9月も2週目に入ったと言うのに、日中は強い日差しが照りつけます。それでも湿度が低いからでしょうか、木陰に入ると風が心地よく朝晩も過ごしやすくなりました。
子ども達には遠足や運動会、文化祭。そして婦人会や敬老会など催しが多く、食べ物も美味しく天高く馬肥ゆる秋。一年のうちで一番好きな季節です。
だんだんと空が高くなり、千切れては流れる雲が、美しく磨かれたバスのウインドウに映りこんでいます。
今週の半ば、北山杉の里総合センターは元気で若いお客さまを迎えました。ボディには「Tankai」・・・
丹後海陸交通・丹海バスでやって来られたのは京都府立宮津高等学校、通称「宮高」の建築科3年生27名。
日本三景の一つ、風光明媚な天橋立で知られる宮津市にある高校です。
建築科・・・?と思ったのもその筈、宮高は府立で唯一、建築科を有している高等学校です。
建築全般に関する知識と技術の習得を目指す。ものづくりをとおして生きる力を身につけ、基礎学力を充実させながら、社会や産業の変化に柔軟に対応できる専門教育を実現する。
を教育目標に掲げ、施設・設備・講師陣ともに充実した環境のもとで学び、巣立った卒業生は各分野で活躍しています。
教育課程は1年次は普通科とほぼ同じカリキュラムで基礎学力の強化を図り、2年次からは希望進路に応じて教科や科目の選択が可能になります。
選択科目の学習内容は、工業技術基礎・建築製図・情報技術基礎・建築実習・建築構造・建築構造設計・建築計画・建築施工・建築法規・建築総合・課題研究とさまざま。
先生は「浅く広くですよ。」と笑ってらっしゃいましたが、今回見学に来てくれたのは色いろな勉強をしてきた、スゴ腕3年生27名です。
道中の時間を利用して、バスの中で北山杉・北山丸太のDVDを見てくれていたので説明は少しだけ。丸太サンプルで人造絞りの仕組みなどをお話しました。
北山丸太を見るのは初めてでも、彼らはとても木に慣れ親しんでいます。
それは建築科の取り組みである、地域に密着した活動を通してたくさんの「ものづくり」をしてきたからです。
その一つが「ままごとハウス」。
実習で製作する作品で、2001年から継続して、宮津や丹後のたくさんの幼稚園や保育園に贈られています。
「ままごとハウス」。大きさは約1メートル×2メートルで、地元の間伐材などを使って製作しています。
中には瓦葺きの屋根のものもあったり、それぞれ趣向が凝らされているようです。可愛いですね。でも立派なハウス!
宮高は昨年、避難所でのプライバシーが守れるようにと木製の間仕切りを贈るなど、東日本大震災への支援活動も行ってきました。
この8月には福島県郡山市内の幼稚園にままごとハウス3セットを寄贈。現在も園庭での遊びが1日40分までと制限されている中で、みんなが入れる小さなお家のプレゼントに園児たちは大喜びだったそうです。
現地で組み立てている間に触れ合って、仲良しになって笑顔がいっぱい。宮高建築科の心は、地域だけじゃなく遠く福島まで届いています。
これからもままごとハウスは色いろな所に届けられそして、卒業して行く彼らにとっても思い出となることでしょう。
倉庫にてパチリ。
みんないい笑顔。
カメラを向けるとポーズ。素晴らしい結束力!
将来は考えているの?の質問に、進学する、インテリアをやりたい、まだわからないなど・・・でした。夢は広がります。
今回、たっての希望があって磨丸太4本を寄贈させていただきました。地元の施設で日除けの柱になるようです。
北山杉の里から宮津へお嫁に行く丸太たちを眺める女子生徒。
どうやって3mの丸太を宮津まで運ぶの? 任せて下さい、丹海バスは太っ腹!
こんな風になってるのですね。バスの側面両側に3枚の扉があって 、そこから荷造りした丸太をそ~っと入れます。
あら、先客さんが。
実はこの後、京都府立聾学校へ行かれることになっていました。地元の赤松で製作した展示用のパネル、40枚を寄贈されます。
バスの中はこんな感じになっていて、丸太が転がらないようにロープでしっかり結わえます。
荷造りが済んで、聾学校へと向かう途中、杉阪口の台杉山へ立ち寄りました。
青い空、白い雲、緑の杉、生徒さん達、バスの赤。 コントラストが綺麗!
午後1時頃だったでしょうか、気温は31℃。カラッとしていますがジリジリと太陽が照り付けます。
少し登ってみましょうか。台杉って何ナニ?
日陰が恋しい彼らもカメラに向かってポーズ!
樹齢200年、300年・・・不思議な仕組みの母なる台杉を先生も見つめておられます。
台杉山をバックに、先生もにっこり♪
まだ固いススキの穂もみんなを見送っているようです。
27名の生徒さん、そして先生方ともお別れの時間がやってきました。
「ものづくり」こそがこれからの時代、必要なこと。地域に密着した活動や被災地への支援、それらを若者に伝えようとする教育の姿は本当に素晴らしいと思いました。
何より、彼らは明るく元気。丸太と交換にパワーを貰ったような気がします。
これからどんな道を歩んで行くのか判らないけれど、培った知識や技術、友達、経験、すべてがあなた方の宝物です。
それらはきっと、北山丸太のように時が経つほど輝きと味わいを増して行くはず。。どうぞ大切にして、残りの宮高生活を楽しんで下さいね。
海の見える街・宮津へ 北山杉の里から愛と友情をこめて。
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