ただ,「ものすごく可愛い〜!」と思いながら,もう,目尻をいっぱいいっぱいに下げてあなたの傍のふわふわした存在を撫でる時,そして彼らもまた,それはうっとりと恍惚とした表情でお腹を出したり,喉を鳴らしながらあなたの側にぴったりと寄り添う時。
この瞬間,私たちが受け取っているものが何なのか,意識してみたことがありますか?
かわいいものは,かわいいんだから,その気持ちしかないんじゃない?と,思うかもしれないですが。
でも,この「かわいい」という気持ち,「抱きしめたい」という気持ち,「大好きでたまらない」という気持ちは,ぎゅうぎゅうに予定が書き込まれた手帳とか四角い机とか(まぁそれが個人的な嗜好対象である方は別にして),そういったもの言わぬモノなどを前にしては決して浮かんでこないような,心がふんわりじんわりと温まるような深さをもった感情であることに,気づきたいものです。
それは私たちの,ときに殺伐としたルーティンワークに埋もれた日々の中で,うっかり忘れがちなもの。
それは私たちがつい,目先の出来事にイライラしたり心配ばかりして眉をひそめている瞬間でも,彼らに手を伸ばした瞬間に心の奥から湧いてくるもの。
私たちを一瞬でリセットして本来の自分に戻してくれる,魔法のような一手。
ほかでもない自分の中から、そんな涙が出そうなほどに美しい感情が湧き出てきたことに気づかないなんて,実にもったいないのです。
私たちが誰もが本当はもっている心の美しさやピュアな気持ち,一方向で構わないからただ愛おしいの,可愛がりたいの,という見返りを求めない愛情を,知らぬ間に私たちの奥の方からでも引っ張り出してきてくれる,存在。
それが,ペット達なのです。
そしてそんな彼らの存在を遠して,私たち自身がそんな自分の内面の「美しさ」に気づかされ,それをいかんなく発揮する機会を得ることは,ペット達が私たちに与えてくれるかけがえのないギフトの一つなのだと思います。
だから「あぁ〜親バカだけど,うちの子ってホントにかわいい!」って,そんな気持ちが自然と湧き出てきたなら,そう思える自分ってなんて素晴らしいって思いながら,自信を持って,たっぷりたっぷり,かわいがってあげましょ〜(・・でも,くれぐれもオンとオフは大切です。特にわんちゃんなどではトレーニングが必要な時もありますので,ご注意あれ・・)。