2億円で購入
改修費1.1億円
維持管理費700万円
昨年12月議会での議決により2億1,450万円で購入した、大雄建設の「おおた・北茨城交流物産館バスターミナル駅」を多文化共生センターに衣替えする多文化共生センター条例に対して、9月27日の9月議会最終日の本会議で私が行った反対討論(要旨)は次のとおりです。
大雄建設の物産館
建設に市は2,500万円補助
当初契約では撤退時は大雄建設が原状回復
この物産館は、2020年10月に市の補助金2,500万円を受けて大雄建設が建設し経営してきたものです。建設にあたり市は、バスターミナル駐車場583台分のうち82台分を貸与してきました。借地料は年173万7,600円で25年間の賃貸借契約を結び、保証金は借地料1年分。赤字などで撤退する場合は、大雄建設が原状回復する契約でした。ところが、開業から3年も経たない昨年3月に、事実上の経営破綻から閉館となりました。
大雄建設救済
大雄建設からの保証金の借地料1年分、173万7,600円は、今年2月に市が収受し、補助金2,500万円のうち960万円は昨年12月に市に返還されてはいますが、物産館の購入は、大雄建設救済以外のなにものでもありません。
多文化共生センターへの改修費は1.1億円で、維持管理費は人件費を除いて年699万円とされます。物産館のうち夢麦酒太田のビール工房として貸し出し中の部分の維持管理費は、賃料の年90万円に加えて、夢麦酒太田から徴収する水光熱費によって、市の持ち出しはないとされるます。そして物産館の改修費1.2億円にはビール工房部分の改修費は含まれず、夢麦酒太田が昨年市から受けた補助金9,500万円の中から支出したとされます。
結論ありきの多文化共生センター
しかし問題は、物産館を多文化共生センターに衣替えしなければならない合理的な必然性があるかどうかということです。
多文化共生センターでは、外国人の子どもたちへの日本語学習や成長のための支援をさらに充実するとされます。ところが、現在、南庁舎内の国際交流センターで行われている、外国人の子どもたちへの日本語学習、現在の教育センターで行われている外国人の子どもたちへの学習や成長の支援のための事業が、多文化共生センターでなければできない合理的根拠はいまだに示されないままです。
仮に合理的な必然性、具体的な根拠があるなら、なぜ当初は、物産館に生活保護を担当する社会支援課を移転するとしたのか、なぜ当初から、外国人の子どもたちへの日本語学習体制のさらなる充実、外国人児童の学習や成長の支援のための事業の移転としなかったのかが問われます。
その理由は一つしかありません。まず最初に、物産館の購入=大雄建設救済という結論ありきだったからとしか考えられません。
物産館の購入後の使用目的が変わったのは、公共施設再編計画に基づくものとされます。しかし当初の公共施設再編計画には、そもそも物産館の購入も、物産館への社会支援課の移転もありませんでした。それが突然、市が買おうとする物産館への社会支援課の移転が公共施施設再編計画に加わり、社会支援課は本庁舎から離すべきではないとする議会質問により、事実上、一昼夜で公共施設再編計画が変り、多文化共生センターへの衣替えとなりました。
多文化共生センターには、今の教育センター、バス管理センターも移転するとされます。そして今の花と緑の課の事務所は空調が効かないため、移転先を探していたことから、今の教育センターに移転するとされます。教育センターやバス管理センターの多文化共生センターへの移転は、物産館が市の中央だからとされます。
そうであれば、なぜ当初から、教育センター、バス管理センターを物産館に移転するという計画が示されなかったのか、花と緑の課を今の教育センターに移転するという計画が示されなかったのかが問われます。これらはいずれも公共施設再編計画によるものとされる。しかし公共施設再編計画は、それほど簡単に、安易に変えられるほど、安直なものではないことを指摘しないわけにいきません。
そして、国際交流の推進事業として、今は南庁舎内の国際交流協会で外国人への日本語指導を担っている「あゆみの会」や、日本人への英語指導を担っている「茅ヶ崎英語教室」も多文化共生センターに移転するとされます。しかし、「あゆみの会」の会員の中には、電車で通っている会員もいます。「あゆみの会」の多文化共生センターへの移転後は、電車に加えてバスを乗り継いで、どうやって多文化共生センターに通うのかという課題も生まれます。
なお、駐車場条例の改定では、物産館が建つバスターミナル駐車場の「2時間まで無料」という規定が、物産館の開館を受けてのものだったことから、従来の「1時間まで無料」に戻すとされます。
そして教育センター条例の改定では、教育センターを多文化共生センターと同じ場所に移転するとされます。これら2議案は、多文化共生センター条例と一体のものであることから反対することを申し添えて、反対討論を終わります。
●3年もたたずに休館になった大雄建設の交流物産館 2.2億円も出して市が買い取る必要はありません/2023年09月17日/水野正己のブログ
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