2014年4月の歌舞伎座公演で、藤十郎の当たり役「曾根崎心中」のお初は、これをもって演じるのを最後にするという「藤十郎一世一代」の公演。
21歳の遊女・お初を八十余歳の藤十郎が演じます。
歌舞伎を見に行くことはなかった父が、ぜひ観たい!と足を運び、その年の9月に倒れ入院生活となりました。
藤十郎さんの、その後の、「お初」以外の歌舞伎の舞台をいく度も私は見に行きました。
自由のきかない父と同年の藤十郎さんが、壮健に舞台を踏んでいるのを特別なうれしい思いで見ていました。
その父が11月に他界し、お元気と思っていたその藤十郎さんがその7日後に亡くなられたとの訃報に接し、一層、寂しい思いにとらわれます。
最期の舞台は前年(令和元年)12月の京都・南座「祇園祭礼信仰記 金閣寺」とのこと。翌年の3月からは新型コロナ流行で、舞台はどこも閉鎖でしたから、最期まで現役を貫いたといえるでしょう。
【追記】近松門左衛門の「曽根崎心中」は江戸時代、心中もの禁止令で長く上演されることはなかったとのことですが、藤十郎がまだ中村扇雀の1950年代、歌舞伎作者・宇野信夫が原作に手を加えてこれが当たり役となりました。昭和の黙阿弥といわれる宇野信夫さんは、当園卒園児のご父兄で、園のHPで故・石橋先生がエッセイに書いておられます。
→「宇野信夫さんのこと」https://www.igusa-y.jp/essay#ttl-s006
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