8月○日 夕方 入院先の病院にて
入院初日
看護師「○○さん、点滴終わりました?」
どうやら点滴を打ったまま、寝てしまっていたようだ。看護師に起こされる。
看護師「もう少しで食事の時間ですからね。」
もうそんな時間か、病院食は初めてだ。
実は私、生まれてこのかた、入院したことがないのだ。入院経験者から病院食は味が薄い、量が少ない等、よく聞かされていた。
だいたい
8:00朝食
12:30昼食
18:00夕食
多少、前後することはあったが、こんな感じだったと思う。
さて、お待ちかねの夕食。
コンビニ袋に入れられて看護師さんが届けてくれる。トレーじゃないのね。
弁当屋でよくみる樹脂製のケース。おかずとご飯は別々になっている。(ご飯用ケースとおかず用ケース)
この日のメニューは少量の野菜炒めとフルーツ(キウイ三切れ)焼き魚(サバ)白米200g(書いてあった)
本日最初の食事だ
まずは野菜炒めを一口
うん…味がしない。
続いてキウイを一口
お、甘味を感じる。どうやらフルーツ系は、多少はおいしく食べられるようだ。
さて、メインのサバを一口…
うん、見事に味がしない。泣けてくるね。
結局、残してしまった。半分くらいは食べたと思う。申し訳ない気持ちになる。
体調が悪いと、こんなにも食べられなくなるものかと、悲しくなった。
食べ残したままの容器を袋に入れ、ゴミ箱へ。後で看護師さんが回収にくる。毎回、食べた量を訊かれた。
夜
点滴中に寝てしまったせいか、眠れない。こうなると悪い癖で色々と考えごとをしてしまう。
これからどうなる?
本当に治るのか?
味覚、嗅覚は戻るのか?
健康だった頃が、遥か昔のように感じる。
肉体労働で普通の人よりは筋肉もあり、腕も太かった。それが今はどうだ。
コロナでだいぶ痩せてしまっていた。
短期間でみるみる細くなった腕を撫でながら、言い様のない感情に包まれた。
続きます
※画像はイメージです