久しぶりに行った美容院。
はじめまして、と挨拶して担当して下さったのは、
以前はアシスタントだったお姉さん。
はじめましてじゃないんです、と私は心の中で呟きながら、やや緊張気味に会釈をした。
だってこのお姉さん、
髪型も服も、いつもすごく可愛くて、
前から切ってもらいたいと思ってた美容師さん。
そんな方が、目の前の鏡に、私と一緒に写ってる。
私の心の中は乱舞。
自然と溢れ出てしまう笑顔。
もはやニヤケ。
そうか、この瞬間のために今日は不運が続いたのか。
何話そう。
シャンプー中、頭の中で何度も繰り返されるシュミレーション。
最近いいことがなくて髪を切ろうと思ったんです。。
お姉さん仕事、楽しいですか?
あーだ、こーだ考えたことは結局聞けないのがお決まり。
現実は緊張とマスクのごにょごにょで、
会話は全然発展しなかった…
だけど最後のスタイリング。
美容師さんに髪のことについて語らせたら止まらない!
それを知っていた私はここぞとばかりに話しかけた。
マシンガントークにならないよう気をつけながら。
そして帰り際、
気がつけば、ちゃっかりお姉さんに勧められたヘアーオイルが入った袋を手に持っていた。
カットと同じ値段。
うーん。
でもこの至福の時間があの値段なら、
数月に一回くらい、人生の幸福な時間への投資としていいかもしれない。
そう思わせてくれた1時間半だった。
美容師さんも頑張ってる。
私も今は不満がある環境だけど、耐えていつか仕事ができるような人になろう。