新年度はいかがお過ごしでしょうか。
我が家は親子参列は最後かと思われる『入学式』に出向いてまいりました
次男の大学では入学式後に大学で各学科の保護者会めいたものが開催されるとのことで、ついでにキャンパス見学でもしようと夫婦で散策となりました
もちろんその後の保護者(保証人)の集まりには私だけの参加ですが
天気も良く、通学路や構内散策にはもってこいの午後となり、
わ~綺麗
へ~何だろう
の連続で久々に(すぎる)学生気分を味わったような感じ。
キャンパス内にはオブジェも設置されていましたが、一画に石碑のようなものが立っていまして・・・なんと私の好きな『青木繁』の『わだつみのいろこの宮』が
なんでわだつみのいろこの宮
と駆け寄る私に不思議そうな夫はとりあえず写真撮影してくれました。
この写真とは別に私が並んだものを
調べてみますと高さ2メートル強の縦長陶板の碑。
こちらのキャンパス計画時に大学前理事長がキャンパス内に芸術的香りを取り入れたいと考えていたそうで、設計担当者へ「ドヴォルザークの『新世界より』のメロディーが聞こえてくるようなキャンパスを作ってほしい」と依頼されたそう。
で、なぜ・・
担当のかたは、相当悩まれたようです。
ラファエロの『聖母子像』もよぎったものの、西洋の宗教画だとニュアンスが違うと
日本の神話を題材にしていて、ラファエロの影響を受けているとも言われる青木繁に行き着き、西洋と東洋が見事に融合したこの作品に巡り合ったようです。
「わだつみのいろこの宮」で描かれているのは、釣り針を探しに海に入った山幸彦が、海神(わだつみ)の宮殿で豊玉姫に遭遇した場面。水中の場面です。
そして、山幸彦と豊玉姫の間に生まれた男子と、豊玉姫の妹にできた子供が、わが国最初の天皇、神武天皇なのだそう。
調べるほどにゾクゾクします。
青木繁は福岡県久留米市出身の画家で、坂本繁二郎と小学校時代の同級生で親友でもありました。大学時代には鹿児島の画家、黒田清輝に指導を受けています。
28歳にして夭逝、作品は決して多くは存在しませんが、かの石橋正二郎氏が高等小学校時代の図画講師だった洋画家の坂本繁二郎に再会した際に、繁二郎から青木繁の絵画を集めて美術館を作ってほしいと依頼されたことがきっかけで青木繁の代表作を購入し、コレクションを形成していったとされています。
久留米にあったブリジストン美術館で初めて目にしたときの強烈な印象はいまだに覚えています。現在は東京駅近くにアーティゾン美術館として収集作品が公開されているのも何かのご縁。コロナ禍で美術館散策にすっかり足が遠のいていました。行きたいんだけど、と話をしていたのが一か月くらい前だったか・・・
そうだ、アーティゾン美術館へ行こう、と思わせてくれました
子どもの受験が済んだら何か息抜きしたらとよく言われてきたのでしたが、そうそうこれよとこのタイミングで『わだつみのいろこの宮』が現れてくれたのも何かのご縁
はてさて、大学の保護者会なるもの・・教授の紹介や単位修得の厳しさなど、あらかじめ現実を正直に説明いただけて感謝しかない会でした。もう親がしてやれることは学費払って傍観しながら健康管理かな。好きな方面をみつけて没頭してほしいと思います
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