くつした工房からの便り

くつした工房の日々の出来事つづり・・・

お習字の先生

2024-09-04 06:10:35 | 記憶

子供の頃 丈太郎先生にお習字を習っていた。

千恵子先生もいらした、御夫婦での教室

他の教室と少し変わっていたのは お二人共 小児麻痺で歩けなくて

手も指はほとんど動かなかった。

そのお二人がお習字を教えていた。

丈太郎先生は太いゴムバンドで筆を手に固定して肩や全身でお習字をする方で

半紙を押さえていないと動いてしまうほど力強く いつも本気でお習字を教えてくれた。

その当時だから いろんなことがあった。まだバリアフリーとか障害者用の建物建築物ではないから

生活にもいろんな工夫があったのだけど 先生は歩けないから畳の部屋の移動は両腕で自分を進める

同席している生徒たちは 先生の通り道のために長机を動かすんだ。もちろん道具もね。

そんなことは当たり前だった。部屋は広くなかったし。

楽しいことも凄くたくさんで 先生たちが身体障害ということはあまり関係なかった。

お正月のカルタ取り 夏休みのスイカ 冬になるとパーテイーをしたり 

丈太郎先生はハーモニカの演奏者で先生だったからハーモニカの教室もしていた

先生にとってハーモニカはリハビリだったらしい、大人になってからそれは知った。

 

子どもの私にはわからない 不具合とか難しさとか 知らないうちにそこで経験していた様に思う。

和紙とか習字とか筆とか丈太郎先生と千恵子先生に教えていただいたことを思い出す。

 

ふたりともそちらでは自由に歩いてるね きっと。


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