つれづれまりん

いたずら白猫マリンの気ままな日常 を経て、
超いたずら 甘えん坊 ほぼ白猫 ハンニャの気ままな日常 へ

「自傷行為の理解と援助」

2013年06月11日 | 講演会メモ
先日((6/9(日))、
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の
自殺予防総合対策センター 副センター長
薬物依存研究部 診断治療開発研究 室長 で、
精神科医の、松本俊彦先生の講演
「自傷行為の理解と援助」を聴く機会がありました。


インパクトある内容で、分かりやすい話し方で、あっという間の2時間でした。

書きなぐりの聴講メモを整理するにあたって、
ブログにまとめてみようと思い立ち、
カテゴリー「講演会メモ」を立てて、初挑戦することにいたしました。
猫ブログに、ちょっと深刻なテーマの記事を・・・・すみません。 


最後に、マリンズ写真も載せました。 (*^^)v
この話題に興味のない方は、
最後のマリンちゃんだけでも見ていってください。m(__)m


まず、
生徒対象の薬物乱用防止講演終了後のアンケート調査や、
自殺既遂遺族への慎重な聞き取り調査等々のデータ、
さらに、ご自身の臨床経験をもとに、以下の話がありました。

・思春期の1割は自傷(自己切傷)経験あり。(男子7.5%・女子12.1%)
 しかし大人は気づいていない。(学校の認知データでは0.3%)
・12~13歳で開始。まさに思春期の入り口での問題。
・自傷行為を繰り返す理由・・・「不快な感情への対処」55%
 「自殺企図(致死性の予測をもって行う)」18% 
 「操作・意思伝達(自分の行動により他人の行動を変える)」18%
・そして、96%は、誰もいない場所で行い、誰にも知らせない。
 つまり、かまってほしいわけじゃない。アピールしたいわけじゃない。
 手に負えないほどのつらい感情への孤独な対処スキルである。
 『死ぬつもりはない』と言う。

・なぜ繰り返されるのか?
 自傷には、心の痛みに対する鎮痛効果がある。
 皮膚を切った瞬間、ほっとして安心する。
 心の痛みが体の痛みに変わるとき、脳内麻薬が分泌される。
 つらい出来事の記憶もつらい感情に襲われたことも、自分から切り離される。
 『生きるために切っている』と言う。

・しかし、「鎮痛効果」には、耐性獲得と依存性があり、
 自傷行為はエスカレートする。
 切る場所が広がる、コントロールされない切り方になる、
 「過量服薬」へ移行する・・・
 (過量服薬は、非致死性予測(これくらいなら死なないだろう)が困難)
 生きるためだったはずなのに、死が近くなる。
 生きるための自傷行為が自殺企図に変わっていくこともある。

・家族は、子の自傷行為を知ると、驚き、戸惑い、混乱する。
 繰り返されると、怒りがわいてくる。
 感情に巻き込まれ、疲弊する。
 子にとっての辛い状況が助長される。

・切ってしまったことをとやかく言わない。
 その子が、何に傷ついてそこまで追い詰められているかを考える。
 まずは、大人に助けを求めることを助言する。

そして、援助者として、どんなふうに援助したらよいかのお話がありました。
(長くなったので、ここは割愛いたします)

最後に、
・「心の痛み」を治めるための「鎮痛薬」として、リストカット、過量服薬のほか、
 拒食・過食嘔吐、過量飲酒、喫煙、
 薬物、安易な性交渉(プロテクトせず・不特定多数と)等、
 故意に自分の健康を害する行為が行われている現状がある。
 これらは、生き方全体が「自傷的」であると言える。
・そして、最大の自傷行為は、悩みを誰にも相談しないことである。
 誰かに助けを求めることが大事。

・子どもには、大人に助けを求める大切さを伝えて。
 助けを求めてくる子どもに対して、
 大人は、まずは善悪の判断をせず、そのつらさを共に考える。

助けを求めても無駄だった、にならない、信頼できる大人になってほしい。
と話されて、終了となりました。

(一聴講者の個人的な聴講記録です)

一瞬、何かをたくらんでいるようなマリン。(5月中旬撮影)

マリンちゃんは、辛いことあるのかな。
キミは言葉では訴えられないから・・・注意深く見守るようにするからね。