満月のフライト

私たちの旅のはじまりは満月の夜だった。
銀座のクラスを終えて、電車でコトコト空港へ。
空港の大きな窓ガラスの向こうからまんまる大きなお月さま。きれい。
飛行機の窓からも薄くかかった霧のような雲に反射して明るい月に
千葉の海岸線と小さく波の立つ海がワクワクするほど美しかった。

真夜中のシンガポール空港はひっそりと静まり返っていた。

いつもは無国籍な街中のような空港で
足早に買い物をしたり珈琲を飲んで立ち去るのだけれど
朝まで少しだけトランジットホテルで仮眠を取る事に。

眠ったのだか眠っていないのだかイマイチほーっとした感覚の中で
暫らくお預けになるお風呂につかってみる。

東京を出るときいっぱいだった頭の中がだんだん切り替わってゆくのを感じた。

飛行機の中で観る映画は好きだけれど、
何となく気分じゃなくて
ボンベイのことを考えていた。

おいしいインド料理と、
衣裳のマテリアルになる南インドの布地を求めること。

何色にしようかな。
素材はどうしようかな。。。