小学生のとき、
子供ながら図書室の本を全部読んでみたくて、
でもドッジボールやキックベースもしたくて、
いろいろ葛藤しながらそれでも読んだ。
シリーズを決めて読む。
そのときは星座にまつわる神話のシリーズだった。
今でも折をみて思い出す物語がある。
牡牛座の話。
もしかしたら脚色されていたり、
実はそんな話なんてないと言われたりするかもしれない。
それくらい古くて不確かで、でも鮮やかな記憶。
乙女がいた。
彼女には思いの通じた相手がいた。
ふたりの恋人は幸せだった。
あるとき、彼女の暮らす森で火事が起こる。
彼女は無事逃げるが、そのとき遠くから
自分を探して必死に名前を呼ぶ声がする。
恋人が、彼女を思い、決死の覚悟で探しにきたのだ。
その姿を見て、すぐに飛び出して行こうと思った彼女は、
同時に、もっとその姿を見ていたいと思い、
岩陰に身を潜めて、自分を探す愛しい人の姿を眺める。
そんな彼女のもとへ愛の女神アフロディーテがやってくる。
そして言う。
「愛する上で一番してはならないことは、
相手を試すこと、相手の気持ちを弄ぶことです。」
女神の怒りに触れた彼女は牝牛の姿に変えられてしまう。
もう弁解も謝罪もできない。
牝牛に姿を変えた彼女は恋人の前に歩み寄る。
そして、涙に震える脚で、「io」という自分の名前を地面に書く。
…
その姿を不憫に思った神様が、彼女を星座にした。
と、こんな感じで記憶しているのだけど、
だとすると、牡牛座の説明にはならないですね。
牝牛座もあるのかなぁ。
恋人も牛にしてもらったとか?(とばっちり!
小学生のわたしは、生意気にも、
愛を確かめるのに、相手の気持ちを弄んではいけないんだと
うんうん、すごく納得したのでした。
今でも、愛する人の気持ちを確かめたいと思う時、
この話を思い出します。
愛し合ってることの証明のために、試すようなことをするのは、
一番いけないんだよな、と。
心を弄ぶことになってしまうから。
だからなるべく恋はストレート勝負?です笑
そして自分の好意は言葉にして、
相手にもわたしを試すことをさせないように、
気をつけているつもり。
ほんとかうそか分からない昔の物語の記憶でした。