仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

伝教大師 最澄その2

2009年10月28日 | 侊雲・侊慶 略歴
制作者からの目線でこの伝教大師についてご説明したいと思います。

三十三間堂 千手観音菩薩坐像


平等院 阿弥陀如来坐像

上の写真は三十三間堂の中心に安置されている千手観音菩薩と平等院にある阿弥陀如来です。

この仏像は制作された時代が違い表現方法もいくつか異なる点があります。

その一つに、衣のシワの表現が異なります。

千手観音菩薩は鎌倉時代に活躍した運慶の息子、湛慶が手がけた仏像で、彫りを深くし動きを重視した様子が見られます。

この彫りは鎌倉時代に多く見られる特徴です。

又、阿弥陀如来は平安時代の仏師、定朝により作られた仏像です。

シワは浅く体になじませた彫り方が特徴的で、これも平安時代によく見られる特徴です。

この事からシワを見ただけで制作された時代が見分けられるポイントのひとつです。

この伝教大師は平等院の阿弥陀如来に近いシワの表現で制作いたしました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 伝教大師 最澄その1 | トップ | 伝教大師 最澄その3 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。