「本焚き」での窯中の温度は最高で600度にも達すると推定されます。
「本焚き」が完了すると「冷やし」の工程に入ります。
窯を完全に密封したまま、最低5日から1週間の「冷やし」の期間が必要です。
この期間は季節により変動しますが、早めに開けてしまうと蒸し風呂のような状態の中で「窯出し」を行うことになります。
普通は、次回の窯入れまでそのまま半月ほど「冷やし」の期間を置いています。
窯を空にする期間を少なくして窯の傷みを防ぐ配慮をしています。
その間、我々は里山園内の整備等をしながら、ひたすら待ちの姿勢です。

野鳥巣箱の点検の様子
ノウハウ
(1)あせらず気長に、ただただ窯が冷えるのを待つ
工程⑤(14日目以降)窯出し
いよいよ、お待ちかねの「窯出し」です。
窯を開けて、窯中の灰になった部分の面積で「本焚き」がうまく行ったかどうかベテランには分かるようです。
「窯出し」作業には、窯中で炭をまとめるのに2名・窯外で炭を取り出し仕分けするのに3名はほしいところです。
取り出して炭焼き小屋に積み上げる際に、「ねもい」(炭になりきらず木質部が残った部分)の方向を統一して整理してゆくと後の作業がやり易くなります。
すなわち・・・木の根の方向を統一して取り出し積み上げることです。
積み上げ作業の時に「仕分け」も同時に行います。原木の形に近く焼き上がった上質の炭と砕けた炭を分別しておきます。

窯からの炭の取り出し作業

炭焼き小屋に積み上げられた炭
窯から炭が全て取り出されたら、窯床の整理と壁等の補修をして、引き続いて次の「窯入れ」を行うのがベストです。
ノウハウ
(1)「ねもい」の方向を意識して作業できるのが経験者です
(2)窯出し・窯入れは出来るだけ同一日に行って窯が湿気るのを防ぐ