世界には美しい大聖堂がいくつも点在しており、キリスト教徒が祈りを捧げる場としてだけでなく、観光を目的に訪れても楽しむことができます。実は、世界遺産として知られるスペインのサグラダファミリアも大聖堂の1つなんです。私たち日本人にはあまり馴染みのない存在かもしれませんが、海外では中東の一部地域を除くほとんどの国で見られます。
ヨーロッパを中心にキリスト教を信仰する国々に点在する大聖堂。世界78億人の人口のうち、全体に占めるキリスト教徒の割合は3割弱とされています。つまり、世界の約3人に1人はキリスト教徒なのです。一般的に大聖堂とは、カトリック教会では司教座が置かれている教会を指します。ロシア正教やギリシャ正教では、司教座の有無に関わらず、由緒ある教会を大聖堂とみなし、司教座制度を持たない宗派であっても、大聖堂と呼ばれるものもあります。世界各地には美しい教会が数多くありますが、大聖堂は高い格式を有する一際異なる存在です。
ボスニア・ヘルツェゴビナ「イエスの聖心大聖堂」
「奇跡的戦火免れ大聖堂 信仰の人に平和と安らぎ」
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イエスの聖心大聖堂は、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォにあるカトリック教の大聖堂です。同国最大の宗教建築物として知られ、「サラエヴォ大聖堂」という名でも親しまれています。1884年8月に建設を開始したのち、約5年の歳月を費やして完成されたこちらの大聖堂。意外なことに、設計を行う際モデルとされたのはパリのノートルダム大聖堂だったと言われています。見た目こそ異なりますが、これら2つの大聖堂は「ネオ・ゴシック様式」を取り入れているという共通点があるのです。その他にも、ヨーロッパにはイギリスの国会議事堂やタワーブリッジなど、同様の建築様式を取り入れた建造物がいくつもあります。
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ボスニア・ヘルツェゴビナといえば、1990年代に内戦が勃発し、約3年半以上にわたる戦いにより20万人以上の死者と200万人以上の難民を出した国です。もちろん、この大聖堂も例外ではなく、内戦による影響で激しい損害を受けました。現在見られるのは、終戦後に修復された建物です。激しい戦闘が繰り広げられる中で奇跡的に全壊を免れた大聖堂は、今日も信仰を寄せる人々に「平和と安らぎ」を与えています。内部は少しイスラム風の趣を感じせる造りとなっているので、訪れる際はぜひ覗いてみてください。
参照
https://dokodemodoors.com/column/cathedral
https://tabichannel.com/article/1191/cathedral