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想像する大人の短編小説 『着飾る女』by K's Passion!

2022-10-15 | Everyday research~私の本棚から・・・

#1

『着飾る女』 

 

さて本日、さいたまは

曇り空から一変、お昼前から晴れだし

気温が上がり、秋晴れと言うには蒸し暑い

夏の名残の暑さになりました。

今日あたり、まだ運動会やら午前中だけのミニ運動会やら

行った学校もあったのではないでしょうか。

みなさん、ご苦労様でした。

 

 

 

 

#2

想像する大人の短編小説 『着飾る女』

 

近所に住む、ある40代の女性は、毎日の30分ほどの車通勤でも
いつもお洒落に、とても着飾り出かけて行く。
歳よりも大分若く見える綺麗な女性だ。
夫は単身赴任で海外勤務らしく、子供はいない。

そんな独り生活の様なので、毎日のお洒落やファッションを
楽しんでいるかの様だった。
しかし、車通勤なので、おおよそ多くの人に出会う事はない。
職場に行けば制服に着替えるであろうし、
本来、そうそうお洒落をする必要もなく済むのだが...

まぁ、仕事帰りに買い物に寄ったりする事もあるからだろうが、
それにしても、それにしては?と思ってしまう程にお洒落である。
と、私はいつも感じていた。
日々の通勤ファッションと言うよりは、
たまにの休日に、銀座にでも出かけるような格好と言えば分かり易いか?

ある日の夕方、近所のショッピングモールへ行くと、
彼女のグレーのBMWが駐車してあった。
仕事帰りの買い物なのだろう。
店内に入ると、彼女と分かる程の先に、通り過ぎる彼女を見つけた。
そして彼女の、そのお洒落なワンピースの鮮やかなブルーが
買い物客の目を引きつけていた。
都心から少し離れたこの住宅街では、ショッピングモール内と言えども
彼女のそのファッションと美貌は、少しばかり目立ち過ぎるのだ。

彼女は私には気づく事もなく、1階のATMコーナーの方へ歩いて行った。
すると、ひとりの男が近づいて来て、彼女に声をかけた。
まだ30代半ばにもいかない感じに見える、スラッとした、
おおよそ彼女よりも若い男性。
店員ではないし、知り合いでもなさそうな感じだが、二言三言、話をして
男はその場を立ち去った。
私は特に気にもせず、ATMコーナーの角を通り過ぎた。

小一時間程して、私は用事を済ませ駐車場へ向かうと、
先ほど彼女に話しかけていた30代半ば位の男が、黒いSUV車の横に立っていた。
すると、そこへ彼女がやって来て、何か一言、言葉を交わすと
男は助手席のドアを開け、さっと彼女は車に乗り込んだ。
そして、車のヘッドライトが点灯し、ブレーキランプが一瞬灯ると
もう日が沈みかけて、うす暗くなった紅い空の方へと
二人の乗った黒いSUVは、ショッピングモールの駐車場をあとにした。

私は、駐車場に置き去りになった、彼女のグレーのBMWを横目に
何か不思議と高揚する気持ちを感じながら、そそくさと家路についた...

 

by  K's Passion!

 

 

(想像する大人の短編小説 『着飾る女』)

 

 

 

 

 

 

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