会津田島の樋口弘一(還暦杉太郎)ブログ

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

戦前の玄如踊りについて

2020-04-03 11:14:21 | 日記

会津では最も古い唄とされるのが「玄如節」です。喜多方図書館館長を勤めた新井円次は稿本「玄如節」に「一、総 説 会津俗謡トシテ其名高キハ、玄女節ナリ。歌詞ハ七七七五調ニシテ、曲節緩慢ニ長ク引ク。維新前後ニハ、領内各所ニ斯道ノ名手アリテ、鎮守祭及諸会式等ノ日ニ相会シテ、唄会ナルモノヲ催シタリ。斯道ノ達人ヲ「唄アゲ」ト称ス。而シテ其所ニ唄会催サルヽト聞ケバ、各所ノ唄アゲ連ハ集リ来り、唄ヒ合フナリ、此ノ唄会ノ特徴ハ、其ノ唄ノ即席自作ナルニアリ、掛合ナルコトニアリ、歌詞ノ掛ケ言葉ナルニアリ。即チ甲問ヒ、乙答ヒ、丙助ケテ終宥尽クルコトナク、以テ暁ニ至ルナリ。」と記している。現在も会津平野部「両堂」地区で行われる玄如節は往時のありさまを残していますが、実はこの唄には踊りが伴います。新井円次は稿本「玄如節」には戦前の玄如踊りの写真(新聞切り抜き)が挿入されており、当時の風俗が偲ばれます。

ほうかむりに襷姿(たすきすがた)で踊る様子が写っていますが、残念ながらこの踊りは今に伝えられていません。また戦前の絵葉書にも同様の写真がありますので、ここにアップします。

この写真の右側には「会津民謡会」の立看板が見えますので、山内磐水(やまのうちばんすい)主宰の民謡会の行事で踊られたことが判ります。当時の踊りが残されていないのが残念です。