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日本共産党 群馬・太田市議 水野正己のブログ
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12月2日から保険証を廃止 国保条例・福祉医療費支給条例改定に反対討論

2024年10月05日 | 市議会・市政ニュース

 今年12月2日から健康保険証を廃止する改定マイナンバー法に備えての、国民健康保険条例、福祉医療費支給条例の改定に対して、9月27日の9月議会最終日の本会議で私が行った反対討論(要旨)は次のとおりです。

 この2議案は、いずれも今年12月2日からとされる保険証の廃止に備えて、条例から「保険証」という言葉を削除しようとするものです。

マイナ保険証の利用率は12.43%
マイナカードの誤登録は9,223件

 マイナ保険証の利用率は今年8月末で12.43%にとどまっています。厚労省が今年4月26日までに公表したマイナカードの誤登録は、重複を除いて9,223件にも及びます。全国保険医団体連合会が昨年6月に公表した調査では、医療機関でトラブルが発生し、いったん10割を徴収した例は1,291件で、診察を受けず帰宅してしまった人もいたとされます。そして全国保険医団体連合会が今月19日に公表した調査結果では、今年5月以降に全国の7割の医療機関で「マイナ保険証」にかかわるトラブルが起きているとされます。

 全国では180を超える地方議会が、今年8月までに保険証の廃止延期、または存続を求める意見書を政府に提出しています。今行われている自民党総裁選では、一部の候補から保険証廃止の先延ばしなどの声まで出ています。これは国民の批判の強さの表れですが、保険証の廃止は、わざわざ自民党総裁選の公約にしなくても、政府与党として延期を決めればすむことは言うまでもありません。

保険証の廃止後
保険証と同じ内容の資格確認書、資格情報のお知らせを発行

 政府は保険証の廃止後は、マイナ保険証を持っていない人には「資格確認書」を全員に交付するとしています。また、マイナ保険証を持つ人が、自分の保険情報が正しくひも付けられているかを確認するために、「資格確認書」とは別に「資格情報のお知らせ」という書面も配布します。中小企業の労働者などが加入する全国健康保険協会は加入者全員に「資格情報のお知らせ」を配布します。

 「資格確認書」、「資格情報のお知らせ」のどちらにも保険証と同じ内容が記載されます。保険証を廃止しても同様のものを配布するわけで、支離滅裂としか言えません。

 医療機関の窓口では、今もマイナ保険証の読み取り機器の不具合、災害による停電などさまざまなトラブルが起きています。制度の仕組み上、トラブルをゼロにすることはできません。現在、資格確認に使われているのが保険証です。円滑に受診するためにマイナ保険証とともに保険証を持参することを厚労省も推奨してきました。保険証の廃止後は「資格情報のお知らせ」を提示することになります。

 これらは保険者、つまり健保組合や健保協会、市町村の負担を増大させることになります。「資格確認書」、「資格情報のお知らせ」の発送作業には、マイナ保険証を持っていない人を日常的に把握するなど手間がかかります。速やかに配布しないと保険資格の確認ができず窓口で10割負担を強いられる事例が生じます。これを防ぐのは保険者の責務ですが、大変な作業になります。

マイナ保険証は5年ごとに更新が必要
資格確認書も法律では申請が必要

 さらに重大なのは、今の保険証は期限が来れば新しい保険証が送られてきますが、マイナ保険証は5年ごとに役所に行って自分で更新しなければならないことです。更新を忘れれば、窓口で10割負担を求められかねません。「資格確認書」も法律では希望者が申請することになっており、「当面の間」は申請なしで送られてきますが、その後は決まっていません。

 現行の公的医療保険制度のもとでは、保険証を発行・交付する責任は国、保険者にあり、それを揺るがすことは許されません。保険証の廃止を撤回し保険証を残すことが求められることを改めて強調して、反対討論を終わります。



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