仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

仏像彫刻制作実演ライブ実現を目指す心とは!

2008年03月13日 | 仏像彫刻実演ライブへの道
私は20歳の時、この仏像彫刻の道を志し早いもので15年の月日が流れました。

その間、時代は大きく変わり、私自身この早く流れる世の中の移り変わりに困惑することも少なくありません。

現代人は何故こんなに早いスピードで人生を走るように生きて行かなければいけないでしょうか?

おそらく、そんな事をお感じになっている方々も多いことだと思います。

しかし、世の中は綺麗ごとでは行かないのが現実です。

皆さんこの目まぐるしい速さの中、家族など大切な方のため懸命に生きていらっしゃることでしょう。

とかくこの世は無常なことも多く、本当に逃げられず辛い日々を送られている方も多いことだと思います。

私は若いころから仏像と言うものと向き合って生きてきましたが、何故千年以上の間、仏像が私達の生活の中にこんなに根強く溶け込んでいるのか、近年私自身、若い頃には想像も出来ないような苦悩を経験し始め、ようやく仏像の本当の意味が分かってきたような気がします。

ですからこの日本で独特の発展をとげ、千年以上何世代もの間受け継がれて来たこの仏像彫刻の技術の重さを実感するようになってきました。

現在日本の商品生産は海外が主流になっており、仏像や木彫刻など伝統工芸品も例外ではありません。

ご存知の方も多いかと思いますが、その影響は着実に職人の退化に結びついています。日本人が何千年もの間、脈々と受け継いで来た日本の伝統文化を今本当に守っていく努力をしなければ、私たちの素晴しい日本の心や伝統は消えてなくなってしまい二度と戻ることはないと思います。

私自身、非力ゆえどの様なことが出来るかは分かりませんが、何か日本人の本来の心意気を世の中に残し伝えていくことで、私の中に宿っている先人の仏師や日本人の方々への恩返しになり、またこれから生きていく私たちの子供達にこの静かで素晴しい文化を残して行ってあげることが出来ればこんな嬉しいことはありません。

何分どの様な形でこの実演制作ライブを行っていけばよいのか、これから仏師 紺野慶を始め、仲間の木彫刻師などと色々と準備を重ね、皆さんの前で小さな形でも必ず実現出来ます様に努力して参りたいと思います。

皆様、どうぞ気長に見て応援して頂ければ、大変嬉しく思います。

仏師 関 雲
(阿弥陀如来像 仏師 関 雲 作)


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