ちょっと前に「サウンド・デザイナー」の2017年12月号で「90's渋谷系考察」と題し、渋谷系の特集をしていました。
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サウンド・デザイナー 2017年 12 月号 [雑誌] |
サウンド・デザイナー | |
サウンド・デザイナー |
その中で「渋谷系マスト名盤18選」ということで、18枚のアルバムが紹介されていたのですが、その選考に違和感を感じました。
思うに渋谷系と言えば、スタートはフリッパーズ・ギター以降、マッドチェスター以降だと思います。
サウンド的は背景を言えば、ネオアコを引きずりつつもアシッド・ジャス及びそれらのルーツ、♪ミリオン・シークレット・オブ・ジャズがあるから~、な感じかと思います(ちょうど小山田圭吾がUNOのCMに登場した頃ぐらいかと)。
また、ジャングルやドラムンベースからはもうちょっと雲行きが怪しくなっていた感じがします。
故に「渋谷系マスト名盤18選」にフリッパーズの「ヘッド博士の世界塔」やコーネリアスの「ファンタズマ」が選ばれているのに違和感を感じる訳です。
特にコーネリアスは「ファンタズマ」以前と以降で別れる部分があると思いますし、ある意味「ファンタズマ」自身が袂を分かつ的な側面もあったと思います。
なので、今日は私クワヒロ・バラーナが「渋谷系マストまでは言いませんが名盤6選+α」ということで、選んでみたいと思います。
まずは小沢健二の「LIFE」。
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LIFE |
小沢健二,小沢健二,服部隆之 | |
EMIミュージック・ジャパン |
収録中全9曲中7曲がシングルカットされた事実が、渋谷系を代表する一枚であることを物語っていると思います。
ちなみに私は「LIFE」の前作「犬は吠えるがキャラバンは進む」は今も聴くことがあるのですが、「LIFE」は実はほとんど聴いていません。
当時TVやラジオで「LIFE」の楽曲が溢れていたので、おなか一杯でした。
また、正直♪今夜はブギー・バックや♪愛し愛されて生きるのさの2枚のシングルが先行してリリースされた時は、後に「LIFE」がここまで売れることになるとは思ってもいませんでした。
2枚目は、オリジナル・ラブの「SUNYY SIDE OF ORIGINAL LOVE」。
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SUNNY SIDE OF ORIGINAL LOVE |
オリジナル・ラヴ,木原龍太郎,田島貴男,吉田美奈子,宮田繁男,森俊彦 | |
EMIミュージック・ジャパン |
後に大人の事情でベスト盤の無限リリース状態になるオリジナル・ラブですが、半年前にリリースした3rd「EYES」を軸に「EYES」以前の楽曲の再録+お茶の間になった♪接吻を加えた一枚は、その未来を予見させる一枚だったと思います。
3枚目は、ピチカート・ファイブの「ピチカート・ファイブTYO」
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ピチカート・ファイヴ TYO |
日本コロムビア | |
日本コロムビア |
「渋谷系マスト名盤18選」では田島貴男時代の作品が選ばれてましたが、ピチカートはやっぱり野宮真貴だと思いますし、ピチカートを代表する楽曲が揃っている一枚だと思います(これもベスト盤なので当然ですが)。
4枚目は小沢健二とオリジナル・ラブとピチカートと並ぶ渋谷系四天王の大トリ、コーネリアスの「ホリデー・イン・ザ・サン EP」。
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HOLIDAY IN THE SUN EP |
小山田圭吾 | |
ポリスター |
それまでのシングルの概念を変えた作品、8インチからMAXIシングルへと変えてしまった一枚といっても過言ないと思います(後編に続きます)。