それは、2月の事でした。
「あなた、10年前に、障がい者訓練に来ましたよね。
その時、折角私が世話した実習先を、10日で辞めましたよね。」
目をつりあげて、就労支援センターの職員が私に言いました。
10年前も、たしかに病状が回復して、私は仕事を探していて、
ハローワークの障がい者職業訓練を受けました。
その時に最後の期間で仕事先の斡旋がありました。
スーパーのバックヤードで野菜を袋詰めする仕事でした。
仕事自体は器用な私はこなせていたのですが。
問題は、そこの係長でした。
「本社がいうから、仕方なく障がい者いれるけど、
本当言うと迷惑なんだよね。」
実習初日に言われました。
その課長は、最初から私にきつく当たって、辞めると言わせたかったのでしょう。
日々、注意という名のきつい言葉が飛んできました。
当時はモラハラとか、パワハラなんて言葉はなくて、
私は10日で実習に行けなくなったのです。
そのことを就労支援センターの女性が覚えていました。
センター長ではないのですが、俗にいうお局。
センター長は横で静かに聞いていました。
「それから10年たって、あなた56才でしょ。
自衛隊なら57歳で定年退職ですよ。
しかも、B型作業所に10年いたって、そんなので仕事あると思ってるんですか?」
「たとえ、あったとしても、そこに行ってちょっと何か言われたら、
また、辞めるんでしょ。
悪いけど、あなたに紹介する仕事はありません。」
これが、ハローワークの障がい者担当から委託されている
就労支援センターの職員の言葉でした。
障碍者雇用って、結局、身体障がいの方がメインで、
次に、知的障がいの方。
精神障がい者は、国が決めているから話は聞きますよ。的なことでした。
医師の診断書を持って行っても、見もしないでファイルに入れてしまいました。
そうとう、ショックでした。
「世の中厳しいんですよ。
病気が良くなっても、人間関係結べないあなたには無理です。
生活保護でいいじゃないですか。
作業所行っててください。」
確かに、B型作業所で週30時間作業をしていたと言っても、
田舎の作業所ですることは内職です。
それが、普通のパートをするにはハードルが高いかもしれない。
雇う側からしたら、障がい者入れて、しかもメンタル疾患持ちで、
周りのパートとうまくいくように配慮しないといけないという仕事が増える。
そんな人雇いたくないですよね。
職員の言ったことはきついけど、
「メンタル疾患?」どう接したら良いか分からない。
それが一般の健常者の気持ちですよね。
精神障がいの人が殺人事件を起こすことがあるたび、
「精神障がいって怖い。」とイメージがついて十把一絡げにされてしまう。
事件起こす人なんて、健常者でも、障がい者でも、ほんの一部なのに。
せめて、福祉の関係者は、精神障がいに理解あるかと思ったけど、
現実はそんなものです。
私の障がい者雇用のパートの道は閉ざされたのでした。
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