90年代の頃集めていた古い更紗の一枚。
カパル・カンダス=船が座礁した という文様。この更紗に込められた物語が本当
なのか!? ちょっと深掘りしてみました。どうやら実話をモデルに作られたようです。
1950年代明の嘉靖帝の皇女 Ony Tien=オンティン? ウンチェン? がチルボン王国
スナングヌンジャティ王に嫁いだ船が港に座礁した故事がベースのようです。
そして皇女は5番目の王妃になり国に帰ることはなかった。
北京からチルボン!! ものすごく長い道を感じます。そしてこの頃の交易の広さ!!
母の更紗によく似たタイプの図案。
こちらは横向きの船のタイプか?
スマトラの華人のご婦人方に好まれた図案だったようでスマトラ好みの色
で制作され輸出されていたようです。上はそんな色ですネェ。
地位が高く円満な結婚生活を送っている女性が身につけたと聞くと、
華人社会に愛された文様だったと思われます。インドネシアの中に
流れる華人の血筋。だからなのか現代物でこの柄を見たことがないのは!?
65年の悲劇が思い出されます。そしていつも想像します、
プラナカンと呼ばれる華人社会の美しいファッションを。時間をかけて描かれ
たり刺繍されたりしたものの持つ意味を。夢のような物語を。