昨季のイングランド・プレミアリーグで現在イタリア・セリエAのユベントスを率いるサッリ監督の下で古巣チェルシーのアシスタントコーチを務めた元イタリア代表FWのゾラが「最初は、選手たちも我々が言うことをすべて聞いていたんだ。素晴らしかった。」と、堅守速攻をスタイルとしてきたチェルシーにサッリ監督のポゼッション重視の戦術の浸透に時間を擁して苦戦が予想されるも開幕12戦無敗とスタートダッシュにした昨季序盤を振り返りました。
しかし、24節でボーンマスに0-4で敗れると26節にはマンCに0-6と大敗を喫してサッリ監督の解任論が浮上するまで失速した背景について、ゾラは「だが、何週間か経ち、同じことの繰り返しになって、試合数が重なっていくと、選手たちは疲れ、ある意味で飽きてしまった。」 と、サッリ監督のトレーニングにチェルシーの選手が疲労していたことを明かしました。
続けてゾラは「それが我々の仕事の一部だ。時には飽きてしまうことも必要なんだよ。だが、そうなった時でも、自分がやっていることにこだわり、そうして向上していくものなんだ。」と語った上で、「わたしが現役のころも、例えばボールを蹴ることだって、1日に少なくとも300~400回は繰り返していた。疲れてしまう時もある。だが、それを繰り返す必要があるんだ。それを自分のものとしたければね。」 と、チェルシーのレジェンドは反復練習の重要性を説きました。
そしてゾラは「(ベルギー代表MF)アザールや(ブラジル代表MF)ウィリアンのような、才能があって自分たちで試合に勝つ方法を知っている選手たちは、ある種のトレーニングに苦しんでいた。だが、ほかの選手たちにはそれが必要だったんだ。」と戦術の浸透にサッリ監督のトレーニングは不可欠とした上で、 「正直に言って、彼らが素晴らしかったんだ。飽きてしまっていたけど、それをずっと続けてくれたのだからね。だからこそ、だれもがチェルシーはダメだと言っていたなかで、我々は最後までやっていけたんだよ。」 と、サッリ監督の指導に従って最終的にEL制覇とCL出場権を得られる3位でフィニッシュした昨季のチームを讃えました。
サッリ監督やゾラに前任のコンテ監督ぐらいの引き出しやアンチェロッティ監督の柔軟性があれば、それこそコンテ監督やアンチェロッティ監督のブルーズのように就任1年目でのプレミアリーグ優勝もあったと思いますが、少なくともサッリ監督は昨季のプレミアリーグ優勝よりも自身の戦術の浸透に重きを置いていた感は否めないと思います。
また、それがコンテ監督やアンチェロッティ監督のブルーズに足りなかった継続性だったり、アザールやウィリアンに頼らない組織的なポゼッション重視のスタイルに転換出来ていれば良いのですが、コンテ監督やアンチェロッティ監督のブルーズ以上に継続性もなかったと思います。
そして、今季のランパード監督のブルーズを見て、チェルシーはやはり堅守速攻だと、改めて思いました。