6年前施工前状況(既設シリコン系撥水剤の効果もなくなり降雨での濡れ肌と黄変・変色)
6年前施工完了状況
現在のハクリ状況(北面のみに発生?)
足場仮設後、付着強度の確認状況
全く付着強度がでてないので、既存塗膜のハクリ剤(水洗い不要タイプ)による全面撤去で再施工を施す。
ハクリ状況(ハクリ剤塗布後、パテベラで既存塗膜を撤去する。サンダーケレンによる粉塵の発生もなく、思ったより簡単に撤去できました。)
北面補修工事完了状況
現状の西面・南・東面(補修工事なし)は何ら不具合の発生はありません。
北面(補修部分)と東面(補修工事なし)の仕上がりの違和感は全くありません。
今回のハクリ現象についての見解!!
古い打放しコンクリート建築の保護・濡れ肌防止の処理は溶剤系のシリコンを塗布するしかなく、数年で撥水効果もうすれ、濡れ肌状態になり、汚れ・黄変等エイジング現象状態になってしまいます。
M邸の場合、SA工法施工前に2度シリコン系の撥水剤処理がおこなわれていたそうです。
打放しコンクリート建築の改修工事における一番の目安として、まず降雨時に濡れ肌状態になっている事、なぜなら基本シリコン系撥水剤が効果を維持している場合は、どのような下塗り材(シーラー)を塗布しても以前のシリコン系樹脂処理されたものには密着しません。
今回のM邸の場合降雨時には打放しコンクリート面は各面が完全に濡れ肌状態になっており、安心して施工に至りました。北面のみにハクリ現象が発生しており、東・西・南面についてはなんら不具合の発生は見られませんでした。(下地の打放しコンクリートに水分等が含まれている場合、その影響でにフクレの発生~ハクリ現象へとつながった事もたまにありました。)
考えられる要因について、(あくまで私の見解です。!!)
シリコン系撥水剤は紫外線の影響を受けて劣化がすすみます。今回、北面のみにハクリ現象がなぜ発生したか? 考えられる要因として北面が他の面より紫外線の影響が少なかったのではないか、打放しコンクリートの表面はシリコン系撥水剤の効果もうすれ、降雨時に濡れ肌状態になっていたがコンクリート表面ではなく内部に溶剤系シリコン成分が残留し、SA工法に使用する水性タイプの下塗り(SA工法は環境対応型の上塗りまで全て水性タイプ)に影響を与えハクリ現象を発生させる要因になったのではないかと思っております。
今回の補修工事では色々と考慮して、溶剤型のエポキシ系シーラーで処理のうえSA工法で仕上げました。仕上りは色目も含めて、何ら問題はありませんでした。
毎回・毎回 修行中です!!