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spin-off 80’s

FM雑誌と僕らの80年代--『FMステーション』青春記

著者はFMステーション編集長、恩蔵 茂さん。通称オンちゃんである。この青春記を読むと、オンちゃんと共に自分がステーションを創り、愛し、そして燃え尽きてしまったような錯覚に。40代前後の読者、それもFM雑誌を愛読した読者にしか響かない、ニッチなニッチな書籍だが、自分のようなステーションマニアには懐かしいだけでなく、子供の頃に理解出来なかった大人の事情を紐解いて教えてくれている著者に親近感を持ちました。

当時の様々なオーディオ機器が紹介されていたのだが、兎に角高い。今が完全なデフレだと認識出来るぐらい半端ない価格設定。だからこそ大切にし、愛着を持って接していたのだろうが、今の低価格路線とどちらが良いのかは難しい。擦り切れるほど聴いたレコードを大切に大切に棚に仕舞う作業と、音源をダウンロードする作業。アナログ親父は高価設定の餌食になり、若者は低価格設定でしか耳を傾けない。

途中でローカルFM局のDJとオンちゃんの面白いやりとりが出てくるのだが、その局は我が地元の局!DJも地元では洋楽通で名を馳せた方。そんな方とオンちゃんが仕事をしていたなんて嬉しいエピソードでした。また、アーティストと雑誌の確執的なやりとりは興味深く、イニシャル表記になっていたが、全部分からなかったのが残念でした。

1800円と躊躇してしまう価格帯だが、当時の愛読者には是非、読んでほしいお薦めの本です。

それにしても企画や、人選、人事等が、「ボス」という名の方の意向で決定する昭和な体質、まんま現自分の奉公先に似ている事に苦笑いでした。

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