あたりまえ経営のきょうか書

「あたり前のことが、あたり前にできる」思考で、経験から「誰でも知っているようだけど、ちょっと違う」という情報をおしゃべり

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-40 【組織で動く】 個の財産を組織の財産に pA927

2021-03-22 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-40 【組織で動く】 個の財産を組織の財産に pA927

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆  1-30 【組織で動く】 個の財産を組織の財産に pA927

 「組織で動く」ということは、理念や定款を最上位の判断基準とし、それに基づいて方針を決定したり、計画を策定したりし、また、規定・内規等を定めたりします。これを「ものさし思考」と呼びます。

 そのものさしをどの様に作るかによって、社員がバラバラにならず、全社一丸となって、組織的な動きをすることができるかどうかに大きく影響します。

 そのひとつが、マニュアルです。

 マニュアルにつきましては、賛否両論がありますが、マニュアルに対する認識の違いもありますし、その活用法に誤りがありますと、批判の対象となります。

 適正なマニュアルと、その活用の基本が「温かい管理」です。

 ここでは、マニュアルとは、「企業の日常活動を通じたノウハウの蓄積を形にしたもの」という考え方で、その基本的な考え方をここでご紹介します。


 経営は、種々の経営資源を有機的に組み合わせることにより、生産性を上げることができます。

 たとえば、人という経営資源は、それぞれが個性を持っていて、強みも弱みも異なります。

 それを適切に組み合わせることにより、相互補完ができ、組織としての力を拡大することができます。

 社員一人一人が持ちます知識や経験というのは、バラバラです。たとえ双子でありましても、一人として、同じものを持っていることはないといえます。

 その一人一人の財産は、個々に見ますとバラバラですが、蓄積しますと、大きな塊となります。これが、「企業・組織の財産」なのです。ただし、単なる塊ですと、宝の持ち腐れで終わってしまいます。

 この大きな財産を蓄積し、会員の皆が使えるように整理しますと、ノウハウ集となり、企業の財産は非常に大きなものとなります。

 それを全員が使えるようにするには、必要なときに、ヒントとなる必要な情報を参照できる状態にすることです。それが、マニュアルでありましたり、内規や規則でありましたり、年度方針や、経営戦略などに繋がってゆくのです。

 「個の財産を個に偏在させないで、全員の財産として共用できるようにする」ことが、組織で動く上で重要なことなのです。

 

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■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-41 【組織で動く】 組織の財産「共用智」の源は「集合知」

2021-03-21 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-41 【組織で動く】 組織の財産「共用智」の源は「集合知」

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆ 1-31 【組織で動く】 組織の財産「共用智」の源は「集合知」

 オリンピックやプロのスポーツの世界で活躍する人の多くが、「基本を大切にしなさい」ということをいいます。

 往年の名選手、王貞治氏は、ホームラン王として知られていますが、彼の宿舎の畳は、ボロボロになっていたという有名な逸話があります。

 毎日、バットの素振りを繰り返した結果というのです。素振りという、基本を大切にしていることが、毎日の生活の中にも滲み出ているのですね。

 経営管理も、コンサルティングも、やはり基本が大切です。

 ここでご紹介しています「組織の財産」におきましても、基本となる用語の共通認識ができていませんと、ここでお話しますことを軽視して、「そんなこと、わかっている。いまさら学ぶべきことではない」と考える方が大半ではないでしょうか。


 すでにご紹介しましたが、組織の財産をだれもが活用できるようにしたノウハウ集を「共用智」といっています。ここでは、共用智に関連しますと、類似語についてご紹介します。

 たとえば、知るという意味の「知」という文字に類似した言葉はいろいろとあります。

 「知」とは、「ある事項について知っていること」と広辞苑で説明されています。


 この字とよく似た漢字に【智】という字があります。 「知る」という字の旧漢字体でもあります。この「智」は、仏教用語としてよく知られていますが、「物事を理解し、是非・善悪を弁別する心の作用」という意味でもあります。

 仏教では、前者のやさしい漢字の「知とは、一般の分別・判断・認識の作用」であり、後者の複雑な漢字の「智とは、高次の宗教的叡知の意味に用いる」と説明されています。


 知識という言葉も、現代仮名遣いでは、当用漢字にあります、やさしい字の「知識」という漢字を用います。

 後者の旧漢字の持ちます「叡智」というニュアンスを重視しますと【智識】という旧字体は、洗練された「知識」のことを指しますので、ここでは、後者の旧漢字体の「智識」と表記します。旧漢字体の「智識」とは、「正しく教え導く作用を起こすもの」のことです。

 智恵は、経験から導きだされた智識のことです。「智慧」とも書きます。

 これらを集合したものが、【集合知】です。集合知は、さきほどご紹介したWikipediaのような知の集合体を指します。
 集合知とは、「多くの個人の協力と競争の中から、その集団自体に知能、精神が存在するかのように見える知性である」と【Wikipedia】では定義づけされています。


 あたかも、仏教や難しい哲学でも学んでいるような感覚をお持ちになった人も多いでしょうし、そこまで、厳密に理解しなければならないのかと反発される方もいらっしゃるでしょう。

 言葉といいますのは、コミュニケーションの基本手段です。その部分を、おろそかにしたくないですね。
 

 

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■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-42 【組織で動く】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか pA930

2021-03-20 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-42 【組織で動く】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか pA930

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆ 1-32 【組織で動く】 個の財産をどのようにして組織の共用財産とするか pA930

 ICTの世界では「集合知」という言葉がしばしば使われます。これは、「多くの個人の協力と競争の中から、その集団自体に知能、精神が存在するかのように見える知性である」と【Wikipedia】では定義づけされています。

 私は、企業や組織が、自社のために構築した集合知を、「共用智」と呼んでいます。一般的な、ICTの世界におけます集合知と、ここでいいます共用智には違いがあります。その違いを含めまして、「共用智」とは何かについてご紹介します。

 すでに、関連用語につきましては、その意味合いをご説明いたしました。しかし、言葉だけでは理解しづらい面がありますので、簡単なチャートで追加説明をしたいと思います。

 知識や情報というのは、目的に応じて最適に組み合わせますと、さらに質が高まります。これを、むつかしい漢字を用いた「智識」と定義しています。すなわち「知識+情報=智識」と表すことができます。

 この「智識」という言葉の意味は「正しく教え導く作用を起こすもの」といえます。

【智識+経験】
 この智識に、経験という味付けがなされると「智恵」になります。
 智恵とは、すでにご紹介しましたように、経験から導きだされる智識のことです。

【智恵+集合】
 その智恵を一カ所に集め、整理しますと「集合智」とか「集智」と呼ばれるものになります。

 ここで、ちょっと視点を変えてみたいと思います。

 皆様は、後期印象派のスーラという画家をご存知と思います。点描画という技法で知られています。

 点だけですと、単なる点にしか過ぎませんが、それらが集まるにつれ、まとまった像が浮かび上がり、やがてまとまりのあります絵へと変身してきます。


【浮かび上がる智恵】
 私たちの智識を集めていきますと、あたかもスーラの絵のごとく、次第に浮かび上がってきて、やがて自分の会社だけの智恵が出現します。

 もともとは単なる知識や情報に過ぎなかったものが、智恵という点の集まりから浮かび上がってきたもの、これが、自分の会社のノウハウであり、特質なのです。それを会社の財産として活用すべきなのです。


 すなわち智恵を集めて、それを整理し、「集智」へと形を変えさせ、その集智に「自社独自の経験智」という味付けをします。

 それにより自社独自の集智に昇華できましたら、関係者全てが使えるように、その活用法を全メンバーに共通理解させます。その結果、「集智」が、「共用智」に生まれ変わることができるのです。


 ここで生まれ変わりました「共用智」を、さらに関係者の皆さんが、日常業務にも活かせる形に加工し、活用しやすくします。

 全関係者の実力は、この活用により一層高められます。高められた実力で、共用智の蓄積をさらに進めますと、一段と高められた「共用智」へと成長させることができるのです。



 このようにして、このサイクルを回転させることにより、単なる「点」として始まった「塵(ちり)」が山となるのです。すなわち、共用智を善循環させることにより、サイクルが発展スパイラルに変化し、企業の成長力は一層高まるのです。

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「共用智」とは、どのようなものであるのか、ご理解をいただけましたでしょうか。
 その共用智を、どの様に構築し、どの様に活用するのか、実務面での日常利用法につきましては、関連ビデオをご覧下さると幸いです。
 

 

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■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-43 【組織で動く】 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる pAa01

2021-03-19 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-43 【組織で動く】 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる pAa01

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆ 1-33 【組織で動く】 基本を励行できれば全社一丸の活動は実現できる pAa01

 

 「組織で動く」ことができる企業作りの基本思想のひとつが、「ものさし思考」です。

 考え方・思考の基準となるものを「ものさし」にたとえ、経営上の判断を行うときに、それが正しいのかどうかに使います。

 ものさし思考の基本的な考え方は、意思決定を行うときに、その事項の上位概念と相違がないかどうか常に意識して判断します。これにより、上位概念から下位概念まで思想が統一されることになり、「共通目標」としてふさわしい形になります。

 共通目標というのは、共通に認識されるものと思われがちですが、金太郎飴のような共通した認識ではなく、個々によるバラツキがあることが多いです。そのバラツキを最小限に抑えられるように、一人一人の認識を統一してゆきます。

 企業では、「知識がある」ということと「実行できている」ということは往々にして一致していません。ましてや「実行できている」と「実効が上がっている」とでは大差があります。

 頭で理解していても、実務に活かされていないことが多いですので、ビジネス管理上では、くどいくらいの繰り返しによる徹底が必要なのです。ですから、あえて「共通目標」の「共通認識」ということを強調しています。

 たとえば、経営計画は、経営理念実現のための方策ですので、経営理念を実現するには、どのような方法があるのか、その方法をどの様に運用したら効果が上がるかを経営戦略といい、それを一定期間の目標とするのが中長期や年度の経営計画となります。

 その年度計画を実現するために、各部門は、どの様な考え方で、どの様に経営計画を実現するのか、いわゆる戦術レベルの考え方を部門の年度計画として決定し、明示します。

 各担当者は、部門の年度計画実現のために、自分の担当タスクの中で、何を、どの様に、いつまでに、どのレベルまで持ってゆくのか、いわゆる「戦技」のレベルの年間方針を明確にします。

 経営理念から、経営計画、部門計画、個別計画とドリルダウンしていますので、全ての計画のベクトルが、同じ方向に向いているのです。

 共通認識された目標が確立されますと、その目標の各階層における実行策を実施することにより、全階層において、ベクトルが統一された方向に向かって、一丸となった行動となります。これを「共通行動」と呼びます。

 経営トップは、つねに経営理念実現という命題の中で、企業業績の推移を見たり、グローバル市場の中における自社の現状ポジションを見たりして行きます。

 役員レベルは、経営理念実現のための経営計画を常に念頭におき、その進捗管理を通して、時には、トップに提言し、時には管理職を通じて、関連部門に指示や命令を出します。

 管理職は、経営計画実現のために、経営理念を意識した日常の部下管理を行います。社員それぞれは、自分の成すべきタスクを、個別年度計画書をものさしとして、進捗管理をしながら、報連相を通じて、全社の経営計画実現に邁進します。

 すなわち、全社員の行動も、トップから社員までが同じ目標に向かって、全社一丸の行動をするのです。

 このような、当たり前と思えることですが、これが実施できている企業がどのくらいあるのでしょうか。私は、経営コンサルタントとして、この考え方をベースにコンサルティングをしてきました。「知っていても、業績や企業成長を通して社会貢献するという結果に結び付けられないのでは、企業活動をしているとはいえない」のです。


 「共通目標」は英語で「Common Aims」、「共通認識」は「Common Acknowledgement」、「共通行動」は「Common Action」と表記します。この頭文字は、3つとも「CA」ですので、この省略語の複数形から「3CA's」と表記します。(英文法では、省略語の複数形には、アポストロフィを付けます)

 

 

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■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-44 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 組織の財産の蓄積 pAa02

2021-03-18 07:31:00 | 【経営者】 組織で動く

■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-44 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 組織の財産の蓄積 pAa02

 

■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ

 

 リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。

 

 激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。

 

 1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。

 

◆ 1-34 【組織で動く】 「蓄積は力なり」 組織の財産の蓄積 pAa02

 

 別項にて、「個の財産を、個に偏在させず、組織の財産とする」ということをご紹介しました。

 社員一人一人が持っています、個人の経験や知識や情報は、一つ一つは、それほど大きくなくても、それが集合され、整理されますとノウハウ集としての、大きな情報データベースとなります。

 新入社員の時には、西も東も解らない人が多いのですが、それぞれ個人の財産というのは、社員研修や、社員一人一人の日常業務をもとに培われてゆきます。それは、一人一人異なるもので、それを集合しますと大きな財産になるということは、すでにお話しましたし、どなたもご存知のことです。

 ところが、必要性を頭でわかっていても、それを実践できている企業は意外と少ないのです。それゆえ、日常業務が、漫然とすすめられ、そのまま一日が終わり、一月、一年と過ぎていってしまうのです。

 まずは、日常業務として、何が行われ、その結果、なにが問題だったのか、他の社員にも応用できるようなよいところはなかったのか、等々を、日常の報連相の中で、双方向コミュニケーションとして行われなければなりません。

 形式的な、報告業務だけに終わらず、報告者と、それを受ける管理職が、双方向コミュニケーションを行い、重要ポイントを確認し、それらが標準化された形式で記録として残され、蓄積されてゆかなければなりません。

 これを全社員が参照し、各自が自分のビジネス活動に利用できるようにしたものを「共用智」といいます。

 これがキチンとできることが経営管理です。

 ここで蓄積された組織の財産を、経営管理に活かし、次の経営戦略立案に活かすことにより、その企業としての財産が、商品・サービスとして、価値創造をし、組織の財産が再生産され続けて企業が成長します。

 蓄積された財産であります経営資源を活用しながら、社員は日常業務を繰り返してゆきますので、企業は、経営の成長スパイラルに乗ってゆくのです。

 漫然と、日常業務が進められている企業では、それが日常のサイクルとして繰り返されるだけで、成長スパイラルになっていないのです。

 あまりにも当たり前なことですので、その重要性が軽視され、漫然とした日常サイクルが、マイナスのスパイラルに陥っていることすら、気がつかないでいるのです。

 日常活動に中に、その企業のノウハウや強味が潜んでいますが、それが記録として蓄積されず、その蓄積が、明日の企業経営に活かされていませんと、このマイナスのスパイラルに陥るのです。

 ノウハウを蓄積することが、ノウハウをさらに成長させるという意識が、企業をプラスのスパイラルにするか、その逆かが決まります。

 「継続は力なり」といいますが、漫然とした日常サイクルの繰り返しでは、他社と同じことをしているに過ぎず、他社との差異化(差別化)が図られません。すなわち、そこで成長がストップしてしまっているのです。

 優良企業が成長してゆきますと、成長がストップしている会社は、相対的に地位が低下、すなわちマイナス成長のスパイラルに陥っているということなのです。現状維持というのは、相対地位が低下していることであって、横ばいをしているわけではないのです。

 このような、あたり前のことは、読者はご存知でしょうが、それが実行できているかどうかが問題で、その企業の実力として表れてくるのです。

 あたり前のことを、頭で理解しているだけでは、企業存続は危ういのです。あたり前のことを、あたり前にでき、そのあたり前を成長させていくことが、今、企業経営に求められていることです。
 

 

 

 

 

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