仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

仏像の爪

2008年09月25日 | 仏師から見た仏像の楽しい見方
仏像の爪は人間の爪の形とは異なる部分がいくつかあります。

その中で立体彫刻として工夫されている部分があります。


それは指を横から見た時に人間の場合ほとんど爪の厚みを見る事が出来ません。




その点、仏像には横から見ても爪の厚みがしっかりと見ることが出来ます。

その訳は横から見たときでも爪を見せ、立体感を強調するために厚く見せるのです。

代表として二つの仏像をご紹介いたします。

奈良県の唐招提寺の本尊、盧舎那仏(るしゃなぶつ)です。




もう一つは奈良の興福寺にある文殊菩薩坐像です。


この二つの仏像を見ても分かるように爪に厚みのあることが分かります。

こんなにも古くから彫刻を更に良く見せると言う技法が見受けられるのです。

仏像は技術的な方面からだけ見ても世界に誇れる芸術だと心から思います。

皆様もそんな観点からも仏像を楽しんで見て下さい。


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1 コメント

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手は口ほどに・・ (ちゃんぶー)
2008-11-16 20:17:38
お世話になります。

彫刻を習っていて、仏像の手への関心が一段と深くなりました。

舞踊においても手(指)は言葉をあらわし、感情を表しますね。

僕が一番ぐっと来た指を持つブツは東大寺の法
華堂内の弁財功徳天です。六臂の手は南都水鳥拳のように優雅であり、またセクシーであります。
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