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あの日容赦なく大切なものを奪い去った海が、菜の花の種を
植えた畑から驚くほど近くに感じられます。
防風林が完全に消滅し、今はある意味自然体の海岸がそこに
在ります。
震災の1年ほど前、地元のおばあちゃんが言っていた言葉が
ふと、頭をよぎります。
「昔は萱浜のあたりは砂浜があったんだよぉ。そこでよく遊んでたんだから」80歳を超えたというそのおばあちゃんは
この辺りでは珍しく都会的な装いで身を飾り、その風貌とお話しされる昔話とのアンバランスからよく覚えていました。
ここ雫の畑から見える海も、そのおばあちゃんが遊んでいた頃の海岸に戻っているのでしょうか?
時々やわらかく打ち寄せていた白波が何かに驚いた仔猫のように、1メートルほど跳びはねるのを見ていると何だか
あのおばあちゃんが笑っている顔を思い出すのです。
道の駅まで散歩をしに来ていると言っていました。多い時は一月に何度もお見かけしました。
時にはにっこりとあいさつをされ、時には何十分かこの地域の昔の話しなどをおしゃべりして帰られるのでした。
そのおばあちゃんとは震災以降、まだお会いしていません。お名前も伺っていませんでした。
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1年7ヵ月が過ぎ、ずっと継続して支援活動をされている方、初めてこちらに来られこの現状に目を向けて下さろうと
する方など、今、色々な方が南相馬市にはおいでになられます。
ふるさとに残されたそのひとつひとつの大切な支援や思いやりという「足跡」から少しでも多くの方が笑顔を取り戻し生きて
いけるようにと願わずにはいられません。
きっといつか、皆様の「足跡」から希望や未来という小さな芽がたくさんでてくるに違いないのです。
あなたの「足跡」をふるさとに残してくれて本当にありがとう!
>>南相馬市ふるさと回帰支/援センターHPへ
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