cr owner
今年の4月にYouTubeにて配信された張哲瀚(チャン・ジャーハン)の初監督作品『八月』。
遅ればせながら見て、涙が止まらなかったです。 😭
『山河令』のヒット後、彼の身に起きたことはこの短編ドキュメンタリー映画の中でも少し語られています。
ご存知の方も多いと思いますが、彼はたった何枚かの写真で生業とする俳優業を取り上げられ、それまで築いてきたキャリアも封印されました。
本人のスキャンダルなどではありません。単に、観光や友人の結婚式で来日し、撮った写真の背景に靖国神社や乃木神社が写っていたというだけです(よね?)。そこに何の意図もなかったはずなのに……。
起きた事柄の上辺をなぞるだけなら、軽率だったね、不運だったね、そういう国だもん仕方ないよね……と思ってしまうけれど、冷静な目で見るととんでもない人権侵害なんですよね。
過ちに対する罰が重すぎます。いや、そもそも過ちなのか?百歩譲って彼のした事が国益?に反する行為であったとしても、それまでのキャリアを帳消しにしたり、これからの活動を無期限でストップさせる程の罪だとは到底思えません。しかも彼自身の公的な反論の場もなく!です。
と、思わず熱く語ってしまいましたが、この映画の中の彼は至って静謐な空気をまとっています。自らの置かれた状況について何ら恨み言も漏らさず、憤怒の感情をあらわにすることもありません。(もう、そういう段階を通り過ぎてしまったのかも)
淡々と市井の人々と交流し、すすんで仕事を手伝い、穏やかな笑顔を見せる。決してポーズじゃないんですよね。そこがもう辛い。
こんな良い人が、なぜ?……と思ったら泣けて仕方なかったです。
他の俳優たちが着々と新しい作品に取り組み活動を続ける中で、彼だけは俳優としての時間は止まったまま。
でも、彼は苦境の中でも出来ること(主に音楽)を見つけ、一歩ずつ前進していく事を選択しているんですよね。こういった姿勢も素晴らしい。(泣)
幸いYouTubeでの映像作品の公開や楽曲の配信、コンサート活動は国からの妨害に合っていません。黙認ということなのでしょうか。IGも無事です。
この短編映画はARFFアムステルダム国際映画祭2024において最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したそうです。(凄い!)おめでとうございます!🎉





ARFFアムステルダ厶2024公式サイト↓
香格里拉(シャングリラ)から拉薩(ラサ)までの自転車の旅。映像は美しく、張哲瀚自身も美しい。特に氷河の映像は貴重です。ぜひ一度、見てみて下さい。
日本からの表立っての応援は、正直しにくいです。(ご本人の心情を思うと……😔)でも、YouTubeの視聴回数を上げる事はささやかながら彼への応援に繋がるのではないかと思います。
『八月』