九百億円の減税を実現いたします。また約一千億円の公共事業費を計上いたしまして、わが国経済の積極的復興をはかるとともに、教育費に約四百億円、災害復旧に四百七十億円、失業対策等社会政策諸費に五百六億円
今回ここに提出いたします明年度予算は、本年度予算同様、総合均衡予算の原則を堅持するものであります。また既定の経済安定復興政策を、さらに積極的に遂行せんとするものであります。総合均衡予算は、既往昭和六年以来初めて現内閣においてここに編成せられたものであります。ただに真の均衡を確保し得たるのみならず、明年度は本年度に比して約八百億円の歳出入の節約を断行いたします。九百億円の減税を実現いたします。また約一千億円の公共事業費を計上いたしまして、わが国経済の積極的復興をはかるとともに、教育費に約四百億円、災害復旧に四百七十億円、失業対策等社会政策諸費に五百六億円、その他の重要行政費に相当の額を計上いたしまして、国民生活の安定向上に資せんとするものであります。
政府は、今回の公務員給與ベースに関する人事院の勧告には応じがたしとの結論に達したものであります。現給與は、実質的には昨年三月改訂せられたばかりでありまして、爾来物価は毎月低落の傾向にあるにもかかわらず、もし給與の引上げを行いますならば、遂に物価と賃金の悪循環を引起し、再びインフレに逆行することはもちろんであるのみならず、減税、各種手当の適正なる支給、社会施設の充実整備等実質賃金の向上によりまして公務員の生活保障に努めんとするものであります。しかしながら、政府も目下の給與をもって足れりとするものではないのであります。財政の余裕を待ってさらに検討を加えまして、もって十分なることをいたしたいと考えておるのでありますが、公務員諸君もしばらく忍んで国力の回復に協力せられんことを希望いたします。