スピカ

日々の出来事をまっすぐ受け止めたりひねくれて解釈したりする体温低めなブログです。

物語の記憶

2012-11-20 21:39:25 | 日記

小学生のとき、
子供ながら図書室の本を全部読んでみたくて、
でもドッジボールやキックベースもしたくて、
いろいろ葛藤しながらそれでも読んだ。

シリーズを決めて読む。
そのときは星座にまつわる神話のシリーズだった。

今でも折をみて思い出す物語がある。

牡牛座の話。
もしかしたら脚色されていたり、
実はそんな話なんてないと言われたりするかもしれない。
それくらい古くて不確かで、でも鮮やかな記憶。

乙女がいた。
彼女には思いの通じた相手がいた。
ふたりの恋人は幸せだった。

あるとき、彼女の暮らす森で火事が起こる。
彼女は無事逃げるが、そのとき遠くから
自分を探して必死に名前を呼ぶ声がする。
恋人が、彼女を思い、決死の覚悟で探しにきたのだ。
その姿を見て、すぐに飛び出して行こうと思った彼女は、
同時に、もっとその姿を見ていたいと思い、
岩陰に身を潜めて、自分を探す愛しい人の姿を眺める。

そんな彼女のもとへ愛の女神アフロディーテがやってくる。
そして言う。
「愛する上で一番してはならないことは、
相手を試すこと、相手の気持ちを弄ぶことです。」
女神の怒りに触れた彼女は牝牛の姿に変えられてしまう。
もう弁解も謝罪もできない。

牝牛に姿を変えた彼女は恋人の前に歩み寄る。
そして、涙に震える脚で、「io」という自分の名前を地面に書く。


その姿を不憫に思った神様が、彼女を星座にした。


と、こんな感じで記憶しているのだけど、
だとすると、牡牛座の説明にはならないですね。
牝牛座もあるのかなぁ。
恋人も牛にしてもらったとか?(とばっちり!


小学生のわたしは、生意気にも、
愛を確かめるのに、相手の気持ちを弄んではいけないんだと
うんうん、すごく納得したのでした。


今でも、愛する人の気持ちを確かめたいと思う時、
この話を思い出します。
愛し合ってることの証明のために、試すようなことをするのは、
一番いけないんだよな、と。
心を弄ぶことになってしまうから。

だからなるべく恋はストレート勝負?です笑
そして自分の好意は言葉にして、
相手にもわたしを試すことをさせないように、
気をつけているつもり。

ほんとかうそか分からない昔の物語の記憶でした。

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