

写真の菜切り包丁は、私が結婚するときに母が持たせてくれてものです。
私の生まれ故郷にほど近い越後の燕・三条は昔から金物で有名な街でしたが、母は、そこの包丁を嫁入り道具の中に入れてくれたのでした。
見た目は、すっかりみすぼらしくなってしまいましたが、切れ味は、私が結婚後に買い足したもののどれにも負けていません。
そして、私が、このみすぼらしい包丁を処分する気になれないのは、切れ味にもまして母が持たせてくれたもの・・ということが大きいのでしょう。
昔の母親は、嫁ぐ娘に包丁の一本にまで気を配ってくれたのですね。
私の子供は、息子が二人でしたので、娘を嫁がせる母親の気持ちはわからずじまいでしたが、いまさらながら亡き母の心に思いめぐらせている私です。
(キャベツの千切りも母の菜切り包丁を使えば、サクサクと出来てしまいます。)