アルフレッド・ヒッチコック監督のロマンティック・サイコスリラー。
ヒッチコック作品が好きで録画をしてよく観ています。
テンポが早く無駄なシーンがない、伏線の回収も見事で、最後すべての謎が解き明かされるとサッと幕をおろしてエンドロール。
謎解きの場面はもう少しゆっくりやって欲しいと思うぐらいあっさりで、もし劇場で見ていたら置いてけぼりになっていたかも知れません。幸い私は録画で観ていたので、最後の場面は2回ほど巻き戻してどういう事だったのかを確かめました。
原題は『Suspicion』で「疑惑」。
お互いに一目惚れをして駆け落ち同然で結婚をした夫婦の物語です。
豪華な新婚旅行から帰ってきてみると立派な邸宅が用意されていた。新妻は夫に尋ねる。お金はどう工面したのかと。すると夫は平然とした顔で「借金をした」と答えた。新妻の顔が少し曇る。この人こんなで大丈夫かしら?定職にも就いていないみたいだし…。
その後も夫は妻の親が結婚祝いに送ってきた先祖代々伝わる椅子を売り飛ばしたり、そのお金をギャンブルにつぎ込んだり、会社のお金を横領して解雇されたりと一向に真面目に働く気配がない。ある日一緒に事業を起こそうとしていた共通の友人が何者かに殺され、妻は夫が殺したのではないかと疑念を抱く。
日毎に夫への猜疑心を募らせていく妻は、夫がお金欲しさに自分を殺して保険金を受け取ろうとしているのではないかと思い、実家へ帰ろうと決意するのであった。
ラストには大どんでん返しが控えていますが、ヒッチコックの巧みなリードにより視聴者は何度も「夫」を疑って信じて、また疑っては信じてを「妻」とともに繰り返す事になります。
80年前の映画ですが、私は昔の映画に出てくる女優さん達の衣装がとても素敵だなぁと思いながら観ています。