■【あたりまえ経営のきょうか書】 1-31 【心 de 経営】 人間性重視の経営管理 Ab15A912
■■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ
リーマンショックやコロナショックにより、多くの経営者・管理職・ビジネスパーソンが自信をなくしてしまっています。一方で、過去の成功体験から、時代の変化に気づかずに、従来の延長線上で事業を続けている人達もいます。
激動の時代に、不況感に苛まされるのではなく、「不況」が「普況」、すなわち不況期でも健全経営ができる企業体力を持つことが、今日、求められる発想法です。すなわち、「不況が、普況で、普況を富況にする」のが、経営者の役割であり、それを支えるのが管理職や、その下で働く人達の成すべきことだと考えます。
1970年代から経営コンサルタントという職業を通して、感じ、学び、コンサルティングしてきましたので、それをご紹介します。読者の皆様に、それを感じ取っていただけますと幸いです。
◆ 1-21 【心 de 経営】 人間性重視の経営管理 Ab15
私は、自分自身が経営者という立場でも、経営コンサルタントという仕事を通しても、その根幹には【心 de 経営】でありますことは、当シリーズでもすでにお届けしています通りです。
企業におきまして、社員一人ひとりは人間です。
その人間性を無視することはできません。個性を尊重しながら、自己管理を重視した「温かい管理」で経営管理は行われなければならないと考えています。
管理会計を導入したり、コンサルタントに依頼をしたりしようとしますと、多くの企業で、「締め付けの管理」がなされるのではないかと、社員の間から懸念の声が上がります。
【心 de 経営】は、自社が持つ経営資源の一環としての「共有財産」を利用して、社員一人一人が自分の仕事をしやすくしたり、経営管理データを見ることにより、気づきを覚えたりすることに繋がります。
【心 de 経営】は、指示命令や教育により学ぶことではなく、一人一人が人間性の大切さに気づきをもって感じ、経営管理や日常が、人間性重視で行われることを期待した考え方、思想なのです。
【心 de 経営】の精神は、「人間性重視」に通じます。否、人間性重視に根源がおかれているのです。
一人の人間には限界があります。すなわち日常の経営管理業務は、他の人の協力なしにはスムーズに進みませんし、効率も上がりません。
協力して下さる方の人間性を無視したやり方では、その方達も嫌になり、長続きもしないでしょうし、効率・効果も上がりません。
感謝の気持ちがありますと、双方の理解や信頼関係も深まり、業務がスムーズに進むようになります。
戦国武将最強といわれた武田信玄の名言に「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」というのがあり、人材の重要性を的確に示しているといえます。
城づくりの名士の一人といわれる信玄に、このように言わせるところに敬服させられます。
いかに城を強固にしても、人心が離れてしまえば、一揆が起こったりして、国を治めることは困難であるということでしょう。
信玄といえば、父親を追放して家督を継いだり、実子に謀反の疑いを掛けて切腹させたりと、非情の人という印象が強いだけに、この言葉のインパクトは大きいといえます。
武士や領民を治めるには、「情けは、人のためならず」といえるのでしょう。
一方で、漱石の「草枕」の冒頭に「知に働けば角が立つ。情に棹させば流される」とありますように「情」のさじ加減は難しいです。
ロジカル・シンキングなど論理思考が「知」であれば、管理会計の「温かい管理」は「情」に通じます。
「経営はバランスである」という名言がありますとおり、人間性重視といいましても「知と情の使い方とバランス」を測らなければ性向は困難でしょう。
■【あたりまえ経営のきょうか書】
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