「わが国は、ほんとうに崖っぷちに立たされているんですよ。とにかく、菅さんは人柱になる覚悟です。自分のことなんて何にも考えてない。」
無責任な外野から無責任に管総理を誹謗している連中は恥を知れと言いたい。俺が総理なら「だったら代わりにお前がやれ」と言いたいところだ
みなさん、こんにちは。今日は重大なお知らせがあります。なんと、昨日、菅直人総理の盟友としてお馴染みの中川右介の弟として有名な中川文人さんの娘さん(中学一年生)宛に、内閣総理大臣夫人である菅伸子さんから手紙が届きました。伸子さんからの手紙には何が書かれていたのか、とっても気になるところです。そこで、中川右介さんの弟であり、中川文人さんの娘さんのお父さんでもある中川文人さんに直撃インタビューを試みました。インタビュアーはヨセフアンドレオン編集部のマチルダです。
–では、菅伸子さんから手紙をもらった中川文人さんの娘さんのお父さんである中川文人さん、よろしくお願いします。
中川「あのさ、私が、中川文人の娘の父親であるのは、そりゃ、そうなんだけど、他に言い様はないのかね」
–では、中川右介さんの姪御さんのお父さんと呼びましょうか?
中川「まあ、なんでもいいです。」
–で、なんて書かれてあったんですか?
中川「そうそう、それなんだけど、娘に届いた手紙の内容を父親がベラベラしゃべるってのはヘンでしょう。だいたい、これ私信だし。」
–そうかもしれませんけど、伸子さんは総理夫人という公的な立場にいるわけだし、中川さんの娘さんも、中川右介の姪という公的な立場にいるわけですから、私信といわれても納得はできません。国民には知る権利があります。」
中川「中川右介の姪って、公的な立場なのかなあ」
–全文を公開しろ、とは言いませんから、さわりの部分だけでもお願いします。
中川「わかりました。でも、さわりと言われてもなあ」
–では、質問を変えます。中川さんは伸子さんからの手紙を読んで、どう思いましたか?
中川「すごい気迫だ、と思いましたよ。私は編集者でございますので、文章を読むのが仕事なわけですけど、ここまで気迫のこもった文章を読んだのははじめてです。」
–原発問題については触れてましたか?
中川「もちろん。それがメインです。原発に対する総理の立場、考え方、総理が今やろうとしていることが明確に記されていました。あまりにもはっきり書いてあるんで面くらいましたよ。」
–なんて書かれてたんですか?
中川「これ、国家機密だと思うんだ。」
–そんな微妙なことが書かれていたんですか。
中川「いや、そうじゃない。全然、微妙じゃない。あまりにもはっきりしているんでびっくりしたんです。ここまではっきりしてるんだ、と。で、これは大変だ、これは口が裂けても言えない、どんな拷問にあっても言えない、と思ったわけです。」
–気になりますね。
中川「まあ、とにかく、総理は覚悟を決めていますよ。昨日、菅さんは国会で、刀折れ、矢尽きるまで、と言っていましたが、あれははったりでもなんでもありません。本当にそういう覚悟で臨んでいる。」
–あの発言には悲壮なものを感じましたけど。
中川「そうだね。悲壮な決意だね。とにかくマスコミは、権力欲だとか功名心だとかいろいろ言っているけど、あんなのは全部ウソ。全部デマです。菅さんはそんなものはとっくに捨てています。命も捨てている。」
–命も捨てているんですか?
中川「行間から、暗殺されたほうが楽だ、という総理の声が聞こえてくるようでした。」
–命がけで総理の座にしがみつく、ということですか?
中川「いや、そうじゃない。辞めたくても辞められない、というのが総理の本音なんだと思います。総理は、辞めるわけにはいかない状況に追い詰められているんです。」
–総理の居直りが野党とか与党を追い詰めているように見えますけど。
中川「それは表面的な見方です。前門の虎、後門の狼、という言い方がありますが、菅さんはいま、前門のゴジラ、後門のキングギドラ、というような状況に追い込まれているんです。とにかく、絶対に引けない、どこにも逃げ場がないという状況に総理はおかれている。私は伸子さんからの手紙を読んで、そのことがよくわかりました。菅さんは燃え尽きるまでとも言っていたけど、本当に、ホセ・メンドーサの待つリングに向かう矢吹丈のような心境なんです。」
–よくわかりませんけど、菅さんが総理を続けたほうがいいんですか?
中川「これは難しい問題です。菅さんが赤の他人なら、私も、死ぬまでやれ、と言いますよ。だけど、何度も会ったことがあるし、伸子さんや源太郎さんのこともよく知っているから、死ね、とは言えない。だけど、この国を少しでもよくしたいと思うのなら、やっぱり、死ぬまで続けろ、と言わざるをえない。」
–すごい状況なんですね。
中川「わが国は、ほんとうに崖っぷちに立たされているんですよ。とにかく、菅さんは人柱になる覚悟です。自分のことなんて何にも考えてない。」
–なんだか、寒くなってきました。で、ここで話を変えます。伸子さんから手紙が来たのは、娘さんが菅さんに手紙を出したからと伺いましたが、そうなんですか?
中川「はい、そうです。家族でテレビを見ていたときのことです。菅降ろしのニュースを見て、娘がこう言ったんです。「被災地には家のない人がたくさんいるっていうのに、こんなことやってる場合じゃないだろう」と。で、言いたいことがあるなら総理に手紙を書きなさい。おじさん(中川右介氏)に頼んで渡して貰うから、と言ったら、書いてきました。」
–どういう内容だったのか、教えてもらえますか?
中川「そうですね。娘の書いた手紙は国家機密にはならないと思うから、いいかな」
–原発に関して、娘さんはなんと?
中川「外国の人が福島と書かれたプラカードを掲げてデモをやっているのに、日本が脱原発しなくてどうすんだ、というようなことを書いていました。」
–いきなり国際的ですね。
中川「プロレタリア国際主義は中川家の家訓です。あと、福島の子供たちを早く助けろ、とも書いていました。」
–泣けますね。他には?
中川「いろいろ厳しいことを書いていましたよ。あんたが総理大臣なんだから、あんたが決断しなさい、とか。」
–娘さんは、伸子さんからの返事を読んで、納得してましたか?
中川「はい。この人が奥さんなら大丈夫だろう、という感想をもったようです。」
–その気持ち、私もわかります。中川さんは原発事故が起きたとき、今、菅さんが総理でよかった、他のが総理だったら日本は終わっていた、と言っていましたけど、私は、今、総理の奥さんが伸子さんでよかった、と思いましたから。
中川「私も、今回の手紙を読んで、つくづくそう思いました。有事、非常時というのは、物事をはっきりさせるんですけど、男と女の力関係が完全に逆転していたということが今回の震災ではっきりしました。」
–まあ、男の人にもまだなんらかの出番はあると思いますから、気を落とさないでがんばってください。
中川「はい。ありがとうございます。女の人の足をひっぱらないようにがんばります。」
以上、菅伸子さんの盟友である中川右介さんの姪御さんの父親である中川文人さんでした。
面白いから断固続けろ、というメールが複数届きましたので断固続けます。では、菅直人総理の盟友である中川右介さんの姪のお父さんである中川文人さん、お願いします。
–質問がドバッと届いています。第2部はそれをもとにお願いします。
中川「ぼくには、国民的俳優の岸谷五朗の同級生とか、メドヴェージェフロシア大統領の学友とか、他にもいろいろあるんだけどな。」
–そういうの、自分で言っていて空しくなりません?
中川「空しいです。中川右介さんの姪のお父さんでいいです。」
–では、最初の質問です。ずばり、総選挙はあるのか。
中川「不信任案が可決されたら、そうなるでしょう。菅さんは何も迷わないでしょう。閣僚が反対しても、全員罷免して解散総選挙に打って出るでしょう。」
–それはもう確定事項だと。
中川「そうです。」
–選挙になったばあい、原発が争点になるのでしょうか?
中川「そうですね。政策的には、原発依存を続けるのか、方向転回するのか、というのが大きな争点になるのでしょうが、実はもう一つ、これとは位相の違う重要な争点があります。」
–なんでしょう。
中川「次の選挙では、脱原発対原発推進、市民の論理対永田町の論理など、いろんなことが対立軸になると思うんだけど、どうも、菅さんと菅伸子さんは、それも大事だけど、それと同じくらい、いや、それ以上に大事なことがある、と思っているようです。これは、伸子さんからの手紙を読んではじめて気がついたんだけどね。」
–その重要なこととは?
中川「今、問題を解決するのか、それとも、また先送りにするのか、という問題です。菅さんと菅伸子さんは、菅降ろしをしている人たちを後者と見ているようですね。」
–政策以前の問題として、そういう問題があると。
中川「はい。菅さんが、総理を辞めるわけにはいかない、と思い詰めているのも、これがあるからでしょう。」
–ほお。
中川「これは非常に重要なことです。『男組』の流全次は、今、戦わない人間が後で戦うわけがない。戦わないためのいいわけなんて、無限に考えつけるものなんだ、と言っていますが、この思想に通じるものがありますね。」
–そこが、菅さんと他の政治家の決定的な違いである、と。
中川「革命家の松尾眞さんは、それが革命家だ、と言っていますが、そういう意味では次の選挙の本質は、革命家対政治家なのかもしれません。」
–なんかゾクゾクしてきますね。
中川「これは死闘になりますよ。まあ、浜岡停止以降はずっと死闘なんだけど。」
–次の質問です。「菅さんはなんで官僚に嫌われてるの?」という質問が届いています。
中川「これは、菅さんが自民党時代の総理とはまったく違うタイプの総理だからです。」
–具体的にお願いします。
中川「そうですね。自民党時代の総理っていうのは、官僚から「総理、目を通してください」と書類を渡されると、じっとその官僚の目を見て、「おまえが目を通したならいい。ダメだったときは、おれが責任をとる」と言ってめくら判を押したんです。で、それが「いい総理」「えらい総理」「大物」「男の中の男」とされていたんです。が、菅さんは素直な人だから本当に目を通す。で、「なんだこれは。データをもってこい」と言う。で、それが「正しい総理のあり方」と考えている。だから、自民党時代を知っている官僚には耐えられないんですよ。」
–それは、どっちがいいんでしょうか?
中川「どっちも一長一短ありますよ。自民党型だと官僚は増長し、腐敗するし、菅さん型だとモチベーションが下がる。まあ、4年交代っていうのがいいんじゃないのかな。」
–次の質問です。「最小不幸社会って、いったいどういう社会なの?」という質問が届いています。私もこれ、ピンとこないんですけど。
中川「そうですね。なんといえばいいんだろう。これは、社会像というより政治の役割の問題で、簡単にいうと、菅さんの目指す最小不幸社会とは、だれも政治で得をしない社会です。」
–はあ?
中川「ようするに、自民党時代の日本では、大物政治家と親しい、とか、官僚に知り合いがいる、とか、そういう人は得をしたでしょう。いろいろ便宜を図ってもらったり。で、菅さんはそういうのはもうダメ、と言っているんです。実は簡単な話なんです。」
–なるほど。私はそれでいいです。別に、大物政治家に知り合いなんていないし。
中川「そうそう。大多数の人はそうなんですよ。なのに理解されないのは、最小不幸という言い方が悪かったんでしょうね。中川右介さんに言って、何かいいキャッチフレーズを考えてもらいましょう。」
–でも、それって、これまで政治で得をしてきた人たちは耐えられないんでしょうね。
中川「耐えられないでしょう。復興予算で地元の大物政治家が得をするのは当然と考えている小沢一郎さんや渡辺恒三さんなんかは本当に耐えられないんだと思います。」
–まあ、でも、そういうのはもう諦めてほしいですね。で、最後の質問、というか意見なんですが、「菅さんはもっと国民の前に出て、自分の考えをはっきり言え」というのがあります。私もそう思うんですけど。
中川「ああ、それは娘も手紙に書いていました。前の総理の小泉さんは毎日テレビに出ていた。菅さんも毎日テレビに出て、国民を安心させろ、と。」
–中学生の間では、前の総理は小泉さんなんですね。
中川「他のは忘れ去られてるね。で、この問題については答えるのが難しいんだけど、菅さんがテレビに出て、国民のみなさん、もう大丈夫です。安心してください。私を信じてください、ということはないでしょう。っていうか、それをやったら、菅さんは菅さんではなくなる。」
–というのは?
中川「菅さんは市民運動出身ということになっているけど、市民運動も学生運動も、お上の言うことを疑うことからはじまるんですよ。政府の言っていることは本当なのか?あの教授の言っていることを信じていいのか?と。いま、国民は、政府の言うことは当てにならない、東大の学者はみんなペテン師と思っているわけですが、これ、菅さんとしては、本来は歓迎すべき状況なんですよ。」
–なるほど。市民運動が発展するチャンスなわけですね。
中川「だけど、まさかそういうわけにはいかない。自分が政府の代表なんだから。」
–それはそうですね。
中川「だけど、安心してください、政府を信じてください、なんて心にもないことは言えない。菅さんはいま、大きなジレンマを抱えているんです。」
–それで歯切れが悪いと。
中川「まあ、そういうことです。」
–でも、安心してください、信じてください、って言われたほうが、楽といえば楽なんですけどね。
中川「それはそうだと思うけど、その結果が原発事故でしょう。同じ過ちを繰り返したくないのなら、国民の一人ひとりが国家、政府の言うことを疑い、自分の身の振り方は自分で決める、という習慣を身につけなければなりません。」
–なるほど。そうかもしれませんね。今、菅さんが退陣したら、同じ過ちを繰り返す世界に戻っちゃうんですね。
中川「そういうことです。というわけで、私は心を鬼にして言います。菅さん、死ぬまで総理を続けてください、と。あと、私にできることがあればなんでもやりますので、いつでも声をかけてください。」
以上、国民的俳優の岸谷五朗の同級生であり、メドヴェージェフロシア大統領の学友でもある中川文人さんでした。