
春、標高の高い山にはまだまだ雪がたっぷりある
厳しい冬山と違って、春は気候が良く動きやすい
ゆえに、気が緩んでしまいがち
春山だって冬山に近からず遠からず危険が潜んでいるんです
今日は気付かれにくい春の雪山について危ないよ!と思う事例を山レポを通して3つ紹介しま~す
前回までの日記 → 千畳敷から宝剣山荘まではこちらから
前回までの日記 → 木曽駒ヶ岳アタックと宝剣岳アプローチはこちらから
前回までの日記 → 闇夜に浮かぶ宝剣岳はこちらから
モルゲンロートの写真を撮り終え、小屋に戻る。
早起きしたからお腹が空いたよ~。おいしい朝食(写真は一つ前の日記にあるよ)をいただいて
8:30 小屋を出発
今日は伊那前岳へ寄り道してから下山しよう。

伊那前岳へは、乗越浄土を東へ向かう。 背景は宝剣岳と極楽平へ続く稜線
今日もイイ天気だ♪

右手には、千畳敷を見下ろすことができ、中央アルプスの山並み
ん~ 絶景なり


ゆるやかな斜面を登る。

伊那前岳の手前にあるピークは和合山
和合山まで来ると・・・

おっと

伊那前岳の方が低いのでここからは緩く下るのだが…

トレースなし、雪庇あり、亀裂ありで ん~~ やめとこう。
残雪の山 危ないよ!その①
雪庇や亀裂に気を付けよう!
厳冬期でも雪庇はある。踏み抜いたら一気に落ちてしまうらしい。
春は、その雪庇もかなり緩んでいる。
春雨や気温の上昇で、いつ落ちてもおかしくないでしょう。
無理せず、乗越浄土へ戻りましょう~

中岳と木曽駒ヶ岳
ここからは重ならずにちゃんと見えるね


駒ケ根市側から見る宝剣岳 切り立ってますね~

下山の前に、天狗さんにお別れ 「また来るね~」


10:25 千畳敷に向けて下ります。
残雪の山 危ないよ!その②
ここを登ってきた昨日のことなんだけどね、
もうすぐで乗越という急な地点を登っていた時、下山中の男性が私とすれ違った後すぐに、尻セードを始めた

ずっと下の方にある岩陰で 監視中の補導員が、
「 そこ、尻セードやめて―― 」 大きな声で何度も叫ぶ。
それでもその男性は無視して滑り続ける。
柔らかい雪&踏み跡で尻セードが止まっても、また尻セードを始める。
「 そこで尻セードやっちゃダメだ!やめろ――!下に登山者がいるから――!」
補導員の声掛けにも応じず、無視する男性。
「 やめろと言ってんだ!!この馬鹿者!!」
ついに補導員が怒った

そりゃ、無視はアカンでしょ

上にいた私にも聞こえていたから、聞こえないはずがない。
完全に無視していたんだ


厳冬期のカチコチに凍ってる雪面で 尻セードする人っていないよね。
でも、このポカポカ陽気の春山では、雪面も程よくゆるんでいて、尻セードしようという気になるのだ。
下に人がいなくて、岩が飛び出していなくて、自力停止できる斜面なら尻セードも○
でも、狭い地形、下に人がいる時、岩の露出がある時、尻セードは危険な滑り台となるのだ。
今回のこの場所は、狭く、左にややカーブしている地形。 止まれなかったら岩にゴツンだ。
しかも、人がぞくぞくと登ってくる。 人間に突っ込んでしまうことも無いとはいえない。

このあたりは、尻セードも安全に楽しめるね

裾野も広いし、岩の露出もないし、登山者の邪魔にならない場所で思う存分 尻セードしちゃってください!
前日よりボコボコして歩きにくいけど、サクサクッ~と下る。
…ん?

おっと !

残雪の山 危ないよ!その③
千畳敷カールのど真ん中で休憩している登山者2人 ← しかも雪のイスまで作ってる
見やすいように青色で雪崩の跡をマーキング。
すり鉢の真ん中で座り込んでいたら 危ないと思うんですけど…

もし急に雪崩が起きたら逃げられる?
さきほどの雪庇と同様、春雨や気温の上昇で雪崩れる可能性はゼロではないのだ。
ちなみに、この時期の雪崩って音もなく雪崩れるらしいです。

11:00 千畳敷RW駅への最後の登り。
11:20発 RWに乗って、あっという間に菅の平へ到着。
1話目から読んでくださった人は もしかしたら覚えているかもしれませんが、
行きの電車がものすごく寒くて、どうやらそのとき風邪を引いてしまったようで・・・
下界へ下りた時には、熱っぽくて、ふらふらになって帰路につきました

後半GWは、熱を出して寝込むなんて…

さて、3つの事例を紹介しましたが、いかがでしたか?
厳冬期の雪山は厳しい条件下、登山者の気も引き締まっています。
けれど、私もそうであるように、春山ってなんだか気が緩んでしまうんです。
氷点下の寒さもない、手足も冷えず凍傷知らず、照りつける日差しとその反射で日中は春の暖かさ。
足元も凍っていなくて歩きやすい。
とっても動きやすいんですね~
だから、
ちょっとあそこまで行ってみよう とか
尻セードで一気に下ってしまおう とか
ちょっとここらで休憩しよっか とか
周囲の状況を確認せず、簡単に考えちゃったりするんですよね~
冬も春も、雪山の危険って 程度の違えさえあれど、共通する部分があって、
春の雪山の場合、意外とそれに気付かれていないような気がします。
長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます

< 完 >
↓↓ ぜひクリックしてね♪残雪の山~♪



なるほど! (^○^)
取り越し苦労でしたね、こまちさんに良いように利用されました。 (^_^.)
言いたい事を全部わきまえていたとは、私の方が恥ずかしい。
白馬の事故では無いけれど、思わぬ危険が有りますよね。
でもそれだけ楽しいのも事実!
良い天気に恵まれて良かった。
でも、天候急変で一気に冬山へと豹変するので怖いですね。
GW後半は、風邪を引いておとなしくしていましたが、そうでなかったとしても、天候の判断が難しく山に出かけるのを躊躇したと思います。
山は晴れが一番です♪
①の事例は遠目に見ても危ないのが分かりますよね。
それでも少しでも良い景色を見ようと、ついつい尾根や稜線の端へと足を向けてしまうんでしょう。
②の事例、個人的にはシリセードやりません。
なぜならパンツを傷めてしまうから(^^;
冬用パンツって夏用より高いからもったいなくて~!
要するに貧乏性ですね^^
③の事例、これはついやってしまっているかも(><)
一息入れたくなると休憩することばかり頭にあって、周囲の状況を冷静に見てないことも多々ありです。
ところでシリセードの男性って、何食わぬ顔でそのまま下山してしまったんでしょうか?
自分勝手な登山者を見ると気分が悪くなって、それまでの楽しかったことも全て台無しにしてくれますよね(怒)
冬の積雪より
春の好天の昼下がりの
腐った雪の方が
怖いときありますね
ブリッジにしても
クラックにしても
結構皆気にせずスイスイ
行かれること多いですけど
誰の時に崩れるかという
ロシアンルーレットの世界のように
感じてしまいます
冬の雪山って、やっぱり寒いし、おちおちゆっくりしてられない、ってところありますよね~
少しの気の緩みが死に直結するようなイメージです。
その点、春の雪山は、本当に快適で、のびのびしちゃうんですよ~
実は、伊那前岳も4日前に行ったという人の記録を見て、立ち寄る計画をしたんですが、
結局その後の降雨でルートも不鮮明になっていたので、やめました。
尻セードは私も同じです。消耗しますもんね、摩擦で。
そうそう買い換えられませんから、長く使いたいものです。
ちなみに、尻セードの男性は、呼びかけを無視してそのまま滑っていきましたが、
監視員の手前まではまだ距離があったし、さすがにそこを通るときには、こっびどく叱られたと思います。最後まで見届けなかったですがね。
けっこう若い人でしたよ。20~30代かな
昼前~午後になると、雪がゆるゆるで、急な下りは怖いです。早いうちに通過したいですね。
確かに、みなさん、平気でスイスイ通ってかれるので、すごいな~と感心することがあります。
「石橋を叩いて渡る」派の慎重な私は、もしかしたら自分の時に崩れるかも…なんて不安になるときがありますよ(^^;)
春山に行く時は気をつけるようにします。
前記事のカメラの件も
ありがとうございましたm(_ _)m
やはりよいカメラをお持ちですね。
カメラの件、詳細をお伝えできなくてすみません。
写真データとかよく分からなくて…。
良いカメラですが、使いこなせていません(^^;)