1世帯1万2千円引き下げ
●2012年 太田市国保税改正(案)
●太田市 来年度から国保税引き下げ‐固定資産税10万円なら2万3千円引き下げ/2011年12月15日/水野正己のブログ
●2010年度 国保税統一 資産ない人に値上げ/資産ある人は値下げも/試算表/2010年2月12日/水野正己のブログ
太田市は11月29日、来年度から国保税を引き下げる方針を明らかにしました。
引き下げは総額4億2千万円。来年度から1世帯あたりの国保税は、現行の18万3,006円から17万884円へと1万2,122円の引き下げとされます。
引き下げは、前年の固定資産税に課税される資産割(現行で医療分15%、後期高齢者医療支援分で7%)を廃止(介護分は昨年度に廃止)し、さらに医療分の平等割(1世帯あたりに課税)を現行の2万4千円から1千円減額することによるとされます。
固定資産税10万円の世帯
2万3千円引き下げ
1万9,600世帯 4万人が引き下げ
(12月15日:加筆)
引き下げの対象とされるのは約1万9,600世帯の4万人ほどとされます。
具体的な引き下げ額は、次のようになります。
①前年固定資産税10万円の世帯
2万3千円引き下げ
②前年固定資産税20万円の世帯
4万5千円引き下げ
来年度からの引き下げは、前年の固定資産税に課税される資産割の廃止と、1世帯あたりに課税される平等割の1千円引き下げによるものです。
現行の資産割は医療分が15%、後期高齢者医療支援分が7%ですから、前年の固定資産税の22%が国保税として課税されています。
資産割の廃止によって前年の固定資産税の22%にあたる額が引き下げられ、さらに固定資産税に関係なく、1世帯あたりに課税される平等割が1千円引き下げられることになります。
試算例①
前年の固定資産税が10万円の世帯なら、10万円×22%=2万2千円の引き下げとなり、さらに平等割の1千円引き下げとあわせて、引き下げ額は2万3千円となります。
試算例②
前年の固定資産税が20万円の世帯なら、20万円×22%=4万4千円の引き下げとなり、さらに平等割の1千円引き下げとあわせて、引き下げ額は4万5千円となります。
■引き下げの試算例
(前年の固定資産税額×22%)+1千円=引き下げ額
※国保税が最高限度額を超過する世帯や、法定軽減の対象となる世帯は、この試算どおりに引き下げられないこともあります。
※国保税の最高限度額
医療分で51万円、後期高齢者医療支援分で14万円、介護分で12万円。合計で77万円。
※介護分は40歳以上65歳未満の人がいる世帯にのみ課税されます。医療分、後期高齢者医療支援分はすべての国保加入世帯に課税されます。
※国保税の法定軽減
国保税のうち、医療分、後期高齢医療支援分、介護分それぞれについて、1人あたりに課税される均等割、1世帯あたりに課税される平等割を法律にもとづき所得に応じて7割、もしくは5割、あるいは2割軽減する制度。
■軽減対象世帯の区分は次のとおりです。
●7割軽減
所得が33万円以下の世帯
●5割軽減
所得が(33万円+世帯主を除く世帯員数×24万5千円)以下の世帯
●2割軽減
所得が(33万円+世帯主を含む世帯員数×35万円)以下の世帯
◆平等割、均等割は次のとおりです。
【現行】
■医療分
(全世帯に課税)
●均等割
(1人あたりに課税)
25,000円
●平等割
(1世帯あたりに課税)
24,000円
■後期高齢医療支援分
(全世帯に課税)
●均等割
(1人あたりに課税)
8,000円
●平等割
(1世帯あたりに課税)
6,000円
■介護分
(40歳以上65歳未満の人がいる世帯に課税)
●均等割
(1人あたりに課税)
8,000円
●平等割
(1世帯あたりに課税)
5,000円
◆2012年度から平等割、均等割は次のとおり改正される見込みです。
【2012年度・改正見込み】
■医療分
(全世帯に課税)
●均等割
(1人あたりに課税)
25,000円(改正なし)
●平等割
(1世帯あたりに課税)
23,000円
■後期高齢医療支援分
(全世帯に課税)
●均等割
(1人あたりに課税)
8,000円(改正なし)
●平等割
(1世帯あたりに課税)
6,000円(改正なし)
■介護分
(40歳以上65歳未満の人がいる世帯に課税)
●均等割
(1人あたりに課税)
8,000円(改正なし)
●平等割
(1世帯あたりに課税)
5,000円(改正なし)
(以上:12月15日:加筆)
所得や資産に
関係なく引き下げを
私がこれまで太田市に重ねて求めてきたのは、所得や資産に関係なく課税される平等割(1世帯あたりに課税)や均等割(1人あたりに課税)の引き下げでした。
同じ4億2千万円の引き下げ総額なら、資産割は廃止ではなく引き下げとし、平等割や均等割の引き下げを強めるべきという気持ちはあります。
しかしともかく、平等割の1千円引き下げを含む1世帯あたり1万2千円以上の引き下げは“大きな前進”といえます。
市長!ありがとうございます!
今後は所得に関係なく課税される平等割や均等割の引き下げを求めて、なおいっそう力をつくしたいと思います。
市長!ぜひ!お願いしますよ!
国保税引き下げ求め
重ねて議会質問
私はこの間、国保税の引き下げを求めて、2005年の合併以来、毎年1回以上は市議会で質問を重ねてきました。
今年5月の臨時市議会では、「1世帯1万円の引き下げには3億4千万円が必要だが、これは一般会計の0.44%。月収20万円の家計なら月々880円のやりくりで1世帯1万円の引き下げが可能」として、実質黒字も単年度で発生していることを考えると、国保税の引き下げは極めて現実的であることを強調しています。
また今年の9月市議会・決算委員会の総括質疑では、国保会計の毎年の実質黒字が2億円から3億円にもおよぶことを指摘。さらに9億円以上に達する基金を活用すれば、国保税の引き下げは十分可能であることを指摘しています。
私の質問に市長も、「どうすれば払ってもらいやすい国保税とすることができるか考えたい」と前向きな答弁をしていました。
市民団体とも共同
太田市社会保障推進協議会(社保協)も毎年太田市と懇談。高すぎる国保税や保険証とりあげの問題について議論を続けてきました。
社保協に加盟する太田民主商工会(民商)の毛呂義明事務局長は、市が国保税引き下げのための関連議案を来年3月市議会に提案するとしていることについて、「今後は市議会議員の姿勢にも注目する必要があります」と話します。
私も毛呂事務局長に、「今回の引き下げは前進と評価できますが、今後は所得に関係なく課税される平等割(1世帯あたりに課税)や均等割(1人あたりに課税)の引き下げに向けて、なおいっそうがんばりたい」と約束しました。
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