artのしおり

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カンタと刺子 -ベンガル地方と東北地方の針仕事

2014-11-08 | 博物館

日本民芸館で開催中の『特別展カンタと刺子ーベンガル地方の針仕事』を見た。

旧前田侯爵家駒場本邸を見学したあとでここに来ると、豪華絢爛を目指しているような工芸とは違う民芸を体現していることがわかる。

日本民藝館は、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠として、1926年に思想家の柳宗悦(1889~1961)らにより企画され、実業家で社会事業家の大原孫三郎をはじめとする多くの賛同者の援助を得て、1936年に開設された。』(日本民芸館 沿革より)

旧前田侯爵家駒場本邸がイギリス・チューダー様式で駒場の田園の野趣にあわせたことを考えると、学習院で学んだ柳宗悦が民芸に惹かれたのも時代の空気なのではないだろうか? 

民芸の発見』と聞くと『新大陸発見』と同じようなことなのだと私は想像してしまう。

さて特別展の針仕事は刺繍を施された布である。

日本の東北地方の刺子とインドとバングラデシュにまたがるベンガル地方のカンタの布である。

どちらも女性が時間をかけて家族の為に作る素朴なものなのだ。

このような物はたぶん世界中で文明というものが現れた頃から作られていたのではないだろうか、女性たちがそのものに名前をつけなくても黙々と作っていたものをある日、誰かが発見したのだろう、そこに大陸があり人々が住んでいたにも関わらず『新大陸発見』などど書き留めた男性がいたように。

と民芸運動というものについても皮肉的に私は思う。

少し否定的な雰囲気で書いてしまいましたが、今回の展示のカンタは岩立コレクションから出されていて、このカンタはそのコレクター岩立広子さんこそが見出したようだ。

つまり「女性による女性の仕事を見出し体系づけて保護している」と言えるのだろう。

 

女性である私は思う。

誰がなんと言ってカテゴライズしようと関係ない。

 

そこに素敵な布があったから見入ってしまった。

私も似たような物を作っているから、ちょっとマネしてみた。とってもよかった。

あなたにも教えてあげる。

 

そうやって民芸と言われる物は作り続けられるのではないだろうか?

 

 

 



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