私はWOWOWオンデマンドで見ました。
いやぁ~すごい力作でした。見終わってしばし放心しましたよ……。
以下、ネタバレ有りで語ります。
1950年代から1990年代までのアメリカを舞台にした、政治スリラーと壮大な男同士のラブストーリー。主演はマット・ボマーとジョナサン・ベイリーです。
赤狩りというのは知っていましたが、同性愛者も同様に国策として摘発、迫害されていたとは、私は知りませんでした。(本当に無知ですまん……。😔💧)
マット・ボマー演じるホークは元軍人で、国務省勤務のエリート。
対するジョナサン・ベイリー演じるティムは敬虔なカトリック教徒。
そんなふたりがふとしたことで出逢い恋に落ち、そこから運命の歯車がぐりんぐりん回っていきます。
野心家で性的に奔放なホークにティムは何度もひどい目に合わされるのですが、その魅力には逆らえず。そして、ホークも純粋でこころが温かいティムを忘れられず……。
いわゆるBLドラマではなく、ゲイを真正面から描いたドラマですので、NCシーンもド直球w。(WOWOWのはR15となってます)全エピであったんじゃないかな?ラブシーン。でも、主演のふたりがギリシャ彫刻のような美しい筋肉を纏っているせいで、いい感じにファンタジックで、私はそんなにエロく感じませんでした。すごい整え方ですよ!役者さんって大変💦尊敬します。
今や性的指向は趣味嗜好ではなく、生まれ持ってのアイデンティティ、個人の尊厳に関わるものという認識だと思います。
でも長い事、誤解されてきたわけですよね。💧差別の対象、笑いの対象にもされてきました。今はかつてのように【保毛尾田保毛男で笑えない世の中】になっています。
こんな風に、かつて正しいとされていたことが、現在では誤りとわかったことって、たくさんあります。
つい最近ならコロナに関してだってそう。パンデミックの初期を思い出してみてください。なんつーことしてたんだ?って思うこと、たくさんありますよね。誤解や無知からくる差別もありましたよ?
でも喉元過ぎれば何とやら……そんなことも忘れられたようです。
人類の歴史は過ちの繰り返しです。
今日の当たり前が十年後の大間違いになるかもしれない。
その時に、人はどうするか?
きちんと過ちを認め、隠すことなく事実を伝え、真摯に反省することが出来るのか。目をそらさずに向き合えるのか。
見えなかったもの、いや見ないようにしていたものを、あえて陽の光の下に出すことが出来るのか。
忘れちゃいけないのは、そこには傷つき泣いた、たくさんの犠牲者がいたこと。私たちと同じように生活をしていた罪のない人たちがいたことですよね……。
自らも当事者であるマット・ボマー(製作総指揮も担当)はこの透明化されたクイアの歴史を、まさにこのドラマによって可視化したかったのだと思います。今なら出来る、今やらなければと、思ったのだろうな……。🤔
前半は政治的な駆け引きや摘発逃れのヒリヒリするようなシーンの連続。後半はホークとティムのクイアとしての生き方の違い、愛の行方を描いていきます。
ホークは確かに酷いんだけど、私はなんとなく彼の選択に納得しちゃうんだよな……。クローゼットゲイとして野心を持って生きるなら、ああするしかないと思うし。若い頃の父親からの否定は、他人に対する愛着を薄くしてどこか刹那的に生きる道を彼に選ばせているような気もする。それと軍隊での一歩間違えれば死んでいたかも…という体験も、少なからず影響しているのではないかな……。
あと、個人的にはサブカプのフランキーが好きでした。誠実でしなやかな強さを持ったキャラです。メインカプが結構しんどいので、早めに行く末の安泰を知らされるサブカプが救いでした。😌
1話約1時間。全8話です。
私は吹き替え版を見ました。声優さんたちさすが!とても見やすかったです。☺️
気軽には見れない作品かもしれないけれど、見始めたら面白いしストーリーに釘付けです。おすすめします。アマプラでも見られますよ!
あ、でも。
たぶん、ひとりの時に見たほうが良いです。😅