仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

善光寺仁王像6

2012年03月01日 | 仏師から見た仏像の楽しい見方

・足の形


善光寺仁王像の足




東大寺南大門 
仁王像の足

この2つの足を比べると善光寺の仁王像の方が筋肉と骨格をより強調している事がわかります。爪に至っては指にくい込む程強く表現しています。
他の仁王像と比べても光雲の独自の表現方法である事が感じられる部分です。





・鑿跡




彫刻を彫るうえで、面の構成で物をとらえる事は基本であり、西洋の彫刻も同じ考え方で制作されています。
その表現を残して仕上げてあるのが、この仁王像の特徴です。
すべて1寸程の鑿跡を並べて表現しています。わざと鑿跡を残すことにより粗々しさを表現しています。
推測ではこの鑿跡を並べて仕上げる工程は弟子が行なった可能性があります。




・寄せ木造り






二枚以上の材料をあわせて作る仏像のことを寄せ木造りと言います。
この大きさの場合、原型を見てパーツごとに制作し、ある程度出来上がったら合体させて1つの状態にしてから追い込みにはいります。





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