仏像彫刻と共に歩む侊慶の記録

仏師 紺野 侊慶の記録

【面】の構成

2008年08月29日 | 仏師から見た仏像の楽しい見方
仏像彫刻は『面』と言う構成を理解し彫る必要があります。

『面』とは平らな平面の繋がりの事で立体はすべてこの法則をとらえ制作する必要があります。



このようなとらえ方をせずに初めから丸めて彫ってしまうと全体のバランスがおかしくなり立体感も無くなってしまうのです。

赤い部分を1つの面、青い部分をもう一つ面と言ったようにすべての場所が面の繋がりが続いて1つの立体を作り出していることが分かると思います。

この法則を理解するようになると人の顔や手などを見たときにその人の特徴などをとらえやすくなります。

そのため私は歩いていてもすべての物が面で見る癖が付いてしまいました。

よくその構成が分かる代表的な仏像は長野県にある善光寺の仁王像です。



高村光雲作の仏像でまじかで見ると面の構成をそのまま残し力強さを表現しています。

一度皆様も見に行ってはいかがでしょうか。


おまけ

前回オーストラリアの方にお土産で葡萄と菖蒲のパネルを制作しました。

そして無事オーストラリアの方にお渡しする事が出来たとご報告がありました。

大変喜んでいただいたようです。

日本の伝統技術を海外に伝えることが出来ると言うことは嬉しさ反面責任も感じておりました。

日本の職人として自分が手がけた作品を喜んでいただいたことは本当に心の底から感激しております。

自分の仕事に誇りを持って今後の日々精進してまいりたいと思います。






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