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パウロ6世の信条
パウロ6世の信条：原罪の神学と科学的進化論
ロベルト・マッシ
1968年6月30日の信仰告白において、聖父パウロ6世は、特にトレント公会議の教えを参照しながら、原罪に関するカトリックの教義を想起させた。
「つまり、アダムが犯した最初の罪によって、すべての人に共通する人間の性質が、その罪の結果を背負う状態に陥り、それは、聖性と正義を確立し、人間が悪も死も知らなかった最初の両親の状態とは異なるものである、と私たちは信じています。このように堕落した人間の本性は、それを包んでいた恵みを剥ぎ取られ、それ自身の自然の力を傷つけられ、死の支配に服して、すべての人に伝わり、この意味で、すべての人は罪をもって生まれているのである。したがって、私たちは、トレント公会議とともに、原罪は人間の本性とともに、'模倣によってではなく、伝播によって'伝わり、したがって、それは'すべての人に固有である'と主張する...。私たちは、罪の赦しのために、主イエス・キリストによって制定された一つの洗礼を信じる。
洗礼は、まだ個人的な罪を犯すことのできない子供にも施されるべきで、それは、生まれたときには超自然的な恵みを奪われたとしても、「水と聖霊によって」神の命に生まれ変わるためである...」。
人間の起源とその原始的な状態の問題は、進化論によって厳密な科学的分野で研究されている。このような理論の発展と普及は、教会の教理に導かれたカトリックの学者たちに、原罪の神学を再考させ、ドグマをそのまま保持しつつ、現代人に適合するよう、今日、どのようにすればより良い提案ができるかを見いだすきっかけとなった。
創世記3章における悪の起源
第3章では、悪魔がエバを誘惑し、エバがアダムを誘惑して禁断の実を食べさせ、神に背かせ、罰を与えたという地上の悪の起源が語られている（創世記3、1-24）。
この物語がどのような文学的ジャンルで書かれたものであるかが重要な点である。
一般に、神学的な病因論が語られる。つまり、聖なる作者は、ヤハウェの善と同時に、この世に多くの悪が存在することを認識し、聖霊に照らされて、悪の起源は時間の始めに人間が犯した最初の罪によることを創世記第3章において宣言したのである。その意味で、この物語は、人間の現実の状態を最初の想像上のエピソードによって説明するサーガでもエートロジー神話でもなく、実際に起こった出来事（最初の罪）の歴史の特殊なビジョンであると指摘する人がいる。また、創世記3章の文学的ジャンルは、一神教の宗教的現実を絵空事のように具体的に認識したものであり、一定の歴史的価値を有するとする意見もある。
したがって、今日普及しているこれらの考え方によれば、聖なる作家は、最初の両親の罪の事実を歴史的、社会的な出来事として、救いの歴史における本質的な点として確認しようとしたのである。この最初の罪の経験は、全人類と神秘的な関係を持ち、キリストを中心とする神の救いの計画に完全に合致するものである。
これが聖書の著者が主張したい基本的なことである。これを超えることは非常に困難であり、実際、聖書の記述の中で現実の要素と象徴的な要素とを区別することは不可能な場合もある。その結果、このような意見によれば、聖書は本当に起こった事実（最初の罪）を確認したいが、大部分は象徴的な要素を通して、その教義的意義と真の価値を個別に研究しなければならないのである。
ローマ書のパウロ: 5, 12-21
ローマ人への手紙 5, 12-21 で、聖パウロは、キリストとアダムの並行した役割 を対比しながら、アダムにおける原罪についても語っています：一人の罪によ って死が世界に入り、他方の従順によって生命が入ってきたのです。
多くの現代作家たちによれば、聖パウロはこのテキストで、キリストの救 済機能を確認したいだけで、そのために創世記と現代のユダヤ神学から原罪の教義 を引用しながらも、それによってそれを確認しようとはせずにアダムに言及し ています。アダムの罪、罪の普遍性、万人の連帯は、彼の推論において手段とみなされ、目的ではない。パウロの説話はキリスト論的であり、創世記が述べていることを確認することを意図していないのである。したがって、アダムの堕落に関する記述の文字通りの理解は、文字通りの理解以上に、パウロの教義には含まれていない。
