気がつけば4月も終わりゴールデンウィーク真っ最中となりました。その4月29日、ここは京都市右京区南太秦。
推古天皇の時代に建立された太秦広隆寺を南に約800m行った場所に真新しい木製の建物が完成しました。
「これは何ですか?」と建築中にも通りかかる人から何度も尋ねられたこの建物。
これはバス待ちスペースとして建てられた京都市交通局がすすめる「バスの駅」です。
「バスの駅」はバス停に隣接する民間の土地を借りて屋根やベンチ、バス接近表示を設置するというもので、バスを待つ人々のバス待ち環境を向上させ、ゆったり快適にバスを待つことができるようにといった思いから生まれたスペースです。
その第1号として今回京都市内のここ南太秦と清水道(東山区)の2カ所に誕生しました。
オープニングセレモニーには生憎の雨天にもかかわらず、京都市長も来られて除幕式が盛大に行われました。
多くの方が座ることのできるスギのベンチやバスが接近していることを視覚と音声で教えてくれるモニターが設置されています。
そしてもっとも特徴的なのは、屋根を支える8本の北山丸太。
バスを待つ方がゆったりと落ち着いた気分になれそうな、やわらかな雰囲気をつくっています。
天井にも杉板が貼られていて、これは本格的な木造建築物です。
奥に細長い敷地形状に合わせ、京町家の形態をイメージした意匠で、この建屋の設計は、木材の構造計算や強度試験などを行っている京都大学 生存権研究所が担当されました。
もちろん、しっかりと構造計算がなされています。
そして数年後に柱の北山丸太に劣化が生じても、1本単位で交換可能な設計がなされていて、メンテナンス対応もしっかりとされています。
使われている木材は京都市域産「みやこ杣木」。地産地消や環境にも配慮しています。
撮影に行った日も、近くにお住まいの方でしょうか?年配のご夫婦が仲良くバス待ちをされていました。
京都の市街地では非常に珍しい木製のバス待合スペース。全国的にも珍しいのではないでしょうか。
北山丸太の持つやわらかく、やさしい雰囲気が、バス待ちされる方々の気分を和らげ、ゆったり快適に過ごしていただける環境づくりにお役にたてれば、とてもうれしく思います・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます