あたりまえ経営のきょうか書

「あたり前のことが、あたり前にできる」思考で、経験から「誰でも知っているようだけど、ちょっと違う」という情報をおしゃべり

■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-06 現場百遍、ウラを取れ やり方を間違えていませんか?

2021-03-03 10:25:29 | 【ビジネスパーソン】

■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-06 現場百遍、ウラを取れ やり方を間違えていませんか?


 20世紀後半から、ICTの技術革新が急速に変化するようになり、それに伴いニーズの高度化や多様化がますます大きくなり、経営環境は、「日進月歩」から「分進秒歩」の変化へ、さらには”光速化”へと、大きく変化してきています。

 時代の変化は大きく、速く、グローバルに展開されています。学歴や職歴など、過去の知識や情報がそのまま活かせる機会は、年々減少してきています。

 一方で、成長過程やビジネスを通じての経験は、それを礎として、現在でも、将来にも活かせるでしょう。しかし、使い方次第では、陳腐化してしまい、かえって新しい時代の足かせにもなりかねません。

 とりわけ「思考法」は、時代に即したスキルを身に付けていきませんと、「過去の延長線上での判断」に繋がってしまい、時代に即した意思決定ができなくなりかねません。

 このような経営環境の急速な変化の時代ですので、ビジネスパーソンも、過去の延長線上での発想では、生き続け、成長していくことは困難でしょう。

 新しい時代の生き方について、原点に戻って、考えてみませんか?

 

■ 3 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思います。

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

 「あたりまえ経営のきょうか書」シリーズの第三章として、経営コンサルタントという仕事を通して、感じてきたことを、ビジネスパーソンに共通する面を中心にお話しています。

 そのヒントの一助になるように、40年余の経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 

■3-06 現場百遍、ウラを取れ やり方を間違えていませんか?

 

 ある人から、「社内に嘘つきがいる」ので、どの様に対処したら良いのかという相談を受けました。

 私は、平素から「人間は失敗をしないと成長しません。失敗しながら成長しよう」ということを言っています。その対応法として「答を言わずに、考えさせ、失敗させ、そこから学ばせる」という支援法を採ってきました。

 

 その相談者は、自分は、嘘が嫌いで、全うに生きていくことを信条として、これまで生きてきたと自認するほど、間違えたことが許せない人です。

 ここでも答を言わずに、まず、下記のようにあおり運転の話から「ゆがんだ正義感」もあるということをお伝えしました。

 あおり運転をする人というのは、ある種の正義感を持って行っていることが多いようです。
 「なぜ、あのような下手な運転をするのか」、「そんなこともわからないのか・・・」
 そのような思いから「それをわからせてやろう」という気持ちとなり、基本がわからない運転者に、それをわからせるためにあおり運転をするのだという人が多いそうです。


 その上で、次のようなことをお話しました。

 私は、ウソにもいろいろあると思います。
 今回のケースの場合に限定しますと、下記のような三種に分類わけして考えてみたいと思います。

 ①真のウソなのか、②悪意なくして言っているのか、③ウソを聞いた側の誤解に基づいてウソのように聞こえるなか、いろいろなケースがあると思います。

 ①は、多くの場合に③であることが多いと思います。
 見る角度によっては、ウソではなく、それなりの合理性を持っていて、これは③に分類されるべきものです。

 ②は、本人に悪意がないだけに、本人が改める機会が少なく、信頼できる人が、気づきを与えるなどが必要になると思います。

 多くの場合は、③のケースが多いように思えます。
 嘘をつかれたと思っている人が、その大半のケースにおいて、思い込みの物差しで測って、その結果、誤解や誤認をし、その上で、「それはウソである」と判定していることが多いように思えます。

 私は、自分の会社のことを、時々「私を育ててくれたこの会社」という表現を使います。
 私自身が、この会社に所属したために、多くのことを経験できたり、学んだりすることができました。
 その感謝の気持ちを、このように表現しています。

 この言葉を部下や、私の講演などを聴講するビジネスパーソンの皆さんに伝えるのは、多くの人が私と同様に「この会社に出会えて良かった」と思って、その会社への愛社精神や先輩・同僚やその他の関係者に感謝の念をもてるようであって欲しいという思いがあるからです。

 ところが、「私を育ててくれたこの会社」を短縮して「私の会社」と聞き違える人が意外と多いということに気がつきました。
「私の会社」というのでは、たとえその会社の創業者であっても、その会社を私物化しているかのように解釈されてしまいます。

 聞き手の傾聴力に問題があるといえますが、むしろ、このような誤解はつきもので、それが伝聞となりますと、さらに違った形に変形したり、歪曲されたりして広がって行くのだと考えるべきです。
 そして、できる限り誤解されないように表現する努力をするようにしています。

 それでも上述のように誤解され、「悪事千里を走る」状態は続いてしまうのです。

 お互いの信頼関係ができていれば、「あの人が、会社を私物化するなんてあり得ない」と相手を評価してくれるでしょう。
 ところが、信頼関係が不十分ですと、その様な修正作用が働かず、「私物化している」と誤解されてしまいかねません。


 一方で、聞く側としては、漫然と聞くのではなく、傾聴をすることがポイントです。

 私は、「ウラを取れ」「現場百遍」と刑事ドラマに出て来るようなことをしばしば口にしますし、自分でも、その様に努力をしています。

 ところが、意外と、自分の仮説や考え、以前に入手した知識や情報の正当性に固執し、自分が入手して情報・データに対する自分の解釈を正当化し、それを裏付ける情報ばかりを集めがちなのです。いわゆる「正当化バイアス」が働いてしまい、それでウラを取ったつもりになってしまいがちです。

 「伝聞、私見、事実」を切り分けなさいという話をしばしば聞くと思います。管理職が、部下から報告を受けるときに気をつける事項でもあります。

 上述のウラを取るときに、複数の伝聞に耳を傾けたので、ウラを取ったつもりになってしまっていることが大半です。

 正しくない情報、不正確な情報をいくら集めても、それは「事実の裏付け」とはいえません。

 信頼できる情報源からの報告なのか、そうだとしますと、その情報源はどこかを明確にすることが必要です。単なる「伝聞」であっても、情報源が明確なのかどうかによって、情報・データの信憑性に差異が出てきます。

 「私見」なのか、伝聞なのか、事実なのかが不明瞭な報告もあります。自分の考えを入手した情報であるかのように語る部下もいます。一方で、自分の考えを持つことも必要ですので、「私見」は、「これは私の考えですが・・・」というような前置きをすることを習慣づけることが大切です。


 入手した情報・データの信頼性の問題ですが、たとえば「信頼できるあの先生が言っているのだから間違いない」という理由から、それが「事実」だと誤認してしまうようなことが多いと思いませんか。

 その先生がいうことに正当性があったとします。しかし、それを聞いた人が上述のように誤認・誤解してしまい、先生が言った内容が変形したり、意図的に歪曲されてしまったりすることもあるでしょう。

 情報やデータは、二次や三次情報・データは参考にはなっても最終的な、とりわけ重大な判断材料にしてはいけないと考えています。

 一次情報・データですら真実ではないことが多いですが、やはり、ウラを取るときには一次情報・データを中心に収集し、それらを総合的にみて、最終的には、それを鵜呑みにするのではなく、自分で判断すべきと考えます。

 その時に、自分の都合の良いように解釈してはならないのです。


 えらそうなことを長々と書いてきましたが、これは自戒のつもりでいます。おはずかしいことに、この年になっても、まだ、誤解されるようなことを、自分では気づかずに、多々行っているだろうと反省しています。

 世の中、生きていくのは大変ですね。<笑い>

 

 

コーヒー

■【あたりまえ経営のきょうか書】

  https://blog.goo.ne.jp/konsarutanto

 

 第一章 経営トップは、このようにして変身せよ
 第二章 プロの管理職の発想と行動
 第三章 ビジネスパーソンのあるべき発想とスキル
 第四章 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 戦略・経営計画
 第五章 プロが実践する問題発見と課題解決力
 第六章 プロに不可欠な論理思考
 第七章 進捗管理で企業力強化 管理会計の実践
 第八章 四字熟語に学ぶ経営
 第九章 経営雑学を経営管理の潤滑油に活かす

なお、並行配信しています「徒然なるままに日暮パソコンにむかひて」シリーズも大変好評ですので、そちらも併せて、是非ご愛読をお願いします。

   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/eb88c477696adc4e2e78376c81b7274b

 

【 注 】

 「あたりまえ経営のきょうか書」は、上記のようなシリーズになっています。

 第一章から順に掲載するのではなく、感じたとき、思い立ったときにランダムに記述し、お届けして参ります。

 途中欠番もありますが、各章の中の「節」の切れ目の関係で連番が府連即となっていることがありますので、ご承知おき下さるようお願いします。

 


■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-05 座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎>

2021-01-25 07:31:00 | 【ビジネスパーソン】

■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-05 座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎>


 20世紀後半から、ICTの技術革新が急速に変化するようになり、それに伴いニーズの高度化や多様化がますます大きくなり、経営環境は、「日進月歩」から「分進秒歩」の変化へ、さらには”光速化”へと、大きく変化してきています。

 時代の変化は大きく、速く、グローバルに展開されています。学歴や職歴など、過去の知識や情報がそのまま活かせる機会は、年々減少してきています。

 一方で、成長過程やビジネスを通じての経験は、それを礎として、現在でも、将来にも活かせるでしょう。しかし、使い方次第では、陳腐化してしまい、かえって新しい時代の足かせにもなりかねません。

 とりわけ「思考法」は、時代に即したスキルを身に付けていきませんと、「過去の延長線上での判断」に繋がってしまい、時代に即した意思決定ができなくなりかねません。

 このような経営環境の急速な変化の時代ですので、ビジネスパーソンも、過去の延長線上での発想では、生き続け、成長していくことは困難でしょう。

 新しい時代の生き方について、原点に戻って、考えてみませんか?

 

■ 3 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思います。

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

 「あたりまえ経営のきょうか書」シリーズの第三章として、経営コンサルタントという仕事を通して、感じてきたことを、ビジネスパーソンに共通する面を中心にお話しています。

 そのヒントの一助になるように、40年余の経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 

■3-5 座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎>


 ほとんどの人が、何らかの座右の銘をお持ちと思います。

 私も、吉田松陰の「至誠」、上杉鷹山の「なせば成る」を始め、いくつかの座右の銘ともいえるような名言を、自分の生きていく指針としてきています。

 その中のひとつに、詩人・高村光太郎の「道程」があります。ここでは、「道程」について、ご紹介します。


  僕の前に道はない
  僕の後ろに道は出来る
  ああ、自然よ
  父よ
  僕を一人立ちにさせた廣大な父よ
  僕から目を離さないで守る事をせよ
  常に父の氣魄を僕に充たせよ
  この遠い道程のため
  この遠い道程のため


 「道程」とは、あるところにたどり着くまでの道のりや距離、行程をさしますが、光太郎は、「あるところ」という言葉を、「ある境地」、「目標」においていると考えています。すなわち、道程とは、自分の目標に近づく状態になるまでの期間・時間およびその過程を大切にする「完成までのみちのり」と解釈し、私の座右の銘として、日々を大切に生きるように努力しています。

 「廣大」は、広く大きいこと、「氣魄」は、激しい気力・精神力を意味しますので、強いこころを持ち、目標に向かって行くように鼓舞されていると思います。

 光太郎は、広大な自然を父と仰ぎ、その力に強い畏敬の念を持ち、それを自分自身の成長の鞭として、叱咤激励を自分自身に課し、一層高い所に進んでいこうという気魄を感じます。

 

コーヒー

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 第一章 経営トップは、このようにして変身せよ
 第二章 プロの管理職の発想と行動
 第三章 ビジネスパーソンのあるべき発想とスキル
 第四章 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 戦略・経営計画
 第五章 プロが実践する問題発見と課題解決力
 第六章 プロに不可欠な論理思考
 第七章 進捗管理で企業力強化 管理会計の実践
 第八章 四字熟語に学ぶ経営
 第九章 経営雑学を経営管理の潤滑油に活かす

なお、並行配信しています「徒然なるままに日暮パソコンにむかひて」シリーズも大変好評ですので、そちらも併せて、是非ご愛読をお願いします。

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【 注 】

 「あたりまえ経営のきょうか書」は、上記のようなシリーズになっています。

 第一章から順に掲載するのではなく、感じたとき、思い立ったときにランダムに記述し、お届けして参ります。

 途中欠番もありますが、各章の中の「節」の切れ目の関係で連番が府連即となっていることがありますので、ご承知おき下さるようお願いします。


■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-04 悔いても反省しなければ成長しない

2021-01-23 07:31:00 | 【ビジネスパーソン】

■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-04 悔いても反省しなければ成長しない


 20世紀後半から、ICTの技術革新が急速に変化するようになり、それに伴いニーズの高度化や多様化がますます大きくなり、経営環境は、「日進月歩」から「分進秒歩」の変化へ、さらには”光速化”へと、大きく変化してきています。

 時代の変化は大きく、速く、グローバルに展開されています。学歴や職歴など、過去の知識や情報がそのまま活かせる機会は、年々減少してきています。

 一方で、成長過程やビジネスを通じての経験は、それを礎として、現在でも、将来にも活かせるでしょう。しかし、使い方次第では、陳腐化してしまい、かえって新しい時代の足かせにもなりかねません。

 とりわけ「思考法」は、時代に即したスキルを身に付けていきませんと、「過去の延長線上での判断」に繋がってしまい、時代に即した意思決定ができなくなりかねません。

 このような経営環境の急速な変化の時代ですので、ビジネスパーソンも、過去の延長線上での発想では、生き続け、成長していくことは困難でしょう。

 新しい時代の生き方について、原点に戻って、考えてみませんか?

 

■ 3 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思います。

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

 「あたりまえ経営のきょうか書」シリーズの第三章として、経営コンサルタントという仕事を通して、感じてきたことを、ビジネスパーソンに共通する面を中心にお話しています。

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■3-4 悔いても反省しなければ成長しない

 世の中には、悔いることをしても、効果的な反省のできない人がいるようです。

 私の知り合いで、穏やかな人がいます。その方は、お金持ちの家に生まれ、何不自由なく育ちました。身の回りは、お手伝いさんが全てやって下さり、両親からは限りない愛情を注がれ、兄弟姉妹とも仲良く暮らしてきました。

 その人は、性格も良く、優等生タイプで、両親や学校の先生から叱られることもなく育ちました。

 学校を卒業しますと、一流会社に就職ができ、そこでも上司や先輩からもかわいがられ、本人も、お金持ちの家に、何不自由なしに育ったにもかかわらず、わがままなこともなく、他人思いの優しい性格の持ち主でした。

 勤務中に大きな失敗をすることもなく、順調に来たのですが、父上の健康上の問題などから、そちらの会社に移ることになりました。そちらの会社でも、社員のことを大切にする経営者として、若いにも関わりませず、人望もあり、会社経営も順調にすすみました。

 三〇代前半で、社長になり、私に顧問となる要請が来ました。もちろん、素晴らしい人柄ですし、会社の雰囲気も良く、順調に、安定的に、また、大きな成長をしているわけではありませんが、自社のペースで経営が、進められていました。

 あるときに、社員の一人が、重要な顧客と、ちょっとしたコミュニケーションの行き違いで、トラブルに発展してしまいました。それを、上司に報告もせず、自分一人で解決しようとして、訴訟問題にまで発展しかけたときに、管理職を通して、社長の耳に届きました。

 私のところに、社長から、相談があり、ある解決案を提示して、弁護士と相談して進めるようにアドバイスをしました。

 その後、私が海外出張に出かけたのですが、とりわけ、何の連絡もありませんでした。何の連絡もありませんので、逆に気になり、私の方から社長さんにコンタクトをしましたところ、訴訟問題にはならず、社長さんが中心となって、顧客との折衝を図っているとのことでした。

 しかし、帰国後、よくよく聞いてみますと、社長さんは、相手企業との関係を楽観視していました。その上、その顧客とのいざこざが、ネットで拡散し、他の顧客とのビジネスにも影響が出てきていました。

 社長さんに、問題が深刻化している原因をキチンと説明し、このような時には、どう対処すべきかをお話し、再発しないようにしました。

 重大視した私は、現状を鑑みた複数の対応策を提示し、具体的な手順書まで作成して、社長さんに早急なる対応をお願いしました。ところが、社長さんは、相手の社長さんとは人間関係ができているという勝手な思い込みから、私がお願いした事項を中途半端な形でしか実施していませんでした。

 その結果、逆に、問題が再燃してしまい、その解決に弁護士の支援を受けながら、私が前面に立って解決することになりました。問題そのものは、解決しましたが、その会社の評判は落ち、業績の低迷が、その後しばらく続きました。


 人間的にも、とても素晴らしい人なのですが、これまでに失敗ということをしたことがない人で、問題についても深刻さに欠如しているだけではなく、クレーム対応技術も稚拙でした。

 私からの注意やアドバイスに対しても「反省」ということをせず、なだ、悩むだけの人だったのです。自分は、ひどく落ち込んでいたにも関わりませず、人に、嫌な思いをさせたくないという思いから、それを表に出さないでいましたので、周囲の人も、ことの深刻さに気がつかなかったのです。

 失敗というのは、キチンとした反省の上に、対処策を講じ、それを糧とします。多くの失敗を繰り返しながら、智恵をつけてゆきます。その社長さんは、これまでの人生で、大きな失敗をしてきませんでしたので、失敗をしたときの反省のしかたが充分に身についていなかったのです。

 そのために、ただ、落ち込むだけ、しかも、「自分の力が及ばないから、この様な事態を引き起こした」と自責の念に駆られるだけで、真の意味の反省に繋がっていないのです。

 ある人の名言に「考える人は前に進むが、悩む人は懺悔に立ち止まるか、後ろに下がることしかしない」というのを、何かの本か講演で知ったことを思い出しました。

 育ちの良いこと、優等生であること、これらは一見しますと良いことのように見えますが、必ずしも良いだけではなく、そうでない面もあるということを知らなければなりませんね。

コーヒー

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 第一章 経営トップは、このようにして変身せよ
 第二章 プロの管理職の発想と行動
 第三章 ビジネスパーソンのあるべき発想とスキル
 第四章 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 戦略・経営計画
 第五章 プロが実践する問題発見と課題解決力
 第六章 プロに不可欠な論理思考
 第七章 進捗管理で企業力強化 管理会計の実践
 第八章 四字熟語に学ぶ経営
 第九章 経営雑学を経営管理の潤滑油に活かす

なお、並行配信しています「徒然なるままに日暮パソコンにむかひて」シリーズも大変好評ですので、そちらも併せて、是非ご愛読をお願いします。

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【 注 】

 「あたりまえ経営のきょうか書」は、上記のようなシリーズになっています。

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■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-03 思考法で一段上のビジネスパーソンに

2021-01-22 10:42:05 | 【ビジネスパーソン】

■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-03 思考法で一段上のビジネスパーソンに


 20世紀後半から、ICTの技術革新が急速に変化するようになり、それに伴いニーズの高度化や多様化がますます大きくなり、経営環境は、「日進月歩」から「分進秒歩」の変化へ、さらには”光速化”へと、大きく変化してきています。

 時代の変化は大きく、速く、グローバルに展開されています。学歴や職歴など、過去の知識や情報がそのまま活かせる機会は、年々減少してきています。

 一方で、成長過程やビジネスを通じての経験は、それを礎として、現在でも、将来にも活かせるでしょう。しかし、使い方次第では、陳腐化してしまい、かえって新しい時代の足かせにもなりかねません。

 とりわけ「思考法」は、時代に即したスキルを身に付けていきませんと、「過去の延長線上での判断」に繋がってしまい、時代に即した意思決定ができなくなりかねません。

 このような経営環境の急速な変化の時代ですので、ビジネスパーソンも、過去の延長線上での発想では、生き続け、成長していくことは困難でしょう。

 新しい時代の生き方について、原点に戻って、考えてみませんか?

 

■ 3 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思います。

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

 「あたりまえ経営のきょうか書」シリーズの第三章として、経営コンサルタントという仕事を通して、感じてきたことを、ビジネスパーソンに共通する面を中心にお話しています。

 そのヒントの一助になるように、40年余の経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 

■3-03 思考法で一段上のビジネスパーソンに

 ビジネスパーソンが、業績を上げられるかどうかの要因の一つに「思考法」があります。思考法の違いで、業績結果が大きく異なることが多いのです。

 ところが、この思考法を身に付けようとしてもなかなか難しいことです。

 思考法を身に付けて、実務に活かせるようになるためには、ポイントを押さえ、実務に使いながら、そのレベルを上げていく、地道な積み重ねが必要です。

 思考法のポイントをご紹介しますので、それを繰り返し実行してみて下さい。そのためには、このポイントを繰り返し読むだけではなく、実務に使ってみるという方法が、遠回りのように見えて近道です。

 それを実行できるかどうかが、あなたの思考法を変えられるかどうかの分岐点です。

コーヒー

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 第一章 経営トップは、このようにして変身せよ
 第二章 プロの管理職の発想と行動
 第三章 ビジネスパーソンのあるべき発想とスキル
 第四章 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 戦略・経営計画
 第五章 プロが実践する問題発見と課題解決力
 第六章 プロに不可欠な論理思考
 第七章 進捗管理で企業力強化 管理会計の実践
 第八章 四字熟語に学ぶ経営
 第九章 経営雑学を経営管理の潤滑油に活かす

なお、並行配信しています「徒然なるままに日暮パソコンにむかひて」シリーズも大変好評ですので、そちらも併せて、是非ご愛読をお願いします。

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【 注 】

 「あたりまえ経営のきょうか書」は、上記のようなシリーズになっています。

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■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-02 ハーバードビジネススクールで唱える学ぶ上で最も重要なこと

2021-01-21 07:31:00 | 【ビジネスパーソン】

■【あたりまえ経営のきょうか書】 ビジネスパーソン成功術 3-02 ハーバードビジネススクールで唱える学ぶ上で最も重要なこと


 20世紀後半から、ICTの技術革新が急速に変化するようになり、それに伴いニーズの高度化や多様化がますます大きくなり、経営環境は、「日進月歩」から「分進秒歩」の変化へ、さらには”光速化”へと、大きく変化してきています。

 時代の変化は大きく、速く、グローバルに展開されています。学歴や職歴など、過去の知識や情報がそのまま活かせる機会は、年々減少してきています。

 一方で、成長過程やビジネスを通じての経験は、それを礎として、現在でも、将来にも活かせるでしょう。しかし、使い方次第では、陳腐化してしまい、かえって新しい時代の足かせにもなりかねません。

 とりわけ「思考法」は、時代に即したスキルを身に付けていきませんと、「過去の延長線上での判断」に繋がってしまい、時代に即した意思決定ができなくなりかねません。

 このような経営環境の急速な変化の時代ですので、ビジネスパーソンも、過去の延長線上での発想では、生き続け、成長していくことは困難でしょう。

 新しい時代の生き方について、原点に戻って、考えてみませんか?

 

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 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思います。

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

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■3-2 ハーバードビジネススクールで唱える学ぶ上で最も重要なこと 0512

 

 ハーバードビジネススクールが、学生達に求めることとして、MBA教育の目的として以下のように記述されています。(日経新聞「私の履歴書」2002.11.90

   ハーバードビジネススクールで学ぶ最も重要なことは
   状況がはっきりしていないまま、
   限られた情報と限られた時間の中で、
   いかにに事態を分析し、
   判断を下すことである。

 現代の世界は、何が起こるのか、確実性を求めますと、「情報が不十分なので、結論を出すことは不可能です」というような答が返ってくることが多いです。

 われわれ経営コンサルタントは、それまでほとんど知らない企業に赴いて、その企業の問題点を明確にして、解決に取り組んだり、将来を見据えて、その企業の更なる発展を望める提案をしたりと、限られた情報による不確実な中で、判断をし、仕事をせざるを得ません。

 それでは、どの様に、私達、真のプロフェッショナルな経営コンサルタントは仕事に取り組むのでしょうか。

 「不確実で、不十分な情報の中で、今判断をするとしたら、この様な判断の下で、このように提案をします」という姿勢で取り組みます。

 このやり方には、異論が出ると考えますが、上記のハーバードビジネススクールの学生に求められる基本理念からもわかりますように、上述の姿勢がベターな策と考えています。

 一方で、不確実で不十分な情報の環境下で、最善の判断ができるかどうかが、プロなのか、セミプロなのかの分かれ目であり、“真”のプロフェッショナルとしての判断を下せることが求められているのです。

 

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 第一章 経営トップは、このようにして変身せよ
 第二章 プロの管理職の発想と行動
 第三章 ビジネスパーソンのあるべき発想とスキル
 第四章 戦略思考で経営者・管理職のレベルアップを図る 戦略・経営計画
 第五章 プロが実践する問題発見と課題解決力
 第六章 プロに不可欠な論理思考
 第七章 進捗管理で企業力強化 管理会計の実践
 第八章 四字熟語に学ぶ経営
 第九章 経営雑学を経営管理の潤滑油に活かす

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【 注 】

 「あたりまえ経営のきょうか書」は、上記のようなシリーズになっています。

 第一章から順に掲載するのではなく、感じたとき、思い立ったときにランダムに記述し、お届けして参ります。

 途中欠番もありますが、各章の中の「節」の切れ目の関係で連番が府連即となっていることがありますので、ご承知おき下さるようお願いします。