことが
 起こる予兆を感じさせます。さらに、下の句の「花も風も数字となる」
 では、自然と数学が融合する美しいイメージを描き、花と風が数字に
 変わる瞬間を描写することで、歌全体に詩的な情緒をもたらしています。
 今回も作者は、数論における興味深い性質の一つを詩的に表現し、短歌に
 結実させました。この手腕を讃えるとともに、作者の短歌表現における
 挑戦的な試みに拍手を送りたいと思います。

【詞書】2月16日(日曜日)、米メジャーリーグ大谷選手所属のドジャースVS
  今永選手所属のカブスの、日本(東京ドーム)での開幕戦のチケットの
  一般発売が、12時からチケットぴあ、ローソンチケットなどであったとの
  事で、その顛末がニュース番組やらでやっていました。家族で…という方々
  も多く、中には
「お祖父ちゃんお祖母ちゃんにも頼んでます」と、なるべく
  人数を増やして
…なんていう方も…。いやはや、お疲れさまでした。回線が
  繋がったけど
〇〇万人待ちとかべらぼうな人数のキャンセル待ちだったり
  して、テレビ
見ていて「ひゃああ~😅」しかなかったです。皆様本当に
  お疲れさまでした。そして当たった方はどうぞ、日本人選手が5人も
揃い、
  各チームのスター選手が活躍する(であろう)ボールゲームを存分に
楽しんで
  来て下さい。

☆狭き門メジャーリーグの開幕戦
    チケット争奪
      悲喜こもごもなり
【詞書】2月15日に、北朝鮮による拉致被害者である有本恵子さんのお父様の
  有本明弘さんが96歳で亡くなられたそうです。
  16日には、拉致被害者家族の「家族会」と支援団体の「救う会」との合同会議が
  有り、横田めぐみさんのお母様の早紀江さん、めぐみさんの弟さんで
  「家族会」の代表者の拓也さんが出席されていました。「家族会」に所属する
  拉致被害者の親ごさんは、横田早紀江さん唯一人になられたということです。
  昨日17日のニュースで、有本明弘さんの訃報を嘆く横田早紀江さんを見ました。
  (私はめぐみさんと同世代ですが)母は早紀江さんと同じ年齢なのでその
  肉体的な負担などは何となくでも推し量れます。気力も体力も削られて
  ゆく日々で、哀しみを同じくする“同志”を喪ったのはお辛い事だと
  お察しします。16日の合同会議でも、「親世代が存命中に帰国」という文言を
  入れた署名用紙で5月に署名運動をすると決定したそうです。
  どうか、引き離された家族が再び会えて拉致された方々の帰国が実現します
  ように…。…心から有本明弘さんのご冥福をお祈り致します…。
☆我が子との 再会願いて闘いし
     拉致被害者の親また一人逝く…
【詞書】2月17日のとっ…ぷりと日が暮れた7時前あたり。買い物に行った帰りに
  西の空を見ると少なくとも30~40度位(もうちょいあるかも…)の高さに、
  金星がめちゃ
めちゃ明るく光っていました。
  何でも今頃は最大級の光度なんだとか。金星も月のように満ち欠けする
  とかで、かなり今は丸に近いんでしょうか…。(その辺、NHKの土曜日深夜帯の
  アニメ「チ。-地球の運動について-」の中でオグジーという青年が金星を
  見て言った台詞「満ちてろ!」を思い出しました)ここんとこ、金,木,火星が
  見られます。星座に光るお馴染みの一等星達も素敵ですが、地球にとっては
  “太陽系の家族”の惑星さん達をみるのも楽しいものです。
(惑星と月や惑星
  同志の接近もあったりして)。

☆金星が夕暮れの空に明るくて
     胸に留(とど)まるその輝きが
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は、「開幕戦 チケット争奪」「有本明弘さん」「金星の耀き」について、
 作者らしい独特の切り口から味わいに満ちた歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、米メジャーリーグの開幕戦が日本(東京ドーム)で行われますが、
 そのチケットの一般発売が2月16日正午から始まりました。詠まれているように
 「チケット争奪」戦が始まり、「狭き門」にアクセスが集中しました。
 この熱狂にも似た争奪戦の状況を冷静に表現し「悲喜こもごもなり」の結句に
 収斂させた手並みは見事と考えます。ただ、このチケットが何十倍もの値段で
 転売されている事実と、今の日本の現状を憂えるものです。
 二首目の歌、「拉致被害者の親」として我が子を取り戻す運動に、自らの
 半生をかけて取り組んできた有本明弘さん。その悲願の達成をみることなく
 身罷りました。その無念さは「家族会」の方々はもとより、支援された方、
 さらには私達共通の想いとも感じます。
 拉致被害者の親ごさんは、横田早紀江さん唯一人になられた今、「親世代が
 存命中」に、拉致された家族の帰国を勝ち取る取べく、取組みを強め、早める
 行動を政府にも促していくことが必須と考えます。
 改めて、有本明弘さんのご冥福をお祈り申し上げます。
 三首目の歌、詠まれていますように、2月15日に金星は-4.9等級という非常に
 明るい光度に達し、夕方の西の空で「宵の明星」として輝いていますね。
 金星は地球の内側を公転する「内惑星」であり、作者の詞書にもありますように
 地球との位置関係によって太陽の光が当たっている面の見え方が変わります。
 そのため、地球から見ると金星は月のように満ち欠けを繰り返しますが、
 2月中旬の最大光度の頃の金星は、4分の3程度欠けた三日月のような形をして
 居るとのことです。作者のように、明るさを増した金星を眺めながら
 「胸に留(とど)まるその輝きが」と詠ってみるのもロマンチックですね。

☆移り香の気配まとうか蝋梅の 梢の果てに スノームーン浮く
                         ポエット・M
【解説】
 今月は2月12日に満月を迎えました。2月の満月は「スノームーン」とも
 呼ばれます。先月から咲き始めた蝋梅も咲き満ちて、いよいよ散り時を
 迎えていますが、未だ咲き初める枝もあり、残り香とも感じる微かな
 芳香を漂わせています。その蝋梅の梢の果てに、2月の満月が浮かび
 煌々と輝いていましたが、その光景を詠んでみました。
 ただ、雪のないこの地では「スノームーン」の名称にちょっぴり違和感も
 感じます。しかし、未だ豪雪に悩まされている皆さんにとって、この
 満月の冷たい輝きはどのように移ったでしょうか…。


     「咲き満ちる 蝋梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(6)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    ふるさとの父の咳する度に斯(か)く
      咳の出づるや
        病めばはかなし

    わが泣くを少女等きかば
      病犬の
        月に吠ゆるに似たりといふらむ

    何処やらむかすかに虫のなくごとき
      こころ細さを
        今日もおぼゆる

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】

 ―今回も感嘆、感激、感動の渦の中に・・・ ―
 fumiel-shimaさんからのコメントです
 冗長なコメントで申し訳ありませんが・・・
 「水曜サロン」の皆さんの詠まれた短歌に接し、短歌の詠めない私が
 その感想などを軽々しく口にするのはおこがましいと思いながらも
 思わず『あっ』と気づくことや『共感』、『自分では言い表せない言葉』、
 『心振るえるような・・また心揺さぶられるような思い』などが時には
 ひたひたとさざ波が岸辺を打つように静かに、また時には大きなうねりと
 なって私の胸に打ち寄せるのです。
 これらの大小さまざまな感動は「何が?」「どうして?」「どこから?」
 などといつも考えさせられます。
 そして皆さんが詠われた歌の言葉や文字の表記が視覚で伝えるもの、
 その音の響きから感じ取れるものなどを思うと私自身もいつしか
 その場にいるような感覚になるのです。

 そして・・皆さんの歌とポエットMさんの解説でいつも日本語の美しさを
 あらためて知る思いになります。
 一つの言葉にいくつもの表記や言い方があり、それが短歌のわからない
 私にも少しは理解出来て、その光景や情景が頭の中に描かれ、瞼に浮かんで
 くると本当に幸せな気持ちになるのです。
 今回も「絵合」という言葉から発想がその情景と内に秘めたる心情の
 ようなものへ飛んでその気持ちまでもを感じさせられたような気が
 しましたし、ポエットMさんの「流謫」という普段はあまり使われない
 ような言葉もこの情景にはぴったりだと感じました。

 ポエットMさんの解説にもありました「日暮れまで」の「まで」の
 持つ意味や伝統の色でもある薄紅(うすくれない)という言葉と
 そのかなを「くれなゐ」と表記されたことにも感動を覚えました。
 さらに「寒空」と「凍空」の使い分けや「密やかな匂い零して」の
 「ひそやか」や「こぼして」を漢字表記にすることによる緻密で
 繊細な感性には本当に学ぶべきものが多いと感じ入りました。

 今回も皆さんにそれぞれジグソーパズルのピースを順序良く、
 しかるべきところに綺麗にピッタリと納める技を見せて頂いたような
 驚きと幸せ感に浸ることが出来ました。

 fumiel-shimaさん への返答コメント。
 このコメントは本ブログの字数制限のため、次週に掲載させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その168 ネット歌会)

2025年02月19日 06時50分44秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その168 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 白梅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆庭の梅ふふむも開花の気配なし 待てずにコメリで寒梅を買う
                         西BOOさん
★観梅は垂れと決めて城跡の 地図をひろげて満開を待つ
                         夕庵さん

☆夜を徹しドローン、カメラの捜索も なす術もなく断念したり
                         夕庵さん
★幾度の救助延期に残されし 遺族の心中察すも無力
                         西BOOさん
★予想だにせぬ出来事は茶飯事に いつ被害者になるやもしらず
                         夕庵さん

☆吹雪けども大内宿の雪まつり どか雪の中のライトアップ
                         西BOOさん
★豪雪の白川郷にはじめての 雪見る客は列なしていく
                         夕庵さん
★3年ぶり札幌恒例雪まつり 大通公園傑作の列
                         西BOOさん
★翔平とボール銜えたデコピンの雪像ここでも人気者なり 
                         夕庵さん

☆早春の朝日へ窓を開け放ち 卓に広げる花柄クロス 
                         みっちっちさん
★早春の日の出に染まる向かい家の ガラスの光鋭く反射す
                         夕庵さん
★落日の海を見つめて暮るるまで たましひさへも赤く染めらる
                         みっちっちさん

☆日のかけら探し集めて早春の 賀茂川べりに君と語りぬ 
                         みっちっちさん
★早春のひかり煌めく道を行く  生き物すべて蘇る季(とき)
                         夕庵さん
★海望む丘に登ればネモフィラの ちさき芽吹きの煌めくごとく
                         みっちっちさん
★ネモフィラも海の青さに染まりゆき 波立ちくれば魚となりたし
                         夕庵さん
★春風にネモフィラの色染まりゆき 小鳥ら戯(ざ)るる夕映への丘
                         みっちっちさん
★まんまるのイソヒヨドリは忙しく 足音気にしつ啄む木の実 
                         夕庵さん
★朝まだき ひよどり鳴きて山ホテル 珈琲の香に弾むかたらひ
                         みっちっちさん
★根くらべ ドリップ珈琲の滴りと 着信音の切れる時間を
                         夕庵さん
★夜もすがら ラインの既読つかぬまま 寝返りうちて枕返して
                         みっちっちさん
★気がかりな返信のない携帯は バッグの中で眠っていたと 
                         夕庵さん
★携帯を家に忘れて時折は 煩はしさを忘れゆるりと
                         みっちっちさん
★携帯もいまや体の一部にて 忘れたときは片手ないよな
                         夕庵さん

     「咲き初める 河津桜」

☆三浦路にさきがけ咲くや河津桜 如月の風いまだ荒ぶも 
                         ポエット・M
★実のいくつクロガネモチに雪の降る 桜の便りはまだ先のこと 
                         夕庵さん
★先駆けて咲く花哀し河津桜 雪と風とに さらになぶられ
                         ポエット・M
★雪と風に耐えてひらく花なれば そのけなげさを確と見守る
                         夕庵さん
★世のならい 花に嵐と言うものの 耐えて咲かせる けなげさ愛し
                         ポエット・M
★季(とき)違え冬に咲かせたチューリップ
               おやゆび姫はまだ覚めやらず
                         夕庵さん
★チューリップ 季(とき)に惑いて咲きてなお
               おやゆび姫を しっかといだき
                         ポエット・M
★胸に抱く面影ときに現れて 励ましつつも慰めくるる 
                         夕庵さん
★時々に君のおもかげ現れて 慰めくるる 吾はしあわせ 
                         ポエット・M
★歳古れば懐かしさ増す侘しさよ かの想い出に花を咲かせり
                         夕庵さん
★懐かしきかの想い出よ そのひと日 吾のひと世を温めくれる
                         ポエット・M
★暖かい電話の声の懐かしさ 互いの明日にエールを送る 
                         夕庵さん
★お互いの明日へのエール しみじみと 心に沁みる声の温もり
                         ポエット・M
★ほっこりと癒やさる貴女の声を聞き 梅見の約束待ち遠しくあり 
                         夕庵さん
★浅き春 梅見に誘う声温く ネット情報 すでに五分咲き
                         ポエット・M
★観梅はつぼみ膨らむ程度にて 寒の戻りに予定は立たぬ 
                         夕庵さん
★寒戻り膨らむつぼみも開かずに 観梅の日は さらに延ばされ
                         ポエット・M
★カーテン越しサンスベリアは青々と 早春の陽にうたた寝ばかり
                         夕庵さん
★寒さゆえ 休眠するやサンスベリア 土の渇きと陽だまり恋し 
                         ポエット・M
★寒戻る 一週間は家籠り 針と糸持ち布遊びなど
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る 蝋梅」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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「災害時 避難所運営訓練」へ

2025年02月17日 21時02分42秒 | ボランティア

 昨日、私達の地域で、自治会、町内会、4町内会合同の「災害時避難所運営訓練」が地域の公立中学校を拠点にして行われました。二月にしては比較的温かな天候に恵まれ訓練日としては快適でした。
 この訓練は震災時に避難所に避難者が集まってから、集団生活のための組織を立ち上げ、集団生活をするためのインフラ整備までを行うものでした。これは昨年の4月から体制、役割、規模等々の取り決めを含め準備を重ねてきたものです。


     「咲き盛る 白梅」

 私も、役員の一人として参加して来ましたが、避難所を使う複数の自治会・町内会が連携して行う訓練のため、当初は結構な戸惑いもありました。しかし、会を重ねるうちに行政の担当部署の方や各町内会や自治会の練達な方たちのアドバイスにより、スケジュールも含めてまとまりイベント日を迎えることが出来ました。
当日は、休日にも関わらず、横須賀市の市職員、消防署、中学校から校長先生、教頭先生等々多くの方にも参加いただき、総勢で100名を超える訓練となりました。

 避難してきた方の中から「避難所運営」のための、委員長を始め体制づくり等を組織するところから始める文字通り一から立ち上げる訓練でした。一応のストーリーはあったものの、臨機応変の求められる結構緊迫感のある訓練でもありました。私達の自治会も役員の方を中心に参加し、たまたま班長の役割を仰せつかりました。初めての経験で、大半は臨機応変のその場対応のミッションに追われましたが、なんとか務めさせて頂きました。

 被災状況の調査・報告から始まり、簡易ベットの組み立て体験、プライバシー確保のカーテンルームの作成、簡易トイレの作成と処置、震度7のVR体験等々の訓練を全員の方を対象に行いました。これらの体験、訓練に約2時間を費やしました。

 その後、当市から能登半島の災害復旧対応に派遣された危機管理対応の市職員、消防署員の方が中心となり、その実態報告と、それらを踏まえた当市での具体的対応等についての防災講話がパワーポイントを用いて行われました。活発な質疑応答が行われた後、約3時間に渡っての訓練を終えることが出来ました。

 この種の訓練を疑問視する意見も一部にはありますが、能登半島地震等々の災害の実態や、状況に触れる時に、そこに暮らす皆さんで力を合わせ自分たちの命と、暮らしを守る行動を先ず起こしていくことの大切さと、必要性を改めて実感しました。
なお、実は気象状況から厳しい寒さを予測して、事前にホッカイロ等をかなりの数を用意しましたが、あまり使われることもなく、また、体調を壊す方もおらずホッとした次第でした。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その167)

2025年02月12日 04時57分52秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その167) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「22.絵合(えあわせ)紫の上」
 故六条御息所の娘(斎宮の女御)が年下の冷泉帝に入内した。
 帝の寵は、年齢が近いこともあって、先に入内した弘徽殿の
 女御に傾きがちだったが、絵が好きな帝は絵画に造詣が深い
 斎宮の女御に惹かれていく。これに慌てた弘徽殿の女御の父、
 権中納言(かつての頭の中将)は当代一流の絵師に贅を
 尽くした絵を描かせる。これに対し源氏は、紫の上とともに
 秘蔵の絵を集める。後宮を舞台に繰り広げられる絵合わせが、
 三月、藤壺の御前で行われた。双方優劣つけがたく、帝の
 御前で再び開かれることとなった。その絵合わせも雌雄
 決しがたかったが、最後に出された源氏の手による須磨の
 日記によって、斎宮の女御方が勝利をおさめた。栄華を
 極めた源氏は、いつしか自らの出家へと思いを馳せた。
〇一人ゐて 嘆きしよりは 海人の住む
        かたをかくてぞ 見るべかりける  紫の上
註)一人で都に残って嘆いているよりも、海人が住んでいる
  浜辺を見て絵に描いていたほうがよかったわ
〇憂きめ見し その折よりも 今日はまた
          過ぎにしかたに かへる涙か  光源氏
註)辛かったあの頃よりも、今日はまた 再び昔を思い出して
  いっそう涙が流れます
(返歌)
☆忘れえぬ 悪夢のような 思い出に 辛かった日々 再び悲しく
☆光源氏 須磨と明石の 絵を見ては 明石の君に 恋しい気持ちも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 光源氏は須磨の流謫から帰京後、即位した冷泉帝の後見役として快進撃を
 続けることになります。その栄華を決定づけたのが、今回の帖の名称に
 なっています「絵合」での勝利でした。なお、この「絵合」の競技は
 源氏物語以前にはなく、紫式部の物語上での発明と言われています。
 紫の上の歌は 註)にもありますように、都に一人取り残されていた折の
 心細さを切々と詠っています。
 光源氏は、その心細さを不憫に思い「涙が流れます」と紫の上の想いに
 寄り添った歌を返しています。
 これらを踏まえて、作者の返歌を鑑賞させて頂きました。いずれの返歌も
 「紫の上」「光源氏」それぞれの想いを、改めて追認し寄り添って詠まれ
 作者の優しさを感じました。なお、ここでは光源氏の「明石の君」への
 思慕についての言及は控えたいと思います。
 「紫の上」「光源氏」の想い改めて詠んでみました。
【ご参考】
★嘆きつつ一人都に留まるは 悪夢もこえる 辛き日々なり
★かの日々のさらなる辛さを今知りて 寄り添う君と ともに涙す

【詞書】「立春」で三首詠みました。
☆ほとばしる水の光や 立春の 水車回れる森の小流れ
☆立春の海を見たくて日暮れまで うすくれなゐの中に佇む
☆立春の光の中を闊歩せり 五体にしかと大地の鼓動
                         みっちっちさん
【解説】
 「春立つ日」をテーマに三首の歌を味わい深く詠んで頂きました。
 二首目の歌は、立春という節目を迎える季節の変わり目の日に、海を
 眺めながら黄昏まで過ごした様子を詠んでいます。春が始まる瞬間を
 海にいだかれ感じたいという密やかな願望が伝わってきます。
 「日暮れまで」という言葉が、時の経過と黄昏時の儚さ、さらに
 そこはかと漂う寂しささえ感じさせます。
 また、下の句では夕映えの中で作者がじっとたたずむ様子を描いて
 いますが、豊かな色彩描写が、情緒的な情景を一層引き立てています。
 さらに、一人静かに立春の海の美しさを堪能する作者。その背景に
 広がる海の夕映えが目に浮かびます。
 三首目の歌、立春は「名のみの春」ですが、燦燦とふり注ぐ光は春
 そのものと感じます。そんな光に感応し五体にみなぎるエネルギーを
 詠んで、大地の鼓動そのものが表現されています。

【詞書】節分で詠ませて頂きました。
☆節分を二月三日と勘違い 食いっぱぐれし恵方巻かな
【詞書】立春を詠ませて頂きました。
☆立春を迎え陽気に寛ぐも 予報は今季最強寒波
【詞書】PENTAX SMC 50mm f1.2を購入して詠ませて頂きました。
  なお、撮影した写真はfacebookで、
  https://www.facebook.com/profile.php?id=100087489002345
☆PENTAX 50mmを購入す 初体験の f1.2
                         西BOOさん
【解説】
 今回も、追加分も含めて「節分」「立春」「PENTAXレンズ」をテーマに
 三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、太陽と地球の自転との関係で二十四節気の立春の日付は調整
 され、その結果今年の節分は2月2日となりました。結構間違えた方が
 多かったと聞いております。ちなみに、来年の節分は2月3日とのことです。
 そんな日付けの勘違いをユーモアを交えて明るく詠い好感が持てます。
 二首目の歌、日本列島は「立春寒波」に襲われ、その後二週間余にわたって
 寒波に呑み込まれています。昨年の暖冬が嘘のように積雪と、冷え込みが
 続いていますが、このような気象に関わる歌も、将来への記録として
 貴重な「証言詠」と感じます。
 三首目の歌、先日高品質のカールツァイスレンズを購入され、冬薔薇を
 撮影された様子を詠んで頂きました。今回は、さらにPENTAX SMC 50mm
 単焦点レンズを購入されたとのこと。画像表現にこだわる作者の機材に
 寄せる思い入れの深い歌と感じます。facebookの白い山茶花の写真を
 拝見させて頂きました。歌に詠まれていますように作者の「初体験」の
 想いが画像に結実していると感じました。撮影への更なる挑戦をフアン
 として、心待ち致しております。


     「咲き盛る 蝋梅」

【詞書】蝋梅三首です
☆寒空に金の蒔絵を描くごと 小さきつぼみの蝋梅愛し
☆蝋梅は凍空に映え密やかな 匂い零して春遠からじ
☆蝋梅の咲く頃あなたを訪ねましょう 優しい笑顔がきっと待ってる
                         夕庵さん
【解説】
 蝋梅をテーマに詩情豊かな三首の歌を詠んで頂きました。
 二首目の歌は、厳しい寒さの中、輝くように花開く蝋梅の美しさを
 見事に捉えています。「凍空」という言葉が、冬の寒さや空の透明感を
 強調しており、その中で蝋梅が鮮やかに映える様子が目に浮かびます。
 「密やかな 匂い零して」という表現は、蝋梅の香りが仄かに漂う
 様子を描写し、その繊細さが静謐な雰囲気を良く引き立てています。
 また、「春遠からじ」という結びの句は、よく使われる表現ですが、
 あえて用いることで、まだ寒い冬の中にあっても、作者の春への憧憬や
 期待感がより強調されています。
 三首目の歌は、ワクワク感に満ちた春の物語が、素敵に紡がれています。

【詞書】YouTube短歌:量子のもつれ ホルスト 海王星 神秘主義者を
  聴いて
☆量子はもつれあい
  色即是空
 月の光が今日も地を照らす
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 年末にNHK特集量子もつれ「アインシュタイン最後の謎」を見ました。
 もちろん意味なんて理解出来るはずも無いが、何故か般若心経の
 色即是空が思い浮かびました。だいぶ酔いが回って来たのかも
 しれません。
 昔、NHK特集 アインシュタインロマン(1991年度)を録画し、
 何度も見たが、「神はサイコロを振らない」と量子力学者を批判し、
 「君は,君が見上げているときだけ月が存在していると本当に
 信じるのか?」と観察している時だけ起こる奇妙な光子の動きの
 量子力学者の説明を否定していました。
 しかし、若し物資実態(色)と言うものは空であるなら、月すら
 シュレディンガーの猫と同じく存在と死が両立するかも?
 こんなもやもやとした頭で、グスタフ・ホルスト(1874年9月21日
  - 1934年5月25日)の惑星 海王星 神秘主義者を聴いて、短歌に
 しました。海王星は、途中から女声合唱が挿入されており、より
 神秘的なイメージです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/0f4aa0135ad1073c11af92feb13d3c2d
【解説】
 前にも触れましたが、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストが作曲した
 大管弦楽のための組曲『惑星』は、ホルストの代表的な管弦楽曲です。
 紹介頂いた、その第7曲「海王星」を視聴させて頂きました。副題の通り
 全体的に静かで神秘的な雰囲気をもち、深遠な宇宙の神秘に迫るような
 独特の魅力を感じました。曲はゆったりとしたテンポで始まり、静かに
 展開し、無伴奏の女声コーラスが徐々に現れ、静かに消えていくという
 終わり方が非常に印象的で、無限の宇宙を感じさせるような終結と
 なっていました。
 詠われていますように「般若心経」の哲理を、ホルスト作曲「海王星」の
 神秘性に結びつけ、さらに「量子のもつれ」を導き出す作者の、詩人
 としての直観力と、それを「歌」に結実させる力量の凄さを改めて
 感じました。
 今、量子力学の原理を利用して計算を行う、新たな「量子コンピュータ」
 が研究開発の段階にあります。これが実現されれば並列計算等が可能と
 なり、
その演算速度が画期的に速くなります。これによりAIのさらなる
 発展の
為の、必須コンピュータになっていくものと考えます。

【詞書】2月8日、宇治にもとうとう雪が降りました。あちこち雪化粧で、
  少なくとも午前中~お昼ぐらいまでは充分雪景色を楽しむ事が
  できたようです。私は前日の夕方に(雪の予報が出てるのは知って
  ましたが)「まだギリ大丈夫やろ」とか言って自転車で買い物に行って
  まして、しっかり帰りに雪に降られて、頭から冷えました。(アホやわ…)
  その“冷え”が身の内に残った感じで、気温が低い上になお寒くて…。
  🥶結局同じ町内である平等院まですらよお行かんかったんです。何と
  意志の弱い事よ…。午前中遅めに郵便受けを見に行った時にその辺に
  積もった雪が残っていたので手のひらサイズの雪だるま⛄作って
  塀のうえに乗せておきました⛄︎が、その2、3分の間でもめちゃめちゃ
  冷えました。「やっぱしええ!(行かへん)」…。今日、「雪の平等院」の
  写真とか見たくてスマホで検索すると、「みんなの花図鑑」でブログを
  書いていらっしゃる、なつみかんさんがブログで写真を多く上げて
  らして、それで「雪化粧の平等院」を堪能しました。
  次もしチャンスがあったら行きたいですが…寒いだろうなあ。
☆「雪化粧 さぞかし綺麗なんやろな
        平等院は」見に行けへんけど
【詞書】いやあ~、レパートリー貧困の身には救世主の鍋!…とは言え、
  毎日はアカンし…。ポトフもどきの野菜スープも材料無くはないし…。
  ほか、丸大根でも炊こうか…ってこれもすでにヘビーローテーション
  気味やし…。と、何やかや料理下手なりに考えて日々やっております。
  よく姉に「旦那とか子供とか居る主婦の人らなんてもって大変やで。
  あんた自分とおばあさん(私は気に食わないですがうちの母の事です。
  姉が姪とかと話をしてたりだったら別に気にならんのですが…)だけ
  やろ」とよく言われます。…そりゃそうなんですけどね。…食費は
  控えないといかんのですが、ついついスーパーの惣菜とかが多く
  なります…。(…だって美味しいんやもん…。とは言え母が食べる
  バランスはなるべくちゃんとせんと…けどあれ食べこれ食べ言うて
  もなあ…ですし…)…暖かくなってきたら鍋でごまかされへんのが
  辛いなあ~と今から頭が痛いです。(でも寒いの嫌いです😖)…
  どうもすみません。愚痴ですね…。😥
☆ああ寒い
   今日も寒いなどないしよう
       鍋にしようかスープ作ろか…
【詞書】先日NHK「Eテレ」で、深夜帯でしたが2月5日から東京ドーム
  シティ-で開催された「世界らん展」(第35回だそうです)の模様が
  放送された番組が再放送されていたので見てました。(8日の深夜
  ですね。その少し前に総合のアニメ「チ。-地球の運動について-」を
  見ていましたから。新聞確認してませんが)番組のMC、進行や解説
  として出演されていた方々のどなたかが、番組中に「世界らん展 
  日本大賞2025」が発表される、と言ってはったので最後まで見て
  ようと思い、見ていました。(ちょっと用事もしつつ)色んな種類の
  蘭の鉢が並んでいたり、展示の仕方が面白かったり、フラワー
  アレンジメントで展示されていたり、かなり珍しい種類のものの
  解説もあったり…華やか鮮やかな蘭たちは目の保養になり、時折
  入る解説は面白く、楽しんでましたが、グランプリの発表がちょっと
  番組で伝えられるかどうか…になって、結局最後に結果だけ紹介
  していました。だからじっくり見られなかったので、検索でちゃんと
  見ました。神奈川県の方が受賞されたんだそうです。
  「パティオペディラム ワーディー‘オオスミ’」というその蘭は、
  原種はミャンマーや中国南部などが原産だそうですが、見事な
  大株に育った緑と黒っぽい色合いの、凛としながらも堂々とした
  花が6輪も同時に咲かせている…。とても変わった、でも美しい花
  でした。私は、今回ちゃんと見て「和」を、武士のようなイメージを
  感じました。緑と黒が茶道の茶碗を連想させたこともありました
  が…。…とにかく格好いい蘭でした。
  うちの蘭と言えば、昔からある東洋らんが二種類何鉢か(あまり
  手入れしてませんが毎年咲きます)と庭の一隅に春蘭がある
  ぐらいですが、見るのは大好きです。
☆グランプリ獲りたる`オオスミ´「らん展」で
             「和」を漂わす武士の如くに
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は「平等院」「救世主の鍋」「蘭展」について作者の独特の世界観を
 交えて詠んで頂きました。
 一首目の歌は、京都フアンのブロガーさんに叱られそうな歌ですが…。
 2月8日、世界遺産「平等院」の鳳凰堂も雪化粧し、一層幻想的な姿を
 現したようですね。朱色の鳳凰堂を白雪が包み込み、優美なシルエット
 を際立たせていたとの記事を拝見しました。いつでも行ける同じ町内
 ゆえに「行かない」と言われていた方も確かにおられましたが…。
 次回は、作者の目に映った鳳凰堂の雪化粧の歌を期待しております。
 二首目の歌、寒い冬の鍋料理はいいですね。具材はなんであり身も心も
 芯から温まりますね。「鍋にしようかスープ作ろか」の下の句に歌と
 しての、おかしみが表現されています。このように飾らない詠みもまた
 良いものと感じます。
 三首目の歌、「世界らん展」で日本大賞に輝いた蘭は「パフィオペディラム
 ワーディー‘オオスミ’」でしたね。詠われているように「武士の如く」
 凛とした立ち姿が美しい、6輪同時に開花している大株の蘭でした。この
 蘭の色合いは世界的に見ても極めて珍しく「侘び、さび」の世界観を体現
 した蘭とも感じました。作者のご自宅には、二種類の蘭が咲き続けている
 とのことですが、それは素晴らしいことと思います。毎年咲かせるのは
 それなりに難しいと感じていますので…。

☆三浦路にさきがけ咲くや河津桜 如月の風いまだ荒ぶも  
                         ポエット・M
【解説】
 京急の三浦海岸駅から徒歩で8分ほどの京急線遊歩道から小松ヶ池公園に
 かけて、約1kmに渡って河津桜の並木があります。約1,000本の河津桜が
 植わっていますが、今年は開花がかなり遅れ気味で、超早咲きの木が
 ようやく開花し始めています。
 降り注ぐ如月の光とは、うらはらに吹く風は未だ冷たく、咲き初める桜の
 花びらを容赦なくなぶっています。薄紅の花びらは風に揺れながらも
 しっかと咲いています。その凛と咲く様に感情移入し詠んでみました。
 ちなみに、今年の三浦海岸桜まつりは2月5日(水)~3月2日(日)ですが、
 2月9日現在、大半の木々は未だ蕾の状態です。


     「微かに咲き初める 河津桜」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(5)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    燈影なき室に我あり
      父と母
        壁のなかより杖つきて出づ

    たはむれに母を背負ひて 
      そのあまり軽きに泣きて
        三歩まず

    飄然と家を出でては
      飄然と帰りし癖よ
        友はわらへど

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前週に続き掲載致します。
 ・チョウキチさんからのコメントです。
  〇みおつくし 恋ふるしるしに ここまでも
           めぐり逢ひける えには深しな  光源氏
   どこか普段の源氏と違って殊勝な感じはしますが、心がこもって
   いないのではと疑うのはへそ曲がりでしょうか。それとも源氏の
   歳のせいでしょうか。

 ・ポエット・Mの返答
   いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
   頂きありがとうございます。
   この歌の解説でも記させて頂きましたが、「澪標」の帖は、源氏物語で
   最も美しい歌のやりとりの一つと言われています。
   光源氏も須磨への辛い配流生活により、人間的にも成長し、人へ寄せる
   想いも深いものになっていったと、源氏物語では描かれています。
   その彼の詠んだ歌ですが「心がこもってない」との指摘は鋭いですね。
   けっして「へそ曲がり」ではないと思います。紫式部も「作歌」に少し
   手を抜いたのかも知れませんね。(こんなことを言うと歴史家と、
   紫式部のフアンに𠮟られるかも知れませんが・・・)。
   なお、光源氏は明石の君との間にもうけた我が娘により、その後の
   運命が大きく好転していきます。この二人のその後の展開を物語で
   見守って頂ければと思います。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その167 ネット歌会)

2025年02月12日 04時39分49秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その167 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆立春を迎え 陽気に寛ぐも 予報は今期最強寒波 
                         西BOOさん
★立春といえど寒風吹き荒れて ダウンのフード被り防御す 
                         夕庵さん
★今シーズン最強最長寒波なり 水道管の無事を祈らむ
                         西BOOさん
★食パンに塗るハチミツが凍ってる 寒波の余波はキッチンにまで
                         夕庵さん

☆節分を二月三日と勘違い 食いっぱぐれし恵方巻きかな
                         西BOOさん
★恒例の節分行事に豆はなく 恵方巻き作り孫に届けむ 
                         夕庵さん

☆立春の光の中を闊歩せり 五体にしかと大地の鼓動 
                         みっちっちさん
★めでたやな 規則確かな心音は 春連れてくるひ孫の動き
                         夕庵さん
★産院の廊下に響く産声は 春連れてくる歓喜の瞬間
                         みっちっちさん

☆ほとばしる水の光や 立春の 水車回れる森の小流れ  
                         みっちっちさん
★コットンコットン水車の音も軽やかに 流れは巡りバラ園潤す 
                         夕庵さん
★山里の蕎麦処うらの小流れの 水車のリズム春待つごとく
                         みっちっちさん
★暖かいスダチの蕎麦の香りよし 輪切りならんでお蕎麦が見えぬ
                         夕庵さん
★熱燗を一本追加 寄せ鍋はすだち絞りて寒夜の至福
                         みっちっちさん
★鍋にする葉物高くて物足りぬ 今夜の奉行もちょっぴり静か 
                         夕庵さん
★きゃべつ姫 投げ売りなんぞ過去のこと 今し 大事に やや抱くごとく
                         みっちっちさん
★最強の寒波直撃 信州の 高原野菜も 雪に埋もる
                         夕庵さん
★立春は名のみの寒波 雪かきの 苦労をしのぶ高齢世帯
                         みっちっちさん
★豪雪に生きて埋もれて息絶えし 運命(さだめ)といえど何と悔しき
                         夕庵さん
★ふるさとを捨てて都会へ旅立たむ 鞄ひとつの若者の春
                         みっちっちさん
★歳古りて思い出される故郷は 川も埋め立て見知らぬ街へ
                         夕庵さん

     「咲き初めるむ 紅梅」

☆如月につぼみ膨らむ紅梅の 枝の狭間に富士のしろがね 
                         ポエット・M
★如月につぼみ膨らむ紅梅の
        遙かに望む春日(かすが)の山脈(やまなみ)

                         夕庵さん
★紅梅は光の春に目覚めるか山脈(やまなみ)を背に ほころび初める
                         ポエット・M
★堂々と古武士のような盆梅に ため息ついて見とれてをりぬ
                         夕庵さん
★古武士にも似たる姿の盆梅の 秘めたる歴史 改めて知る 
                         ポエット・M
★盆梅展 金屏風背に 花ひらき 会場に満つ甘い香りは 
                         夕庵さん
★撓められ人の思いに添う盆梅(うめ)よ 時には大地 請うこと無きや
                         ポエット・M
★枝ぶりの見事さ競う盆梅展 伐られた細枝につぼみ残して
                         夕庵さん
★盆梅の枝ぶり競うその陰で 伐られし枝に つぼみ膨らみ 
                         ポエット・M
★努力して実を結ぶかに見えたれど 甲斐もむなしく叶わざりしか
                         夕庵さん
★実を結ぶ 努力の跡は尊くも 結ばぬ跡は さらに尊く
                         ポエット・M
【詞書】捨てられた木を拾い 花瓶に挿すと暖かい部屋で花を
  咲かせています。
★蕾ある枝をやむなく伐り捨てど 私が花を咲かせてみましょう
                         夕庵さん
★捨てられし枝に眼差し注ぎたる 君の優しさ涙も誘う
                         ポエット・M
★野良猫はまとわりついて離れない 今夜は何処で眠るのだろう
                         夕庵さん
★野良猫を可哀そうにと連れ帰り 孫はひたすらスケッチ残す 
                         ポエット・M
★スケッチの猫は「ちーたん」八代亜紀(あき)さんと
                絵本のなかにいつまでも生き

                         夕庵さん
★「ちーたん」は いまも八代亜紀(あき)さん偲んでか
               マフラーくるまり眠りにつくと

                         ポエット・M
★「ちーたん}は八代亜紀(あき)さんの声忘れまい
                   夢の中でも子守歌きく

                         夕庵さん
★夢覚めて今も八代亜紀(あき)さん探しいる
              「ちーたん」にとり永遠なる人よ

                         ポエット・M
★誰にでも不意に別れはやってくる 降り積む雪に息をひそめて 
                         夕庵さん
★降る雪に 想い鎮める日々なれど 不意の別れに 未だ影追う 
                         ポエット・M
★降る雪を手にのせ言葉探しをり 溶けないうちにさよならを言う
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 白梅」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その166)

2025年02月05日 05時58分54秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その166) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 白梅」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「21.関屋(せきや)空蝉」
 夫、伊予介の転任でともに東国へ下っていた空蟬は、任期が
 切れた夫とともに都へ帰る途中、石山寺を詣でる源氏と偶然出会う。
 かつての小君を通して源氏の消息を聞いた空蟬は後に源氏と文を
 交わす。夫の死後、義理の息子から言い寄られ困惑した空蟬は
 密かに出家する。
〇わくらばに 行き逢う道を 頼みしも 
                     なほかひなしや 潮ならぬ海   光源氏
註)偶然に逢坂の関で再会したことに期待を持っていましたがそれも
  甲斐がありませんね、やはり潮水でない淡水の海だから
〇逢坂の 関やいかなる 関なれば
                      しげき嘆きの 仲を分くらむ  空蝉
註)逢坂の関は、どのような関なのでしょうかこんなにも深い嘆きを
  起こさせ、人と人の仲を引き裂くなんて
(返歌)
☆逢坂の 宿命的な 出会いこそ 頼みとするも 会うことたがわぬ
☆すれ違い お会いすること ままならず 嘆きの中に 分けて行く身を
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「空蝉」につきましては、前にも少し触れましたが、紫式部自身が
 モデルとの説があります。その人となりと、親ほどの年齢の受領の妻に
 なり、かつ当時の社会ではあまり見られない、潔癖な性道徳の持ち主との
 人物描写が当てはまることからです。これには紫式部が学び、身に付けた
 儒教や仏教の原典の素養、影響が色濃く現れています。
 光源氏の歌は、註)にもありますように、偶然に近江路でお逢いしたことで
 あなたとの縁は、よくよく前生に堅く結ばれて来たものであろうと感じ
 (逢坂の関「あふ」という言葉に)期待を寄せていました。しかし、それも
 かいがありませんでしたね、やはり塩の海ではないから…、貝はいません
 でしたね。と意訳できます。
 この歌を受け取り空蝉の返歌は、思いもかけぬ邂逅に心もあやしく乱れ、
 昔のことを思うにつけ、今の我が身を思うにつけこの涙が止まることは
 ないでしょう…と、意訳できます。
 これらを踏まえて、作者の返歌を鑑賞してみましたが、それぞれの想いに
 寄り添った情の籠った歌になっていて好感がもてます。その想いをさらに
 進めて、それぞれの想いを推測し詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★前生の えにしの故に逢坂に まみえし君の さらに愛しく
★逢坂の関ゆえ会わん君ゆえに 添い寄る想い 吾が身切なく                         

【詞書】フジテレビで詠ませて頂きました。
☆フジテレビ コンプラ逸する社風では 社会の信用戻ることなし
【詞書】豊昇龍で詠ませて頂きました。
☆豊昇龍 逆転Vのあかつきに 頂点の綱 審議にて決
【詞書】冬薔薇で詠ませて頂きました。
    猶、残した写真はfacebookで
    https://www.facebook.com/profile.php?id=100087489002345
☆冬薔薇を一枚写真に残しけむ 寒さの中で凛と主張す
                         西BOOさん
【解説】
 「フジテレビ」「豊昇龍」「冬薔薇」と、追加分も含めて三首の
 歌を、詩情豊かに詠んで頂きました。
 一首目の歌、詠われていますようにフジテレビのコンプライアンス
 及び、人権侵害等の問題が、国会論議の俎上にも乗りました。企業
 統治も含めた今後の推移を、マスコミ、ネット等から日々報道される
 多くの情報を、精査しつつ見守りたいと思います。
 二首目の歌、空席となった横綱が豊昇龍の優勝で、なんとか埋まり
 ましたね。巴戦を勝ち切った精神力の強さも讃えたいです。
 三首目の歌、canon 90dと、Carl Zeiss 85mm f1.4で撮影された
 作者の「冬薔薇」の作品を拝見致しました。詠われていますように
 冬の陽ざしの中に咲く冬薔薇の、儚げでありながら凛と咲く様子が
 淡い色調で撮られていて見応えのある作品と感じました。新しいレンズも
 素敵に使いこなされていますね。


     「咲き盛る 日本水仙」

【詞書】「ショール」は冬の季語です。三首、出詠いたします。
☆手に触れて病の友へショール選る その柔らかき心をつつみ
☆連絡船ゆるり降り立ち黒ショール かけ直したる女(ひと)の横顔
☆ひそかなる心包むや 黒ショール 白き襟足さやかなる女(ひと)
                         みっちっちさん
【解説】
 俳句の歳時記で「ショール」は冬の季語とのこと。このショールに
 まつわる短編小説にも似た、物語性のある三首の歌を詠んで頂きました。
 三首目の歌、上の句の「ひそかなる心包む」は、内に秘めた密やかな
 想いを描写し、繊細で慎重な心の動きが感じられます。
 黒いショールは、外見の落ち着きやシックな印象を与える一方で、
 内に秘めた情感の深さをも示唆し、モノトーンの色彩が、歌全体の
 雰囲気を引き締めていると感じます。
 下の句の「白き襟足さやかなる女」は、黒いショールに対して、
 白い襟足が際立つ描写です。純粋さや清らかさ、そして明るさが
 対比的に描かれており、その女性の清潔感が強調されています。
 この歌は、想いと視覚的な美しさが見事に融合しており、歌に
 深みを与えています。さらに、女性の内面的な美しさを暗示すると
 ともに、外面的な清楚感を際立たせています。

 二首目の歌、黒ショールをまとう女性の様子を写生するのみに留め、
 その後のストーリー展開を読者に委ねる心憎い歌と
感じます。
 このようなミステリアスな歌もいいものですね。

【詞書】奈良の石上神宮へ友人のお供で参拝してきました。
  鶏が境内で放し飼いをしている珍しくも由緒ある神社です。
☆石上神宮(いそのかみ)は森深く在り霊気満ち 静寂やぶる鶏の声
☆烏骨鶏 黒いトサカを揺らしつつ 駆け来る二羽の眼光鋭し
☆杉木立の木洩れ日を抜け 山の辺の道へとつづく大和のどけし
                         夕庵さん
【解説】
 石上神宮は紀元前の創建といわれる日本最古の神社のひとつです。
 上代の豪族であり、大和朝廷にて軍事を司った物部氏の総氏神と
 言われています。百事成就、長寿の守護神として篤い信仰を集めて
 いますが、広い境内は国宝の拝殿をはじめ、重要文化財も数多く
 祀られているとのことです。その神宮で詠まれた三首の歌は、
 いずれも神聖な趣を湛えています。
 特に三首目の歌、上の句で杉の木々が立ち並ぶ中、木洩れ日が
 差し込むのどかな風景が目に浮かびます。木々の間から漏れる
 柔らかな光が、静寂さと温かさを感じさせます。
 なお、「山の辺の道」と示すことで、歴史に裏打ちされた文化的な
 背景を強調し、木洩れ日の先に広がる道が、自然と歴史を結びつける
 象徴となっています。
 また、下の句では「大和(やまと)」の地名を使うことで、日本の
 古都・奈良の風情を強調し、「のどけし」は穏やかで平和な様子を
 現わしています。この歌は、自然と歴史が調和した美しい風景を
 描き出し、詩情豊かな作品となっています。また、山の辺の道や
 大和という歴史的な要素が、歌枕と相まって歌に深みを与えています。
 一首目の歌は「霊気」に満ちる静寂と「鶏の声」の対比が秀逸です。


     「咲き初める 侘び助」

【詞書】YouTube短歌:春近し ドビュッシー「夢」を
☆故郷の雪はまだ止まず
  つぎつぎ舞い落ちる
 そこにいる人に
     春を
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 フランスのクロード・アシル・ドビュッシー
 (1862年8月22日 - 1918年3月25日)の人生を見ていると、様々な
 女性関係が取り沙汰され、何人も相手の女性が不幸になって
 しまっていた。
 しかし、私はドビュッシーの音楽が好きで、ドビュッシー本人の
 この破天荒な性格を好きという訳ではないです。
 このドビュッシーの「夢」の曲を聴いて、故郷で雪が降りしきる
 イメージとなりました。とても美しい光景だが、住んでいる人々に
 とっては、うんざりする光景でもあります。
 そう言う人々に、もうじき春だよと告げたい。
 下記URLに「夢」を貼付しておりますので、どうぞ御覧いただけば
 幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/dbd094725eb2439a18bd80691cc071aa
【解説】
 ドビュッシーの作曲した曲は、代表作『海』や『夜想曲』などにみられる
 特徴的な作曲技法から「印象主義音楽(印象派)」と称される
ことも
 あります。しかし、本人は「印象派」と呼ばれることを強く拒否
したとも
 伝えられています。

 作者のご紹介により、YouTubeの曲を視聴させて頂きました。
 「夢(Rêverie)」は、
ドビュッシーが1890年に作曲したピアノ曲ですが、
 タイトル通り夢幻的で
幻想的な雰囲気を持っていると感じました。
 心地よい夢の世界へと誘ってくれますが、詠まれていますように
 「つぎつぎ舞い落ちる」雪のようにも感じました。雪に対する想いは
 雪国に住むか否か、住む方の居場所で異なるかと思います。雪に
 閉ざされ厳しい思いを強いられる方々にとって「もうじき春」との
 メッセージはひとすじの希望であり、光明であるとも感じます。
 今回も、ドビュッシーの「夢」の曲から発想し、このような希望を
 繋ぐ歌に仕上げる作者の詩心に感動しました。

【詞書】最近ISSの観測のお陰か、方角の感覚が昔より良くなり、家の
  中からでもどの辺りがどの方角か判るようになってきました。
  今年の恵方は西南西とのことで、居間の飾り棚の扉の一つを指
  差して「ここら辺が西南西やで~」と言って母にスーパーで滑り
  込みみたいな時間に行って買った鉄火巻きを食べました。
  (普通の太巻きとかは売り切れてました)まあ、験担ぎみたいな
  もんですから…。晩の主な献立それで済ます奴…。w豆撒きは
  夕方に済ませましたが…。
☆「西南西このあたり見いや」と指差して
           母と一緒に鉄火巻き食べ
【詞書】2月3日の朝日新聞朝刊京都面より。
  「響け!太陽が丘へ」という見出しで、今年4月29日に、宇治市の
  府立山城総合運動公園(通称“太陽が丘”)で、府内の中・高25校が
  参加する吹奏楽のイベントを行うということが発表されたという
  記事がありました。きっかけは宇治が舞台で、高校の吹奏楽部員の
  少女が主人公のアニメ「響け!ユーフォニアム」で、太陽が丘で開催
  される架空の吹奏楽のイベントで、主人公の吹奏楽部が参加して
  マーチングバンドで演奏するシーンがあったことからだったとか。
  実際、私は知りませんでしたが、’70年代には宇治川中州の“塔の島”
  (近所です)で周辺の中学高校の吹奏楽部が出場する「オープンエア
  コンサート」というイベントがあったそうですし、’83~’95年には
  太陽が丘に場所を移して続いていたとか。その当時の名称に太陽を
  イメージした“サン・サン”を加えて、「サン・サン・オープンエア
  フェスティバル2025」として開催するといいます。
  「~ユーフォニアム」の中で主人公たちが太陽が丘をモデルにした
  会場で参加するのは「サンライズフェスティバル」。あのシーンが
  現実の太陽が丘で再現されれば、音楽も楽しめて、ファンはアニメ
  さながらの場面を楽しめることでしょう…。マーチングのパレード
  の後は出場者皆での演奏もあるらしいですから、迫力のある演奏が
  楽しめそうです。
  また一つ、「ユーフォ」ファンに楽しみができました。心待ちにする
  とともに、イベントがつつがなく成功することを祈ります。
☆「響け!ユーフォニアム」の場面現実に!
       “太陽が丘”でマーチングフェス
【詞書】ついさっきに訃報を夕方のニュースで見ました。1985年の
  リーグ優勝、日本一と輝かしい実績もありますが、その後の再びの
  低迷期にもチームを率いておられました。チームを離れてからは
  フランスで野球の指導もされ、代表監督にもなられたとか…。常に
  ニュースのゲストなどで出演された際は穏やかな笑顔だったりが
  多かったかと思います。私は“牛若丸”と呼ばれたという頃を知り
  ませんが、背番号23永久欠番、9度ベストナインになられたとか。
  “ムッシュ”というあだ名の似合う紳士なイメージのある方だった
  かなあ…と。享年91歳…優勝の記憶をありがとうございました。
  お疲れ様でした。吉田元監督の訃報を聞いて急遽1首差し替えました。
  1985年は大学の4回生でした。難波のバイト先で、大学で喜んでいる、
  私よりはるかに年季の入ったファンも周りにいましたし、その人達を
  見ているのもまた楽しかったです。(友人の一人は当初テレビ放送が
  無いと聞いて、大学の卒業アルバムの撮影が翌日にあるのに、妹さん
  と神宮に行ったそうです。彼女たちは翌朝甲子園であったファンの
  祝勝会に行って何かの新聞の写真に出たそうな。そういうエピソード
  も含めて楽しかった…)藤川球児現監督もコメントを出して
  おられました。寂しいことです。
  やたら寒くなりました。積雪の多い地域の方、そうでない地域の方も
  どうかおつづかなきよう。
☆初めての日本一をもたらした
      吉田義男氏の冥福祈りて
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は「恵方巻」「ユーフォニアム」「吉田元監督」をテーマに
 最新の時事を交えて三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、お母様と共に、今年の恵方「西南西」に向かい鉄火巻を
 食べられた様子が、ほのぼのと詠われています。お母様も辛い想いを
 未だ抱えておられることと思いますが、作者の存在が大きな励ましと
 なっていると感じます。恵方巻には諸説ありますが、恵方に向かって
 物事を行うと「何事も吉」とされるとのことですね。「吉」を信じて
 亡きお父様の想いを胸に、お母様を支え、力強く歩み始めましょう。
 二首目の歌、4月29日「サン・サン・オープンエアフェスティバル2025」が
 開催されるとのこと。アニメのシーンが現実の「太陽が丘」で再現され
 とは素晴らしいことですね。とかくうなだれることの多い今の時世に
 「ユーフォニアム」ファンのみでなく、多くのアニメフアンにも心強い
 エールになると確信しています。
 三首目の歌、吉田元監督は多くの監督に見られる「闘将」のイメージ
 ではなく、詞書にもありますように、“ムッシュ”というあだ名の
 似合う穏やかな紳士との印象があります。1985年に球団初のリーグ優勝、
 さらに日本一を阪神タイガースにもたらした功績は、今も燦然と輝いて
 います。詠われていますように、ご冥福をお祈り申し上げます。


☆如月につぼみ膨らむ紅梅の 枝の狭間に富士のしろがね 
                         ポエット・M
【解説】
 横須賀の山沿いにバイパス道路があり、その街路樹の一角に紅梅と
 モクレンが植えられています。二月の陽光を受け既に、その蕾が
 膨らみ微かな開花も見てとれます。プールへのドライブコースに
 なっていますが、花の満開時には多くのカメラマンで賑わいます。
 今の季節、紅梅の枝の狭間に冠雪の富士山が時として見られます。
 二月は「光の春」と言われていますが、寒さとは裏腹に陽光の輝きは
 既に春を感じさせます。そんな日差しをまとう紅梅の枝。その狭間
 から覗く、冠雪の富士山の雄姿を詠んでみました。

 
     「微かに咲き初める 紅梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(4)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    大という字を百あまり
       砂に書き
      死ぬことをやめて帰り来れり

    目さまして猶起き出いでぬ児の癖は
       かなしき癖ぞ
      母よ咎むな

    ひと塊の土に涎(よだれ)し
       泣く母の肖顔(にがお)つくりぬ
      かなしくもあるか


【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前週に続き掲載致します。
 ・チョウキチさんからのコメントです。
  〇みおつくし 恋ふるしるしに ここまでも
           めぐり逢ひける えには深しな  光源氏
   どこか普段の源氏と違って殊勝な感じはしますが、心がこもって
   いないのではと疑うのはへそ曲がりでしょうか。それとも源氏の
   歳のせいでしょうか。

 ・ポエット・Mの返答
   いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
   頂きありがとうございます。
   この歌の解説でも記させて頂きましたが、「澪標」の帖は、源氏物語で
   最も美しい歌のやりとりの一つと言われています。
   光源氏も須磨への辛い配流生活により、人間的にも成長し、人へ寄せる
   想いも深いものになっていったと、源氏物語では描かれています。
   その彼の詠んだ歌ですが「心がこもってない」との指摘は鋭いですね。
   けっして「へそ曲がり」ではないと思います。紫式部も「作歌」に少し
   手を抜いたのかも知れませんね。(こんなことを言うと歴史家と、
   紫式部のフアンに𠮟られるかも知れませんが・・・)。
   なお、光源氏は明石の君との間にもうけた我が娘により、その後の
   運命が大きく好転していきます。この二人のその後の展開を物語で
   見守って頂ければと思います。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その166 ネット歌会)

2025年02月05日 05時42分42秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その166 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 白梅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆冬薔薇を一枚写真に残しけむ 寒さの中で凜と主張す
                         西BOOさん
★朝露の白玉抱きてふるえしも 冬こそひらけ真っ赤な薔薇よ
                         夕庵さん

☆烏骨鶏 黒いトサカを揺らしつつ 駆け来る二羽の眼光鋭し
                         夕庵さん
★石上 解き放たれし烏骨鶏 神聖たるや神のお使い
                         西BOOさん
★トコトコと黒いトサカと白い羽根 天狗のような神の使者なり
                         夕庵さん

☆ひそかなる心包むや 黒ショール 白き襟足さやかなる女(ひと)
                         みっちっちさん
★走り書きのメモ添え届くふわふわの マフラーは白小雪舞う日に
                         夕庵さん
★編み上げし長きマフラー恋人ら 二人で巻きて雪の京街
                         みっちっちさん
★夜なべして編みしマフラー巻きやりぬ ひとり旅立つ機上の人は
                         夕庵さん
★夜なべして妣(はは)編みくれし瑠璃色のセーター今も温もる心
                         みっちっちさん
★古毛糸 集めて編みし子のセーター 繰り返し聞く昭和のCD
                         夕庵さん
★繰り返す妣(はは)の口癖 あなたはね いつも笑っている子だったよ
                         みっちっちさん
★無口なる少女も知りぬ 人恋いの痛みの言葉文字に記るしき
                         夕庵さん
★初恋を知りたる少女 いにしへの物語へも心奪はる
                         みっちっちさん
★夢を盛るノートを選ぶひとときの 恋に恋したわが少女期よ
                         夕庵さん


      「咲き競う 日本水仙」

☆杉木立の木漏れ日を抜け山の辺の道へとつづく大和のどけし
                         夕庵さん
★まほろばの山の辺の道のどかなる 地蔵並びて夕鐘響く
                         みっちっちさん
★山辺の道ゆく人ら歌碑の前 声を和しつつ朗詠しをり
                         夕庵さん
★布引の滝へと続く歌碑の坂 滝音聞きつ朗詠の声
                         みっちっちさん
★山辺の道に夕日を拝むとき 万葉人の息づかい聞く
                         夕庵さん
★山の辺の道に夕鐘ふたつみつ 普遍なる音と人のいとなみ
                         みっちっちさん
★山裾に柴焼く煙立ちのぼり  早も暮れゆく早春の里 
                         夕庵さん

☆陽にもまた香のあるごとく蠟梅は 冬陽を浴びて匂いこぼせる
                         ポエット・M
★庭の梅未だ蕾も膨らまず 蠟梅の花 色温かし
                         西BOOさん
★蝋梅は梅より早く花をつけ 原発荒野に浅き春呼ぶ
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 梅の花(淡紅)」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
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