週末の帰り道は杉阪トンネルの温度計が11℃と表示されていてビックリ。冬が駆け足でやってきそうな勢いです。
フェイスブックにも北山杉の里近辺で見つけた植物や昆虫の写真を投稿していますが、生き物は未来に種を残して冬篭りの準備をし始めたようです。
フェイスブックページは「Facebook 京都北山丸太生産協同組合」で検索していただくと、登録していない方でも閲覧することが出来ますので、一度のぞいてみて下さいね。
先週の水曜日、今季初めての売立て市「北山秋季磨丸太祭」を開催いたしました。
当日はあいにくの空模様で、午前中には雨が降り出し白いもやに包まれた山々。にもかかわらず生産組合にはいつもと違ってたくさんのご来場者が駐車されています。
会場となる倉庫では、美しく磨き上げられた丸太たちがその時を待っています。
総出品本数は1,898本、椪(はい)数は663椪です。新木の磨丸太も含まれています。
午後1時。当組合の新理事長・森下が開会の挨拶を述べ、少し緊張した雰囲気だった倉庫にはじわじわと活気が湧いてきました。
磨丸太の列です。一般の柱は3m、背の高いのは4メートルです。
「さぁ~〇万から・・・」振り子さんの声が響き渡ります。緑の帽子は主催者側の人間。 間違いのないように入念にチェックしながら記録していきます。
買い方さんはこのような手板(下見表)を持って参加します。
目星をつけた丸太にチェックを入れたり、独特の符丁で落札価格を記入したりするものです。
オレンジの帽子が買い方さんです。手を挙げたり、指を出したり。それぞれの帽子には決まった番号がつけられていて、振り子さんは一瞬のやりとりをキャッチして落札された方の番号を大きく読み上げます。
出品者さん方も市の様子を見つめています。手塩にかけて育てた子どもが少しでも高い値をつけてお嫁に行ってくれたらと。
およそ2時間あまりで北山秋季磨丸太祭は終了しました。
野外で行われる大きな原木市とは違って、ひっそりとやりとりされるのもまた、北山丸太の特徴です。
問屋さん、銘木店さんなどの買い方さんが、北山杉・北山丸太のブランドを求めて下さるからこそ、生産者は良いものを創り続けます。
その昔は1本の丸太に対して価格がドンドン競り上がっていったことでしょう。現在は高値に競り上がることは減り、以前と比べるとさみしい相場です。
けれど今なお、職人さんの手によって慈しみ育てられた丸太の品質は何も変わっていません。
だからこそ、このブランドの「値打ち」を下げてはいけないし、生産者たちはプライドを持って市に臨みます。
お嫁に行った丸太が本当に良い、と感じてもらえた時・・・継続して来て下さる買い方さんによって伝統は守られていると思うのです。
来月もたくさんのご来場をお待ちしています。素晴らしい丸太が、よい値で落札される事を祈って。
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