7月19日の金曜日、京都市域産材供給協会による「みやこ杣木産地視察研修会」が北山杉の里総合センターで行われました。
京都市都市計画局より21名が研修会に参加されました。当日は京北森林組合加工センターで製材加工施設や半製品・製品を視察。その後、北山杉の里センターにて周辺の北山杉や施設内の使用事例を見学、研修と意見交換会が行われました。
到着後、北山杉や倉庫内の丸太を見学。
丸太の種類を見たりタッチパネル式デジタルサイネージにもタッチしていただけました。
そして大会議室にて研修が始まりました。これは、京都市の都市計画行政に関わる方々を対象に行われたもので、公共建築物にも是非、みやこ杣木を使っていただきたい。そのためにはみやこ杣木について理解を深めていただくことを目的としています。
さまざまな分野で活躍する専門スタッフがパネラー(笑)
「みやこ杣木」とは、京都市域産材、つまり京都でとれた木のこと。
杣木(そまぎ)とは杣山(そまやま)から伐りだした材木のことです。日本には昔から、「山国杣」や「大布施杣」のように~~杣と呼ばれる地域があり、そこは王宮や社寺の建築用材木の供給地となっていました。また、著名な杣の大部分は都があった京都や奈良を中心とし、その周辺の山間部に存在していたと言われています。
地域で生産された木材を地域で使うことは輸送の点でも環境負荷が少なく、地域の森林・林業を活性化させ、地球温暖化防止の面でも国土保全を増進させます。
また、人と環境にやさしい木造住宅は第二の森林とも呼ばれ、各地域でこの「地産地消」が推進されています。
「みやこ杣木」は古き時代から、ここ京都で都の造営にも寄与してきました。
その京の木を現代も京都に住む人びとに使ってもらいたい、そのためには京都を司る人たちにもよく知ってもらいたい。そんな切なる気持ちが生産・加工・供給と、京都の木に密着した主催者側には込められています。
京都市内の森林及び京都市内の林業事業体が林業生産活動を行う森林で産出された木材を原材料とする製材品、磨丸太及びこれらの加工品を「地域産材」と定義し、これら地域産材のしるしとして「みやこ杣木」マークを表示します。
こちらは材面区分(木材の見た目の区分)のサンプルです。無節、上小節、小節など。京都市には独自基準「京一等」もあります。
意見交換では需要に対する供給能力など、積極的に行われ、短いながらも充実した研修会となりました。
杉の里センター施設内での北山杉の使用例を見学。テラスにて。
立礼式のお茶室、床の間も。
皆さま、お疲れ様でした。実際に産地の状況や使用事例を視察していただき、みやこ杣木を知っていただいた事はとても嬉しく思います。今後の都市計画に大きく活用されますことを願います。
よくお役所仕事などと言いますが、役所の方々はより良い京都にするために、このように足を運んで日々、研鑽を積んでおられます。
より良い京都は一方通行では実現しません。京都にすむ人、それを守る人。よい環境に住みたい人、その環境を与える人。行政と市民が相互に分かり合って協力し合ってこそ、実現するものではないでしょうか。
私たち市民も求めるだけでなく、学び知ることが人と環境に優しい暮らしの第一歩となります。
役所のさまざまな窓口を訪ねてみるのもいいし、ここ北山杉の里へ来られてもいい。
学校、図書館、市民ホール・・・いつかみやこ杣木を使った公共建築物が建てられたら。それは京都市民にとって「第三の森林」に違いありません。(了)
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