お辞儀」は飛鳥時代から奈良時代に、中国の礼法(立礼)を取り入れたのが始まりとされているそうですが、それまでは土下座をしていたとか。最近筆者は、日本史の勉強を再び始めたのですが、「魏志倭人伝」の原文・現代文の中に“下層階級の者が貴人(身分の高い人)に道で出会ったときは、ひざまずいて両手を地面につけてうやまった”というような内容があったことを思い出しました。これは今で言う土下座のようなものだったのかなと思いますが、身分の高い人に対して頭を下げるという習慣があったようですね。
また、現在のような立礼は、第40代天武天皇(?~686年)が、両手を地面につけ、ひざまずいて行う礼法を禁止し、立礼にすることを命じたからだとも言われています。天武天皇は新しい国家を目指して律令の制定を命じたと同時に、日本を立礼国家にもしたと言われています。
-お辞儀の種類
お辞儀をする習慣は、日本だけでなく中国や韓国などアジア諸国のほか、欧米などでも見られるそうですが、アジアでは一般的に使用され、欧米では儀礼的に使用するという違いがあると言います。しかし、「お辞儀」に関する言葉や動作の種類が世界的に見ても豊富で、しかも用途により使い分けている国は日本だけだそうです。
一般的なお辞儀の形には「会釈」「敬礼(普通の礼)」「最敬礼」の3つがあります。「会釈」は上体を15度ぐらい、「敬礼(普通の礼)」は30度ぐらい、「最敬礼」は45度ぐらい傾けて行います。「会釈」は朝夕のなどの簡単な挨拶の時、「敬礼(普通の礼)」はお客様や目上の人に対して、「最敬礼」は感謝の気持ちやお詫びをする時や、高貴の方に対して用います。
上記以外にも職業や場面によりお辞儀の形はいろいろあるようです。