ナカジマは上からの命令により、珠代を始末しようと追っかけてくるが……
「あんた、あの子とは長いの……ヒロシ」
いつしか嫁姑のごとき会話に。
「結局阿佐倉くんがこの先の事考えてくれないんじゃ…戻ったって…」
「あー…もー何もない…」
「あんたも…なるか。人魚に」
「え?」
「おいで。教えてやるよ、人魚のこと」
そのころ、常田・加藤・バンバさんはそれぞれ別室で……
タイコは常田のもとへ……
「やっと出た食事がうなぎ、レバニラ、とろろ、生卵…」
「ねえ。胸に傷があるって本当?幾つあんの?7つ?」
バンバ「あたしんとこ、生ニンニクだけ」
加藤「態度違いすぎだろほんと!」
阿佐倉はフネに魔女部屋へ連れて行かれる。
「あんたがたが幽霊や妖怪と呼んでいるもの、そして人魚もすべて、世界が1枚分ずれているのさ。」
「それを魔法で繋げたんだよ」
「これよりオペを開始する」「え、ちょっと待ってオペって」
「あの女を助ける代わりにあんたは宝を1つ差し出す。だからそいつを貰うのさ。子を為すための、男の部分をね」
「あたしとカツオは女でも、そして男でもない。変わりそこねさ。」
「大人しくよこしな!……あー面倒くさい!カツオ!麻酔!」
抵抗むなしく気絶する阿佐倉。
魔女部屋へ向かう道すがら、
人魚になるべくダンスの振りを教わる珠代。
「全部覚えられるかな…」
差し出すお宝がないっと落ち込む珠代に、カツオはヒロシを指さす。
「思い出も宝物の1つだからね。あんた、まだ大切なんでしょ、あの男。別に命を奪うわけじゃないのよ。ちょっとアレをナニするだけ☆ しかも魔法のナイフでひっかくだけで契約は成立。超簡単なの!」
「……やっぱ、無理です」
「なんでよ、どのみちそいつは生贄になる運命なのよ。その男は、自分と引き換えにあんたの無事を願ったの。だから運命は変わり、あんたは今生きてる。
ナカジマ、手を下さなかったあんたの心変わりも実は偶然じゃないのよ。自分の意思だと思うだろうけど、運命の力が大きく働いたの」
「じゃあ、あたしを生贄にしてください!阿佐倉くんの代わりに!」
「お願いします!助けてください!お願いします!」
──ナイフが阿佐倉の足に──
「あああああ!刺さっちゃった!」
逃げる2人──
「逃がすかぁ!水よ…波よ…海よ…我がもとへ!」
「フネちゃん、ダメよ!今そんなに魔力使ったら…!」
「構うもんか、追うよ!」
そしてナカジマは──
バンバさんと加藤はついに子作りの儀式の場へ──
壁一面に無数の人魚の卵たちが妖しく輝く。
「掛けろってか!これに掛けろとおっしゃいますか!」
「これが最後のチャンスなんだ。この日の為に時空をねじ曲げ、未来の為にあたしらは走ってきたんだ!ここで止まって後戻りなんてできないんだよ!……
今この命を芽吹かせるまで、あたしたちは諦めるわけにはいかないんだ!」
駆けつけた阿佐倉と珠代。
「よし、逃げろ!」
追ってきた魔女・フネとカツオ。
「逃がしゃしないっつったろうが!」
常田とともに戻ってきたタイコ。
「フネちゃん!ダメよ!」
「水…水が…!」
サザエ「波が来る…みんな卵を守って!」
ウキエ「波を起こせ!卵への衝撃を少しでも軽くしろ!
フネ「この波で卵も守る!雄も手に入れる!未来はあたしらの手の中だ!」
──建物が揺れるかのような衝撃、そしてすべてが海で満たされる──
・・・To be concluded!・・・
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飛梅
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