土曜日に『微博之夜』という大変華やかな中国の俳優さんたちの授賞式をリアタイしたのです。(YouTubeでね!)今年も色々と伝説が生まれたイベントでした…よね?😉✨
で、月曜日にこの映画を見たんですが、めちゃめちゃ胸が痛みましたわ……。落差がエグい。😓
もちろん映画なのでフィクションなんですけど、文化や経済、人々の考え方など都会と地方の差が、まあグサグサと刺さります。
以下、ネタバレありです。
2021年の作品です。主人公のフェイ(演:クー・チェンドン)はゲイ(多分)。地方から都会に出てきて家族のために体を売って仕送りをしています。
ここね……。家が貧しい地方出身の若者は大学にも行けず高収入の職にもつけない。おまけに性的マイノリティでもあるので居場所が限られてしまうんですよ。これ、『スメルズ・ライク・グリーン・スピリット』を見たときにも感じたんだけど、地方での現実はマイノリティに対して本当に冷たい。フェイも親戚のおじさんに「変態」扱いされてめちゃくちゃ怒られちゃうの。狭いコミュニティゆえの息苦しさがびんびん伝わってきます。😣💦現在の日本だってきっとそう変わらないのではないかな……。(『未成年』のアフターストーリーでも思ったわ)
何らかの才能や優秀な頭脳があれば、学歴がなくてももしかしたら貧困から脱却できるのかもしれない。でも、現実は厳しいのよね。【若さ】という唯一の才能を活かして、フェイたちは男娼という商売をして生きていきます。
またこれが、需要あるんだわ。買う人がいなきゃ成り立たない商売だもんね。💧
この映画の中で印象に残った台詞があります。
フェイを慕って故郷を出て来たロンが言う「みんな自分を売ってる」という台詞。どんな立派な職業にしろ誰もが自分の中の何かを抑え、何かを差し出し生きているということ。言いたくもないことを言い、笑いたくもないのに笑って、私たちは日々過ごしています。私も確かに【自分を売ってる】感、あるわ〜。😅
それから、自分のために障害を負った恋人に再会したフェイが「おまえは今、幸せか?」と聞く台詞。同じ台詞が別の場面でも繰り返されるんだけど、これ「幸せだ」って全肯定出来る人ってそんなにいないんじゃないかしら。どうでしょう?そもそも幸せとは??
私は幸せなんだろうか?……思わず自問してしまいます。🤔皆さまはいかがでしょうか。
なかなか激しめのラブシーンもあるし痛みも伴う映画なので、あんまり気軽にはおすすめ出来ないけれと、私は良作だと思いました。
映像も綺麗です。直線を上手く使った撮り方や、田舎と都会、静謐さと生活感の対比など印象に残るシーンがたくさんありました。
でね、ロン役の俳優さん、どこかで見た事があると思ったら……。
なんと『繁城の殺人』で曲三更を演じてたバイ・ユーファンくんだった!!
彼のキスシーンをここで見るとは!それも男同士の!!😳
中国での同性愛の描写って、かなり規制されていると思っていたので、本土の現役俳優さんがこのような役を引き受けていると知って驚きました。
ドラマと映画は別なのかな?それとも台湾の映画だからOKなの??
色んな意味で、なかなか尖っている映画だと思いました。U-NEXT見放題のほかアマプラなどでも見られます。